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薬になる植物・豆知識 の記事一覧

7/2の半夏生にちなんで

水曜は私いのうえのお休みにて、

昨日のよい天気にここぞとばかり洗濯・布団干し・お掃除・ときどきTV見てぼーっと…

 

TV「今日は暦の上で半夏生(ハンゲショウ)、香川県ではうどん無料が振る舞われています」

 

なんで!!!Σ( ̄Д ̄)

 

半夏生って漢方ではよく使われる生薬半夏<はんげ>が生える頃って暦なんです。

ハンゲショウという植物が白くなる(半分化粧したようになる)頃ともいうようですが、

あれあれ、うどん関係なかったはずなんだけど……。

 

TVによると、ちょうど半夏生の頃に小麦の刈入れと田植えが終わるため、

この時に収穫した小麦でうどんを打ち、農家の人たちをねぎらうのが目的だったようです。

 

香川県ならではの半夏生、麺好きいのうえ思わずうっとり

 

それはさておき、漢方を取り扱う私たちですので半夏について。

 

半夏カラスビシャクという植物の塊茎。

カラスビシャクという名前も、

まるでカラスが使う柄杓のような形というところからついたようです。

私が薬草園実習で急いでスケッチした画

※いのうえ、美術は2

 

しぶさわに、何これ、ミドリムシ?と言われてしまったので…

写真はネットで検索してみてください(涙

 

畑などに生えるものなので、

農家の人が作物を収穫するときに半夏もこっそり収穫して売っており、

農家のへそくりなんて言われたりもしたようです。

 

そんな半夏ですけども、どんな力をもっているの?って話ですね。

体を温めて余分な湿気や痰をのぞいたり、吐き気を抑えたりと、

湿度が高い地域に住み、胃腸の弱い民族の日本人にとって

何かと不調時に役立つ処方によく含まれています。

 

半夏瀉心湯、半夏厚朴湯、健胃顆粒、温胆湯、勝湿顆粒、平喘顆粒…

う~ん、挙げるとキリがない 苦笑

 

とにかく広く使われている半夏

カラスの柄杓だの農家のへそくりだのと

呼び名いっぱいなところが私のお気に入りです★

 

ちなみに今までのブログの流れをくむのならば、

カラスビシャクの花言葉は「心落ち着けて」

 

みなさま平常心を持って検索してみてください(笑)

2014/07/03

くちなしの花言葉は…

「私は幸せ者」「とても幸せ」「優雅」「洗練」だ、そうです。

くちなしの花のイメージに合った言葉ですよね!

こんにちは、いのうえです。

 

先日、友人と夜ご飯を食べにいく途中で

私の大好きな香りがふわっと来たので思わず

「あ、くちなしだ!!!」とキャッキャしたのですが、

一緒にいた友人には分かってもらえず…

 

花がどこに咲いているのかとキョロキョロすると

前方、車道挟んだ向かい側に白いものが。

あるじゃ~ん♪と指差す私に、友人は相変わらず疑いの目。

 

くちなしの甘い香りは小さなころから好きで、

昔、近所の通称ミニ公園に咲くこの花のニオイをどうにか手に入れたかった私は

ビニル袋に公園で水をいれ、花をいれ、

シェイクし続けたが結局香水にはならずしょんぼりした思い出があります。

 

香りだけでなく咲いた姿は白くてきれいなのですが

必ずといっていいほど蟻んこが集っているのと、

あっという間に黄ばんで、枯れてしまうのもしょんぼりです。

 

さてさて、いのうえを一喜一憂させるくちなしですが、

私たちが扱う漢方薬でも欠かせない植物なのです。

使うのは、花が咲いた後の果実。

※写真の八重のくちなしには実はなりません。結実するのは一重のものです。

 

山梔子<さんしし>と呼ぶこの生薬、

着色料として栗きんとんやたくあんに使われるものだったりするのですが、

漢方薬では体の熱を冷まし、解毒してくれるものとして使います。

 

加味逍遙散、黄連解毒湯、清営顆粒、瀉火利湿顆粒などなど、

最近暑くなってきたせいか、お店で相談してお勧めする機会の多いお薬ばかり…

どの処方も山梔子がメインではないですし、

いい香りなのは花であって実ではないので、

薬のニオイを嗅いでもあの甘い香りは一切しないのが残念(´・ω・`)

 

お花のいい香りのする漢方薬もあれば

気持ちも華やいでいいのにな~なんて思ってしまういのうえでした。

2014/06/27

どくだみの思い出・しぶさわ編

真夏の陽射しが続いていますね~。

毎朝、麦味参と勝湿顆粒を飲むのが欠かせなくなってきたしぶさわです。

 

いのうえが前回のブログでどくだみの思い出を語っていました。

で、そのブログの中で

『しぶさわは風邪をひくと鼻につめられていたようです』

と言う文章。

 

訂正です!

 『蓄膿症で全く鼻が効かなかった幼少時のしぶさわは、

母親にもぎたてフレッシュのどくだみを鼻につっこまれていた』

が正解です。

 

しぶさわ、今でこそだいぶ立派に(やや立派すぎるほどに)成長しましたが、

小さい頃はこれでもとっても体が弱く、小児喘息持ちで風邪もよく引く子でした。

で、小学校低学年の頃の持病の1つに“蓄膿症”がありました。

ちょっと汚い話で申し訳ないですが、

当時は、粘性のかなり高い黄緑色の鼻水が完全に鼻腔を封鎖していて、

においも感じなければ、鼻では呼吸できず口呼吸。

常に口が開きっぱなしの状態でした。

 

ある日、そんな娘(私)を見た母が一言。

「庭からドクダミの葉っぱ何枚か持って来なさい」

 

周りが田畑に囲まれた埼玉ののどかな家で育ったしぶさわ。

その頃、家の庭には、ドクダミが生い茂っておりました。

 

言われるがままに葉っぱを持っていくと、

母はその葉を数回もんだかと思うと、突如私の頭を押さえつけ、

そのドクダミの葉を私の鼻の穴に詰め込みました。

 

…。

………。

…………………!!!

クッサッッ!!!

 

衝撃的な臭いが鼻腔から脳天に突き抜けたのを覚えています。

 

しかし!

この臭いと共に見事に鼻づまりが開通

それまでは鼻をかんでも逆に耳を痛めてしまうくらいの頑固な鼻づまり。

逆を言うと、このくらい強烈なドクダミの香りを感じていないくらい

鼻が詰まっていたんですが、

ものの数十秒で!一発で!!見事に抜けました。

 

いろんな意味で衝撃的で感動した小学校低学年の私。

ドクダミの強烈な香りのダメージを受けつつも、

鼻が通った時の爽快感が忘れられず、

鼻が詰まると自主的に庭にドクダミを採りに行っては

「クサッ!」を繰り返すようになっていました。

 

あの衝撃的な体験から約20年後。

漢方の仕事をするようになって、生薬の勉強をしていた時、

ドクダミは『魚腥草(ぎょせいそう)』と言う生薬(いのうえが言っていたように十薬とも言います)で、

熱や膿・痰を取る作用がある事を知り、

ああ、あの母親のワイルドな治療法は正しかったのだな…と初めて認識したのでした。

 

うちの母があのワイルドな技をどこでどう知り得たのかはわかりませんが、

ですが、これ、本当に鼻づまりや蓄膿に悩んでいる方には即効性があるので、

今、どうしてもどうしても呼吸がつらくて、そんなときに道端にうっかりドクダミを

見つけてしまった時には、一度、是非チャレンジしてみていただきたい技です。

(ただし、いろいろ自己責任でお願い致します…!)

 

2014/06/19

どくだみの花言葉は…

白い追憶、だそうです。こんにちは、いのうえです。

6月に入ると、オレンジ色が眩しい枇杷が実り、

うっとりしてしまう香りのクチナシが咲き、

そしてツーーーンと匂うドクダミが咲き…

 

それぞれの植物を見るたび、香るたびに様々なことが思い出されます。

 

さて、近所でうっそうと茂る植物の中で八重どくだみを見つけました。

↓道行く人に不振がられながら、草をかき分けiPhoneでぱしゃり。

どくだみといえば白い花弁のようなもの4枚と、

真中に黄色い棒状のものがあるシンプルなフォルムながらも可愛らしい植物ですが

一方で特有のツーンとしたニオイが印象的です。

実は白い花弁状のものは総苞といって、正しくは花弁ではなく、

お花の部分は真ん中の黄色いところで小花が密集しています。

 

花が咲く今時期の地上部分を乾燥させるとあのニオイは消え、

十薬(じゅうやく)として昔から民間療法で使われるものなります。

 

応用範囲は広く、十薬と呼ぶだけあって、

便秘や浮腫み、皮膚症状…などと十の効能があるとされています。

 

10年以上前、姉が嫁ぎ先でもぎたてフレッシュなどくだみをハーブティーとして出され、

飲んだ後トイレの住人となり、

翌日小康状態になったところで私に電話をかけてきたことがありました。

 

生のものと乾燥させたものでは効能が違ってね…

 

生のどくだみは、あの特有のニオイ成分に抗菌作用があるため、

毒出し目的で揉んで膿んでいるところなどに外用で使ったり、鼻につめたりして使われます。

※どうやらしぶさわは風邪を引くと鼻につめられていたようです。

 

乾燥させるとその作用はなくなるため、比較的どなたでも飲めるのですが、

特別感染症も炎症も起こしてない状態で生のものを大量に煎じて飲めば、

お腹は冷えるし、刺激は強いしで、大惨事だった姉のような状態になれるようです。

 

ま、食中毒だよね!

 

と笑って姉の電話を切ってしまいましたが、

当時まだ薬学部生だった私に

姉は体を張ってその作用を教えてくれたので大変感謝しています。

2014/06/17

立てば芍薬座れば牡丹

こんにちは、いのうえです。

 

そろそろ見ごろも過ぎてしまうのですが

5月に思わずうっとりしてしまう花芍薬

 

 

立てば芍薬 座れば牡丹 歩く姿は百合の花

 

なんて美人を例えることわざがありますが、

花だけみると似ている芍薬と牡丹、違いってご存知ですか???

 

祖父母の家の庭には牡丹が昔から植わっており、

母が「きれいだけどクサイ」と不満を漏らす牡丹。

よって幼い頃から植えつけられているこの言葉で

「クサイのが牡丹」

「クサくないのが芍薬」

になってしまったのですが、

 

牡丹は木

芍薬は草

 

草と木の違いなので、

冬になると枯れるのが草である芍薬、

牡丹は木なので枝分かれもしますし、越冬もします。

 

だがしかし、です。

 

牡丹は種から花が咲くまで6年、

園芸ではすぐ育つ芍薬から接ぎ木で育てるので、

実際には根っこは芍薬、見えている部分が牡丹という状態だったり…

 

この状態をはたして牡丹と言い切っていいものなのか 苦笑

(何年かすると、接ぎ木した牡丹の部分から根を伸ばすので全身牡丹になるようです

 

あくまでこれは園芸用の牡丹のお話、

漢方薬で使うのは牡丹や芍薬の根の部分のため、接ぎ木していないものを使います。

 

根の部分といっても

牡丹は根皮といって、根っこの芯を抜いた部分、

芍薬は根自体を使うのですが、

 

どちらも血(けつ)に作用する生薬。

牡丹は血の巡りの改善など、

芍薬は血の不足の改善などで多くの漢方薬に欠かせません。

 

飲んでる薬に使われているのはあくまで花ではなく根っこの部分ではありますが、

やっぱり飲んでいる薬の、もともとの植物がこんなに美しいものと知ると、

これで美人にならないかしらと期待してしまう単純ないのうえです。

2014/05/24

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