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薬になる植物・豆知識 の記事一覧

苦しい鼻づまりの漢方薬

こんにちは、ブログではご無沙汰しておりました、太田です!
3月も下旬となり、桜の開花が待ち遠しい時期になりましたね。

先日、横浜美術館の側を通りかかったとき、ピンク色の花を満開につけた木が!

トウモクレン

桜にしてはなんだか枝振りが違うと思い、近づいてみると…。
木蓮が満開でした!

こちらの木蓮は「トウモクレン」という名前の木蓮のようですが、木蓮と似た花をつける「コブシ」という植物、ご存知ですか?
日本では、この「コブシ」または「タムシバ」の蕾を早春に採取して「辛夷」(シンイ)という生薬にします。

鼻づまりの漢方薬をお飲みの方、聞き覚えがあるのではないでしょうか。
「辛夷清肺湯」「葛根湯加川芎辛夷」
その名のとおり辛夷を使っている漢方薬です。
花粉症のシーズン、鼻づまりにお困りの方が増えておりますが、
そんな時期に鼻づまりに効く生薬が花をつける。なんだか面白いなあと思います。
(辛夷を薬に、と発見した頃には花粉症はなかったと思いますが。)

そして、辛夷を使った漢方薬で忘れてはならないのが鼻淵丸(ビエンガン)。
こちらも蓄膿症・鼻づまり・鼻炎の改善する薬です。

iskra89.biengan

新宿御苑では桜の開花の時期にコブシの開花が始まるようです。
桜と一緒に是非、コブシも見つけてみてくださいね!

2017/03/24

生薬になる植物を見る旅②

こんにちは、太田です。
先日私が書いたブログ、「生薬になる植物を見る旅①」の続きが六本木店のブログにアップされました。
今回のこのブログはその続き。六本木店の経絡人形「すすむ」と「すすむの中の人」(車田さん)と私が冬虫夏草や薬用植物に大変お詳しい貝津先生を訪れたときのレポートです。

第4部目になりますので、今までの経緯をご覧頂いていない方はこちらからどうぞ♪

【第1部】すすむの旅 その1:六本木店ブログ
【第2部】生薬になる植物を見る旅①
【第3部】すすむの旅 その2:六本木店ブログ

昼食に冬虫夏草ラーメンを頂いた私たち。なかなかできない経験で、大興奮でした!
スープには冬虫夏草のエキスもしっかり入っているようで、食べるとなんだか元気になれた気が。(※個人の感想です)

しっかりと腹ごしらえを済ませ、再度山へ。
後半も説明をしていただきながらジャンジャン写真を撮っていきます!

ジャノヒゲ(生薬名:麦門冬・バクモンドウ:塊状根を乾燥したものを使用/潤肺生津・化痰止咳)
麦門冬

麦門冬2
このジャノヒゲ、私の祖父母の家に植えてあり、私が小さなころは力が足らなくて全然引き抜けなかったことを思い出しました。なぜ引き抜こうとしていたのかは覚えていないのですが…。

サンザシ(生薬名:山楂子・サンザシ:秋に採取して核を除き、天日干ししたものを使用/消化化積・下痢・破気化瘀・消脹散結)
サンザシ
サンザシは油っぽいものやお肉の消化を助けてくれる生薬。健康食品・「晶三仙」(しょうさんせん)に含まれています。
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クワノキ
桑
桑は、使用部位により生薬名が異なります。
葉:桑葉・ソウヨウ/疏散風熱・清肺潤燥止咳・平肝陽・明目
若枝:桑枝・ソウシ/袪風湿・通経絡・利関節・行水退腫
根皮:桑白皮・ソウハクヒ/瀉肺平喘・利水消腫
成熟実:桑椹子・ソウジンシ/滋陰補血・生発烏髪・生津止渇・潤腸通便

ウラジロガシ(生薬名:裏白柏・ウラジロガシ:葉を使用/腎臓結石・尿路結石などに使用)
ウラジロガシ
その名のとおり、葉っぱの裏は白っぽいですね。
腎結石・尿管結石の薬、「ウロカルン」はウラジロガシエキスの製剤です。

カキドオシ(生薬名:連銭草・レンセンソウ:全草を使用/利水通淋・排石止痛・清熱袪湿退黄・清熱消腫)
カキドオシ

カラスビシャク(生薬名:半夏・ハンゲ:球状塊茎を使用/和胃止嘔・燥湿袪痰・散結消腫)
ハンゲ

ハンゲ2
大変良く使用される生薬ですが、(例えば、このブログの一番最初にご紹介した麦門冬と一緒に使用した「麦門冬湯」など)有毒のため加工(修治)しなくては使えません。上の写真のひょろっとしたものは花。周りの草と同化して、全く目立っていませんがとても可愛いお花だなあと思います。

ウマブドウ
ウマブドウ
ウマブドウは生薬というより民間薬として主に東北地方で使用され、
実を酢漬けにして捻挫などに湿布して利用するそうです。

トコロ(生薬名:萆薢・ヒカイ:地下根茎を使用/袪風湿)
トコロ

アマドコロ(生薬名:玉竹・ギョクチク:根茎を使用/養陰潤燥・除煩止渇)
アマドコロ

アマドコロ2
こちらは、健康食品「百潤露」(ひゃくじゅんろ)に含まれております。
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カキノキ(生薬名:柿蒂・シテイ:果実のヘタを使用/降気止嘔)
柿
柿の葉も咳などに用いられますが、柿のヘタを使った柿蒂湯(シテイトウ)はしゃっくりに効果がある処方です。私も時々しゃっくりが止まらなくなるのですが、柿蒂湯を服用すると嘘のように楽になったことがありました。

クマヤナギ
クマヤナギ
こちらは日本では民間薬として膀胱炎・尿路結石などに使用されます。

ゲンノショウコ
ゲンノショウコ
ゲンノショウコもまた有名な日本の民間薬ですね。下痢や腹痛・健胃薬として用いられます。
中国には日本のゲンノショウコはなく、同じフウロソウ科の植物を生薬・老鸛草(ロウカンソウ)として用いるようです。

セキショウブ(生薬名:菖蒲・ショウブ:根茎を使用/芳香開竅・逐痰袪濁)
ショウブ
この菖蒲は、良く見かける花が華やかな花菖蒲とは異なります。薬理作用に芳香開竅とあるように、こちらの菖蒲は香りが特徴で花は目立ちません。

マムシグサ(生薬名:天南星・テンナンショウ:塊茎を使用/燥湿化痰・祛風解痙・解毒消腫)
マムシグサ
こちらの植物は有毒のため加工(修治)が必要になります。
見るからに、ちょっと口にするには勇気がいる植物だと思います。

ユキノシタ
ユキノシタ2

ユキノシタ
中国名は虎耳草(こじそう)として、山菜として食用にされたりするようですが葉を天日乾燥させたものをやけどや湿疹、小児のかんなどに使用します。

以上、駆け足で植物をご紹介いたしました。
実は私はこの日に先生から頂いたカラスビシャクの根を持ち帰りまして、水につけていたら根と芽が出てきました。
FullSizeRender (5)
向かって左がラーメンに入っていた冬虫夏草(あまりに立派だったのでこれまた持ち帰りました。)
右がカラスビシャク。カラスビシャクはお花が咲けばいいなあとは思いますが、どうなることでしょう。

山を散策した後、私たちは更に先生が関わられた薬草園をご案内いただきました。
そこでも沢山の植物を見てまいりましたので、この続きはまた六本木店の「すすむ」へバトンタッチ!
車田さん
一生懸命植物を観察する「すすむの中の人」です。

2016/07/19

生薬になる植物を見る旅①

こんにちは、太田です。
一つ前に私が書いたブログでご紹介したとおり、先日六本木店の車田さん(改め、「すすむ」の中の人)と私、そして経絡人形の「すすむ」と3人?で福島県にある港屋漢方堂薬局の店主・貝津好孝先生を訪ねました。

このシリーズは、六本木店ブログとリレー方式で数回に分けて綴ってまいりたいと思います。

本日のブログは六本木店ブログの続編。こちらから読み始められた方は、六本木店ブログをお先にどうぞ!
朝6時に待ち合わせをして無事に電車を乗り継ぎ福島へたどり着いた私たち。
ここまでの隠し撮りがこちら。

電車を待つ   きびたん

リュックからはみ出るすすむ氏(怖い…。)と、キビタン激写中の車田さん。

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朝早くの訪問にもかかわらず、快く出迎えてくださった貝津先生。
まずは先生のお庭に生える植物を見せていただきました。
簡単に植物名・生薬名・使用部位・効能を書いていきます。

カワラヨモギ(生薬名:茵蔯蒿・インチンコウ:蕾または頭花を乾燥させたものを使用/清熱利湿・退黄疸)
カワラヨモギ

イカリソウ(生薬名:淫羊藿・インヨウカク:一般に葉を用いるが、枝や茎も使用/補腎壮陽・祛風湿)
イカリソウ

カラトウキ(生薬名:当帰:根を使用/補血・行血・潤腸・調経)
カラトウキ

キキョウ(生薬名:桔梗:根を使用/清肺提気・祛痰排膿)
キキョウ

サルノコシカケ(生薬名:梅寄生)
梅寄生

カワラタケ(生薬:雲芝・ウンシ/健康食品「木鶏丹」に含まれる生薬)
雲芝

 

当帰の葉をちぎって香りを嗅がせていただいたのですが、なんと当帰独特の香りが!
通常は根を使用するので根の香りはよく知っていたのですが、まさか葉まで当帰の香りがするとは。
カワラヨモギもシルバーグリーンの、もしゃもしゃとした可愛い植物。この植物に「清熱除湿」の効果があるとは…。と感動。
お店の中も見せていただき、色々と勉強させていただきました。

その後、ついに先生の山へ…!!

山の中で一番最初に教えていただいた植物がヌルデ。歩くたび新しい植物をご紹介してくださる先生。「すすむ」の中の人も私も大興奮でパシャパシャ写真を撮っていきます。
皆さんもついてきてくださいね!

 

ヌルデ(生薬:五倍子・ゴバイシ:葉に生じた虫こぶを使用/染料としても用いられる生薬。葉軸に翼があるのが特徴的/収斂、止血、止瀉、解毒)
ヌルデ

イタドリ(生薬:虎杖根・コジョウコン:根を使用/祛風湿・利湿通淋・破瘀痛経・解毒消腫)
イタドリ

ギシギシ(生薬:羊蹄根・ヨウテイコン:根を使用/土大黄と呼ばれるように、根にはアントラキノン類が含まれています/涼血止血・清熱解毒・殺虫療癬・泄熱通便)
ギシギシの根
葉は生で食べても美味しい!とのことで恐る恐る食べてみる「すすむ」の中の人。私もかじってみたところ、サラダにしたら美味しそうだな~と食いしん坊な私は思いました。
IMG_8606

ホオノキ(生薬:和厚朴・コウボク:樹皮を使用/この立派な葉は料理を乗せたり、朴葉味噌に使用されます/燥湿除満・行気降逆)
ホオノキ

ミツバアケビ(生薬:茎は木通・モクツウ、果実は八月扎・ハチガツサツ:茎又は果実を使用/降火利水・通乳)
ミツバアケビ

ワラビ(生薬:蕨:全草を使用)
ゼンマイ
キノコ類はまだ放射線量が多いため食べられないのですが、蕨は大丈夫とのことでしたので山道を歩きながら手折っていきます。
ちょっと疲れたのでコーヒーブレイク。
蕨はこんなに採れました!と言いたいところですが、こちらは山を管理されている方に頂きました。
今回は専門家の方と山道をご一緒いたしましたが、中にはかぶれ易い植物もありますので個人で山に入る方は十分に注意されてくださいね。
ゼンマイ (2)

 

この後私たちは蕨を山分けして、お土産に。
実は私、蕨を食べるのは初めてでしたが灰汁抜きをしておひたしにしたり、ツナと混ぜてとっても美味しくいただきました。
車田さんはこんな風に召し上がったみたいです→

さてさて、この後はもう少し山を歩いてお昼ご飯。
お昼ごはんにはとっても貴重なアレ、食べちゃいました。

続きのレポートは「すすむ」にバトンタッチです!→こちらからどうぞ。

2016/07/02

夏至の生薬といえば

こんにちは、太田です。
イスクラ薬局は19時閉店なのですが最近は閉店後も明るくて、夏が近づいている実感がありワクワクします。
今年は本日、6/21からが二十四節気の夏至、七十二候では「乃東枯 なつかれくさかるる」。(意味は夏枯草が枯れる時期)
一年の中で一番太陽が出ている時間が長い時期です。

さて、タイトルの「夏至の生薬」と聞いて私が思い浮かべるのは2つ。
ひとつは既出の「夏枯草」(かごそう)・日本名をウツボグサ。
もうひとつは「旱蓮草」(かんれんそう)・日本名をタカサブロウ。

実は先日、六本木店の車田さんと一緒に薬草・生薬や冬虫夏草にお詳しい先生の元を訪れ、山や薬草園で植物を解説していただいて来ました。
とーーーーーっても充実した1日で、(そのご報告も近いうちにブログにてご紹介いたします)その際に夏枯草の写真を撮ってきました。
それがこちら。

夏枯草
夏枯草という名前は、この花穂が終わってもそのまま枯れて褐色になっても立っていることが中国名の由来になっており、生薬は花穂の部分を浮腫みや残尿感のあるときなどに使用します。

もうひとつの旱蓮草は、夏至の時期から秋の開花期に刈り取って使用する生薬で、若白髪や血便・血尿・目の充血などに使用します。
徳川家三代将軍・家光公がこのタカサブロウのおひたしが大好物だったといういわれがあるようです。
この旱蓮草は、夏至の反対の時期である冬至の前後に収穫をする女貞子(じょていし)・日本名トウネズミモチと一緒に配合すると「二至丸」(にしがん)という処方になります。
「二至」とは、それぞれの収穫時期である夏至と冬至に因んでおり、生薬名ではなく季節の名前をつけられたこの処方名がとても好きです。

イスクラ薬局では、この「二至丸」をもとにした健康食品、二至丹を扱っておりますのでご興味のある方は是非お尋ねください。
二至丹

旱蓮草の写真は残念ながら無いのですが、トウネズミモチ(女貞子)も先日一緒に撮影してきました。
それがこちら。

女貞子1  女貞子2

よく家の垣根などに使用されてきた植物なので、見覚えのある方も多いのではないでしょうか。
生薬としては、この果実を使用します。

実は私、ネズミモチ(今となってはトウネズミモチかネズミモチかわからないのですが)には思い出があります。
というのも私が通っていた幼稚園の園庭に植わっていて、この青い果実をむしり取って潰し、中に入っている白くて小さな「ネズミのスプーン」を採取しては楽しんでいました。そんな思い出のある植物です。

きっと皆様の思い出にある植物も生薬として使われるものも多いと思います。
先日撮影した写真はまだまだ沢山あるので、少しずつご紹介してまいりますので、是非楽しみにお待ちください。

2016/06/21

ある日シシウドに出会った。

こんにちは、いのうえです。

先日、日帰りで家族と蓼科まで行ってまいりました。

日差しは強いのですが日陰にいると涼しく感じられ、爽やかな気分になりました。

八島湿原

朝、慌てて出たせいでカメラを忘れてしまったのが残念だったのですが、

iPhoneで撮りました八島湿原の様子。

 

写真に写っている白い花、

かなり背が高く茎も太く成長していたシシウドという植物です。

 

傘のような形の花のつき方で、

このつき方を傘形花序(さんけいかじょ)と呼ぶのですが、

シシウドと同じセリ科の植物の花は傘形花序が特徴なので、

中薬でいえば当帰や川芎、柴胡の花なども同じような形に花がつきます。

ちなみにいのうえは、この傘形花序が線香花火みたいで好きです。

 

↓参考画像


Angelica / hwat

 

さて、実はシシウドも根を漢方薬で使います。

 

この暑い季節にはあまり活躍の場面は多くないのですが、

寒さ湿気で生じてしまった痺れや痛みによく使う、

独歩顆粒の主薬、独活(どっかつ)がこのシシウドの根です。

 

連日の猛暑に終わりが見えずうんざりなのですが、

寒い季節に痛み痺れに悩まされる方がいらっしゃいましたら、

独歩顆粒を覚えておいてくださいね。きっとお役に立ちます♪

2015/08/08

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売