生理のお話
生理(月経)と発熱
六本木店 桑島 宜子
生理と発熱
女性は男性と違って月経周期によって体調が変化します。月経は主に2つのホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)によりコントロールされており、月経前はプロゲステロンが多く、月経中はどちらも少なくなります。そのため、月経前後はホルモンバランスの変化により、生理痛・発熱・頭痛・下痢・鼻血・浮腫・胸が張るなどの症状がでることがあります。
月経の度の発熱は、なぜ起こるのでしょうか?
月経時期とは関係なく起こる感染症による発熱とは異なり、月経中の発熱は体内の気血のバランス・機能が調子を崩すため起こります。 調子を崩す人にはもともとの体質が関係し、ここではいくつかの体質について紹介します。
月経と発熱~中医学的に考えると…
『血熱内生(けつねつないせい)』
[症状]
月経前または月経中に①発熱・顔が赤い、②イライラ・怒りやすい、③口が渇き・飲みたがる、④尿が濃い・便秘。 唇は紅色・舌は赤色。
[原因]
もともと体内に血熱があり、月経前や月経中に気と火が旺盛となり、発熱症状があらわれます。陽気が外へ向かうと①、熱が心胸にくると②、熱により体の水分(陰津液)を損なうと③や④の症状となります。
[漢方薬]
涼血清営顆粒(りょうけつせいえいかりゅう)など
[使われる生薬]
地黄、芍薬、黄芩、大黄、牡丹皮、山梔子 など
『肝腎陰虚(かんじんいんきょ)』
[症状]
月経中または月経後に、午後になると熱がでる、両頬が化粧したように赤い、手の平・足の裏・心がほてる、イライラしてよく眠れない。 舌は紅色で乾燥。
[原因]
月経中・月経後に、陰血が既に排出され、体の陰が不足し陽気を留めることができず、陽気が外へ向かい、発熱の症状があらわれます。
五臓の肝は血を貯蔵しており、腎臓は精を貯蔵しています。体質でこれらが不足していると月経により陰(精)血が不足し、体の陰陽バランスの陽が旺盛となり、熱症状があらわれます。
[漢方薬]
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)など
[生薬]
知母、地黄、山茱萸、山薬、黄柏、茯苓、沢瀉、牡丹皮 など
『気血虚弱(きけつきょじゃく)
[症状]
月経中または月経後に発熱、形寒(冷え)、自汗、疲れ・手足に力が入らない、気力がない・あまり人と話たくない。
[原因]
気血虚弱のため、体表の陽気がとどまらず①、気虚で中焦の気が不足し②の症状となります。
[漢方薬]
補中益気丸(ほちゅうえっきがん)
十全逮捕湯(じゅうぜんたいほとう) など
[使われる生薬]
黄耆、甘草、陳皮、当帰、白朮、柴胡、升麻、党参、芍薬、茯苓、地黄、川芎 など
『オ熱内阻(おねつないそ)
[症状]
月経前または月経中に①発熱、腹痛。②経血の色は暗く・血の塊が混ざる。
[原因]
体内にこもった熱が血行を阻み①、血が熱により濃縮し②の症状となります。
[漢方薬]
冠元顆粒(かんげんかりゅう)
田七人参茶(でんしちにんじんちゃ)
桃核承気湯(とうかくじょうきとう) など
[使われる生薬]
川芎、芍薬、紅花、木香、香附子、丹参、田七、桃仁、桂皮、大黄、甘草 など
とりあげた漢方薬は代表的なものになります。
実際に服用される場合は薬局にてご相談下さい。
