(と、予想して7月下旬にこの原稿を書いています)
今回はこの夏の猛暑で失った体の潤いを取り戻し、
秋冬の乾燥に打ち克つため、身体を潤す作用のある生薬や食材を使ったスープをご紹介します。
残暑のため、未だひんやりしたものが嬉しいですよね?
スープをヴィシソワーズとコンソメのジュレの2層仕立てにし、
口当たりよく、スルッと食べられるように仕上げました。
残暑厳しい折是非お試しくださいと言いたいところですが、
コンソメのジュレの部分は今回かなりハードルの高い(笑)生薬を使っているのでご家庭での完全再現はちょっと難しいかもしれませんね。
コンソメスープに仕立てる前の生薬の写真を載せていると思いますが、
甲羅が鼈甲(スッポンの甲羅)、
カット状のものが亀板(亀のお腹の甲羅)、

黄色みがかっているものが魚熛(魚の浮き袋)となります。
実は、今年の5月に直営店全体で
北京研修に行ったのですが、
その際S村先生が様々な生薬を
大人買いされていて、
それを一部分けていただきました♪
ご家庭では代わりに市販の
スッポンスープを使われると良いと思いますよ。
スッポンにはコラーゲンが含まれているので、
冷やすとゆるめのジュレ状になりますが、
上にヴィシソワーズを載せるには柔らかすぎるので、
少しゼラチンを入れて固めてあります。
ですが、やはりジュレは舌に入れるとスーッと溶けるくらいが美味しいので、
ギリギリ固まる位に控えめに使ってくださいね。

そして上のヴィシソワーズですが、
冷やすと濃度が高くなるので、
豆乳でのばすとき、
幾分ゆるめにしておいた方が美味しいと思います。
今回のヴィシソワーズの材料である山芋は、
イスクラHPの『漢方百科』で詳しく紹介しておりますので、是非こちらもご覧下さいね。
《材料(4人分)》
亀板、鼈甲、魚熛各適量、ローリエ 一枚、香味野菜(セロリの葉、パセリの茎、色つけに玉葱の皮)適量、
山芋(薄切り) 180g、玉葱(薄切り) 小2分の1、バター10g、豆乳適量、卵白4個分、塩、白こしょう、
松の実、野菜ブイヨン粉末、ゼラチン各少々
作り方:
① コンソメのジュレ
1.亀板・鼈甲・魚熛をきれいに洗っておく。
2.圧力鍋に1の材料、ローリエ、香味野菜、水適量を入れ、強火に掛ける。
3.鍋の蓋をしっかり閉めて、圧力をかけて1時間半くらい加熱する。
4.卵白を加え、沸騰したら白く固まったアクを取り除く
5.野菜ブイヨンを加え、塩で味を調え、あら熱が取れたらグラスに注いで冷蔵庫で冷やし固める。

② 山芋のヴィシソワーズ
1.鍋にバターを弱火で溶かし、玉葱を半透明になるまで蓋をして蒸らし炒める
2.山芋を加えて更に炒め、
ひたひたにかぶるくらいの水、
野菜ブイヨンを加えて材料が柔らかくなるまで煮る
3.あら熱の取れた材料をミキサーに入れ、なめらかに撹拌する
4.鍋に材料を戻し、豆乳を丁度良い濃度になるまで加えて軽く加熱し、塩、こしょうで味を調える
あら熱がとれたら冷蔵庫にいれて冷やす
③ 仕上げ
ジュレの入ったグラスに冷やしたヴィシソワーズを静かに注ぎ、から煎りした松の実をトッピングする
主な食材・中薬の効能
魚熛:甘・平/腎/滋補肝腎・益精養血・補腎益精・強壮筋脈・散瘀消腫
鼈甲:鹹・寒/肝・脾・腎/滋陰潜陽・軟堅散結・破瘀通経
亀板:鹹・甘・寒/腎・心・肝/滋陰潜陽・清虚熱・益腎強骨・固経止崩・養血補心
山芋:甘・平/肺・脾・腎/健脾・補気・滋陰・潤肺・和胃・調中・益精・固腎
玉葱:甘・辛・温/肺・胃/和胃・降逆・化痰・理気・活血
豆乳:甘・平/肺・脾・大腸/補虚損・化痰・通淋・鎮咳・通乳・生津
松の実:甘・微温/肝・肺・大腸/潤肺・通便・止咳・平喘・補血・袪風・澤膚・栄髪