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カテゴリ(季節の薬膳) の記事一覧

補腎とスローエイジング

こんにちは、大森です。
今日は中医学におけるアンチエイジングについてお話します。

中医学では、身体を構成する要素として、
「気・血・津液・陰・陽・(腎)精」があります。
その中でも「腎精」は生命に関わる身体の一番根っこです。
(現代医学では、骨髄・受精卵・精子・卵子などが腎精に相当します。)
人間は不老不死ではないので、加齢に伴い腎精は必ず減っていきますが、遺伝的体質や生活習慣によって、減り具合や減る速度が変わります。

だから「中医学的アンチエイジング」とは、
・腎精を減らす原因を取り除き →生活習慣の見直し
精を充して →補腎効果がある食べ物や漢方薬を摂取

つまり「腎精が減るスピードをゆっくりにしましょう」ということで、加齢に抵抗する「アンチエイジング」ではなく、「スローエイジング!」なんですね。

補腎の漢方薬はいろいろありますが、毎日の食品から腎精を補充するには骨付き肉がお手軽です。
骨の中の髄は「腎精」ですから、コトコト煮て、髄が溶け出した補腎スープで滋養をつけましょう。

スープの味つけはなんでもいいのですが、鹹味(かんみ:塩辛い味)は腎に入りやすくしますから、シンプルに塩で調味するのがよいかもしれません。

 

2025/10/25

とうもろこしのヒゲスープ

こんにちは。大森です。
「夏に弱い人」の記事でもお話しましたが、今の時期の気候は、中医学では「暑」といいます。
「暑」の特徴は「熱」+「湿」、つまり蒸し暑いこと。
「湿」だけでも重だるいのに、「熱」まで加わると本当にしんどいですね。
スッキリしたくて、つい冷たいものをゴクゴク飲みたくなりますが……それはNGですよ。

冷たい物やなま物の摂りすぎでお腹を冷やすと、消化や水分代謝の力が低下し、体内に余分な湿気がたまりやすくなります。
冷え性の人は冬が苦手なように、体の中に湿がある人は空気中の湿気に弱いので、胃腸を守り体内に湿をためないようにすることが、梅雨を快適に過ごすコツです。

そんな湿気の時期にオススメの食材は……
今が旬のトウモロコシ!

皮・ヒゲ・軸・葉・根に、余分な水分を尿から排泄して、むくみを軽減する効果が期待できますが、使いやすいのはヒゲです。
ヒゲは、利尿の働きが良いだけでなく、変な味はせず、煮出すと甘い香りが漂います。
ヒゲは長いままだとシャクシャクして食感が悪いので、一部を取り出して1cmくらいに切り、そのままスープの具として食べちゃいましょう。

このスープに入れる具材には、体内の余分な湿をとるキュウリ・冬瓜などの瓜類やはと麦、元気をつけ胃腸の働きを良くする鶏肉・山芋・卵をどうぞ。
もしすでに冷たいもののとり過ぎで胃が冷えているなら、仕上げに生姜を加えてくださいね。

 

2025/06/21

山椒と陳皮入りガーリックオイル

こんにちは。大森です。

今年も実山椒の季節になり、1年分作業をしました。
実山椒の下処理は簡単ですが、房になっている実を一粒ずつ外すのが面倒です。
肩が凝ることこの上なし。
でも買ったらすぐ作業しないと、せっかくのきれいな緑色が黒っぽくなってしまうので、エイッと気合を入れて取り掛かります。

粒だけにしたら、洗って汚れを落とし、多めの湯でさっと2度茹でこぼします。
次に水1Lに小さじ1の塩水で茹でます。
唇がピリピリする痺れを残したいので、茹で時間は2,3分にしています。

あとは、水にさらさず、ザルに上げ、キッチンペーパーでしっかり水気をとってから(コレ重要)、冷凍保存します。

一部は山椒の実とニンニクのオイルに漬け込みました。

梅雨から夏は、冷たいもの飲食したり、季節の野菜は体を冷やすものが多くなったりして、意外とお腹が冷えがちです。
お腹の胃の辺りを触ると冷たかったり、便がゆるめになったりしたら、注意しましょうのサイン。

実山椒は、辛味で温性、お腹を温め、体内の湿気を飛ばしてくれるので、梅雨時にぴったりです。
温性で理気健脾ができる陳皮も加えたので、香りも効果もアップしています。

山椒陳皮入りのガーリックオイルは、カルパッチョやオイルパスタに使ったり、青菜をさっと炒めても美味しいです。

2025/06/03

夏はスイカ!

こんにちは、大森です。
毎日ほんとうに蒸し暑いですね!
たとえ風が吹いても、エアコンの室外機の熱風を浴びているかのようで、全然涼しくない。
冷飲すれば、むくんで胃の調子が悪くなるし、エアコンで冷えると頭痛が始まるので、せっせとスイカを食べて水分補給と熱冷ましをしています。

中医学的には、スイカの赤い果肉の効能は「清熱利尿・解暑生津」、つまり、利尿することで身体の熱を逃がし、汗で失った体の潤いを補うとされています。
だからスイカを食べるとお手洗いに行きたくなり、体のほてりもすっと軽くなるんですね。
中国には「白虎湯(びゃっことう)」という発熱疾患に使う方剤があるのですが、スイカは白虎湯に匹敵すると言われるほどの熱冷まし効果があります。

赤い果肉と緑の固い皮の間の白いところは、「西瓜翠皮(せいかすいひ)」といいます。
効能は果肉とほぼ同じですが、
熱冷ましの力…赤い果肉>白い部分
利尿効果…赤い果肉<白い部分
といわれています。

小玉スイカは白い部分がほとんどありませんが、大玉のスイカには白い部分が1cmくらいあるので捨てたらもったいない!
酢の物・ぬか漬け・味噌汁に入れるとおいしいです。


スイカの酢の物

【材料】
スイカの白い部分
胡瓜
生姜の甘酢漬け(市販品)
リンゴ酢
砂糖

白だし

【作り方】
①スイカの赤い果肉を少しつけて白い部分を切り取り、薄くスライスする。
②胡瓜をスライスし、塩をまぶしてしんなりさせ、汁気を絞っておく。
③生姜の甘酢漬け2,3枚を針のように細く切る。
④生姜の甘酢漬けの漬け汁に、リンゴ酢・砂糖・塩・白だしを加えて合わせ酢にする。
⑤合わせ酢にスイカの白い部分・キュウリ・生姜を加えて、冷蔵庫で30分ほど休ませて味をなじませる。

2024/07/11

冬瓜と鶏団子の煮物

こんにちは、大森です。
まだ6月だというのに、蒸し暑い~!!
冷たいものをゴクゴク飲みたくなるけど、ぐっと我慢して、上手に夏野菜を取り入れ、こもった熱を冷まします。

よく使うのは冬瓜です。
冬瓜は「冬の瓜」と書きますが、立派な夏野菜です。
丸のまま冷暗所保管すれば冬まで保存できるので「冬瓜」だそう。

冬瓜の果皮と種子は生薬として使われています。
果皮の「冬瓜皮(トウガヒ)」には利尿作用があるので、腎炎や尿道炎、排尿障害やむくみなどに、種子の「冬瓜仁(トウガニン)」は、肺の熱を取って痰を切り膿を排出する時などに用いられます。

野菜としては、95パーセント以上が水分でできているダイエット食材。
夏に旬を迎えるウリ科野菜ですから、体の熱を冷まし、利尿してむくみを解消してくれます。
また排尿回数を多くすることで体内のアルコール濃度を低下させるので、飲みすぎた翌朝にもぴったり。

今回は夏向きに、冬瓜(体の熱をとる)に鶏肉(暑さで消耗した体に元気をつける)団子を合わせてみました。
鶏団子にはジャガイモが入っているので、冷たくても脂っこくならずふわっとして美味しいんです。ジャガイモの代わりに水切りした豆腐でもいけます。

ただ、冷たくして頂くとツルッと口当たりよく美味しいのですが、冷やし過ぎには要注意です。夏は冷房や冷たい飲食物で、思いの外お腹の中が冷えていることがありますので、頂く時にお腹を温める生姜を添えるといいですね。

【材料】
冬瓜 1/2個
鶏挽肉 200g
マッシュポテト35g
塩 大さじ1/2
酒 小さじ1
出汁

【作り方】
①じゃがいもは皮を剥いて柔らかく茹で、潰して冷ましておく
②鶏挽肉に塩と酒小さじ1を加え、粘りが出るまでよく混ぜ、①を加えて更に混ぜる。
③冬瓜はタネとわたを取り、綺麗な翡翠色になるよう薄く皮を剥き、味がしみやすいよう皮側に薄く格子状に包丁を入れる。
④鍋に出汁を張り、沸いたところへ、スプーン2本を使って鶏肉を丸めながら加えていく。
⑤鶏団子に火が通ったら取り出し、アクをすくって、今度は冬瓜を入れて中火で煮る。(出汁が少なければ冬瓜がひたるくらいまで足す)
⑥冬瓜が透き通ったら、塩で味を調え、片栗粉でとろみをつける。

 

2024/06/15

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