この循環器系のもとを「気・血」と言い、この「気・血」の流れを経絡と言います。
そして経絡上にあって、気血が出入りし、経絡が合流したり分かれたりする重要な場所を穴(けつ)と言い、一般的にはツボと呼ばれています。
ツボの場所の多くは、関節、筋肉の溝、健上、健下に多く実際に指を使ってツボの部位を確認します。経絡の経とは、縦の経脈であり、絡とは、経脈と経脈を横に結ぶ脈系で、この両者を総称して経絡と呼びます。
特に経脈は、臓腑・組織・器官を結びつけ、統一する働きがあると言われ、重要視されています。臓腑と直接結びつく脈は、十二経脈(十二正経)と呼ばれ、臓腑と直接結びつかない絡脈などと分けています。
十二経脈は陰と陽に分けられ、陰は太陰、少陰、厥陰(けついん)の三陰に、陽は太陽、陽明、少陽の三陽に分けられ、手、足それぞれに三陰と三陽とで振り分けます。
陰経は五臓{肝、心(心包)、脾、肺、腎}に属して、陽経は六腑(胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦)に属します。
例えば、「肝の病は目に開竅(かいきょう)する」といい、肝の病が目に反映されるとされております。これは肝と遠隔部にある目が、経絡でつながっていると考えられているので、このような関係が生じると言われています。
病気になりますと経絡を流れる気血の乱れが生じます。経絡上に配置されているツボを使って乱れを整えるのが経絡治療となります。
具体例として、手の陽明大腸経のツボで、手の親指と人差し指との骨の間にある合谷(ごうこく)という有名なツボがあります。
軟便や便秘・のどや歯肉の痛み・腫に対して、合谷に針やお灸の刺激をしますとその症状が楽になることがあります。それは合谷に対する刺激が大腸経の乱れを整える作用を持っていると言われるからです。
又、季節、感情とも関係があり、春のこの季節は肝の病とも言われ、気の流れは、経絡にも影響すると言われており、自律神経の乱れが起きやすく、精神的に落ち着きにくくなりやすい季節と言われています。
肝の十二経脈は、足の厥陰肝経と言います。足の厥陰肝経は足の親指の外側から始まり、足の背に沿って、上行して内くるぶし前一寸の所を通って、内くるぶしを通過し、膝の内側を上がり、太ももの内側を通って、生殖器をまわり、下腹部に達し、胃を挟んで肝に属し、上がって横隔膜を貫いて、のど、眼球あたりを通って、額から出て、頭頂に出ると言われています。
足の親指から膝の内側には、要穴(ようけつ)と言われるとくに重要な作用を持つとされるツボが多くあり、そのツボの一つで足の第1・第2中足骨の間にある太衝(たいしょう)は要穴の中でも原穴と言われ、肝の病が出やすいところとされています。

春は仕事や環境の変化などで目が疲れたり、イライラしたりと情緒不安定な時期となります。食事や睡眠のバランスを整えることも重要ですが、もしよろしければ、ツボでのケアも加えてみてもいいのかもしれませんね。