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この症状って?

「おりもの」に対する中医学的なアプローチ


“おりものとは?”


おりものは女性の子宮頸管、膣から分泌される頸管粘液です。
漢方の世界では帯下(たいげ)といいます。
おりものは年齢や時期によって、性質が様々に変化します。
小児期と閉経以降ではエストロゲン分泌が不十分なため膣内のphは中性で、雑菌などにも感染しやすくなります。

初潮から閉経までの性成熟期では、膣内はおりものによりph3.8〜4.5の酸性に保たれ、病原体の増殖を防いでいます。
また、卵巣のホルモンにも反応して周期的に変化します。

排卵期だと透明で多量になり、精子が進入しやすくなり、精子を取り込みやすい性質にもなります。
また、黄体期(高温期)には粘稠で少量になるので、精子も細菌なども進入しにくくなり、更に感染を防ぎます。

おりものでデリケートゾーンの健康状態を判断する


色や匂いの変化で女性特有の病気や感染症が見つかることもあります。

・正常なおりものは透明か乳白色でにおいは強くありません。
・黄色や緑色の時は雑菌が繁殖しているサインです。
・赤や茶色がかっている場合は、おりものに血が混じっていることを示します。
排卵期や妊娠初期に出血する場合もありますが、これらも含めて不正出血です。
出血が続く時は受診しましょう。

大量のときは感染症かも?


おりものの量は日によって変わるので、チェックしておきましょう。
ふつうは排卵期や生理前、妊娠中などに量が増えます。
睡眠不足のときや疲れているときなど、体調の変化でも増える傾向があります。

毎日大量に出る場合は注意が必要です
雑菌を排除する働きのために、おりものが増えているのかもしれません。
膣炎やクラミジアなどの感染症の可能性もあります。

おりものの色や量を確かめておくと、子宮や膣の病気を察知するのに役立ちます

閉経後に増える症状


閉経後、デリケートゾーンも変化します。
膣や外陰部の乾燥、かゆみ、灼熱感、性交痛などは、膣の萎縮に伴って表れる症状です。
エストロゲンには皮膚の潤いを保つ働きがあり、この分泌がなくなる閉経以降は外陰部などの粘膜が乾燥し、薄くなって弾力も減り、徐々に膣自体も短くなっていきます。
この結果、下着などがこすれただけでかゆみや痛みを感じたり、膣が萎縮して分泌液も減るため性交痛に悩んだりする人が増えてきます。

また、閉経以降は膣内のphは中性になり雑菌への自浄作用が弱まるので細菌にも感染しやすくなり、膣炎や膀胱炎などが起きやすくなります。


中医学で考える治療


体質のためにくり返してしまう方、体質改善には漢方薬がおススメです。

①湿熱(しつねつ)タイプ


湿邪と熱邪が両方結合して停滞している病変で、偏った食事や飲酒、細菌感染などにより、体に湿熱がたまっている状態。
症状:悪臭のある帯下・粘稠で血性の帯下、外陰部のかゆみ・膣内の痛み、黄膩苔
漢方薬:五淋散、茵陳五苓散

 

② 肝鬱湿熱(かんうつしつねつ)タイプ


ストレス、怒りなどから肝に熱を生じ、飲食の不摂生から生じた湿邪と結びつき、湿熱となり肝経に下注しておりものになった状態。
症状:粘稠で悪臭のある黄白色の帯下・血が混じる、いらいら怒りっぽい・胸脇部が張って苦しい、
舌質が紅 ・黄膩苔
漢方薬:瀉火利湿顆粒・加味逍遙散

 

③脾胃気虚(ひいききょ)タイプ


飲食の不摂生、過労、虚弱、慢性病などにより胃腸の気が不足して、水分代謝も悪くなったためにおりものが増加している状態
・症状:無臭で粘稠な白色の帯下がダラダラと続く元気がない、疲れやすい、食欲不振、ものをいうのがおっくう、息切れ、むくみ、泥状便、舌質が柔らかい、舌苔白
・漢方薬:健脾散・健胃顆粒

④腎陽虚(じんようきょ)タイプ


虚弱、慢性病、多産などにより、身体を温める腎の陽気がダメージを受け、温めてとどめる力が足りなくなっている状態
・症状:無臭で冷たく稀薄な白色の帯下が流れるように排出する、元気がない、寒がる、四肢の冷え、夜間頻尿、腰や膝がだるく無力、頭のふらつき、舌質が胖大
・漢方薬:参茸補血丸、双料参茸補血丸、参馬補腎丸、八味丸

⑤腎陰虚(じんいんきょ)タイプ


虚弱、過労、慢性病、加齢などにより腎の潤いとほてりを冷ます力が不足して、ほてりや熱感が生じ、必要な潤いも不足している状態。
・症状:おりものが少ない、おりものをあまり感じない、体の熱感、暑がる、のぼせる、手足がほてる、腰や膝がだるく無力、乾燥肌、ドライアイ、便が固く兎糞状、舌がくすんだ赤
・漢方薬:双料杞菊顆粒、杞菊地黄丸、八仙丸、瀉火補腎丸

〈参考資料〉
・病気がみえるvol.9 婦人科・乳腺外科
・ちつとカラダの話 森田敦子、太田博明
・女性ホルモンの教科書 黒住紗織・佐田節子
・漢方・中医学臨床マニュアル 森雄材


養生と漢方薬を上手に組み合わせることで、おりもののトラブルを軽減できます。
イスクラ薬局では、漢方に関する専門的な知識を持つスタッフが皆様のお身体の状態や体質に合わせたアドバイスをしております。
メールでのお試しプレ相談や、お電話もしくはご予約フォームを通じてのご相談を承っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

本格的な冬の到来です。お体を冷やさないようお気をつけくださいね。
監修
掛上敦子
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*婦人科・不妊症・皮膚科・胃腸のトラブル*
●成都中医薬大学国際教育学院 中医耳鼻咽喉科 修了認定証授与

*薬剤師
*不妊カウンセラー
*国際中医相談員

私の漢方薬との出会いは、学生時代に友人に誘われてついて行った漢方講座でした。
そこで聴いた話がとても面白く感じ、漢方薬を勉強するきっかけになりました。

妊娠中のつわりの軽減や、産後の体調管理、赤ちゃんのアトピー性皮膚炎などから高齢者の心身の不調の改善まで、幅広い世代の様々な悩みに対応でき、生活を豊かにできることが漢方の強みだと感じています。

お客様の生活の質を向させ、人生に希望を与えられる様に精進して参りたいと思います。

*火・金・土曜日勤務

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