皆様、週末の雪は、大丈夫でしたか。私の地元、長野も大雪で学校が休みになったり、電車が止まったと大変だと家族からききました。89歳の祖父が、『今までで初めてだ』といっていました。まだ帰宅できず、大変な思いをされている方も多いと思います。早く皆様がご自宅へ帰られることを祈るばかりです。
今日は、過去の【漢方百科】の記事より、冷えた体にピッタリのレシピをご紹介致します。
この季節に旬を迎える、海老、ナマコ、マグロ、蕪、金柑、小松菜、人参、葱などは身体を温める作用があります。その他にももち米、山芋、南瓜、鶏肉、黒砂糖、そして今回ご紹介するアイリッシュシチューの食材でもある羊肉にも同様の作用があります。
アイリッシュ・シチュー

①アイリッシュ・シチューとはアイリッシュ・シチューとは、羊肉を使ったアイルランドの素朴な家庭料理です。羊肉は気や血を補って、胃腸を暖める作用があります。
日本では未だあまり一般的ではありませんが、ヨーロッパや中近東、インドや中国、モンゴルでは古くから家畜とし、親しまれてきました。中国では、昔から羊肉をよく食べ、肉類の中で一番身体を温めるとされてきました。
冷え性の方、冷えからくる腹痛や下痢、産後で身体が弱っているときなどには特にお勧めです。しかし温める作用が強いので、日頃から暑がりやの方や、湿疹や口内炎のある方は控えましょう。
アイリッシュ・シチューは家庭料理なので、様々なレシピがありますが、今回はタイムを羊肉の臭み消しに使いました。料理用ハーブの代表選手のタイムには、ティモールという防腐や殺菌効果のある精油が含まれており、欧米では昔から消化器系、気管支系の薬草としても有名です。
では、作り方をご紹介します。
②アイリッシュ・シチューの作り方材料(二人分):
骨付ラム肉 2~4本
ジャガイモ 2個
人参 1本
玉ねぎ 1個
ニンニク 1片
塩コショウ 適量
タイム 適量
ローリエ 1枚
作り方:
1. ラム肉に塩コショウ、タイム、ニンニクをすり卸したもので濃い目に下味をつけ、
できれば味がしみ込むまでしばらく置いておく。
2. ラム肉を圧力鍋で弱火で脂身から焼き、シチュー用に切った野菜類も入れて炒め合わせる。
3. ローリエと熱湯をコップ一杯ほど注ぎ、ふたをして、普通のシチューを作るくらいの時間の圧力をかけ、火を止める。
4. 温めた皿に盛り付ける。(羊肉の脂肪は融点が高く、冷めるとすぐに固まって口当たりが悪いので、熱いうちに召し上がれ!)
* ここでは簡単に圧力鍋を使いましたが、普通の鍋を使うときは、水加減はもう少し多目の方が良いと思います。
* 今回タイムはフレッシュなものを使いましたが、乾燥タイムの場合、少量でも香りが強いので入れすぎに注意してください。
主な食材の効能
羊肉:甘、温/腗、腎/益気補虚、温中暖下
ジャガイモ:甘、平/胃、大腸/益気健腗、調中和胃
人参:甘、平/肺、腗/健腗化滞、潤燥明目
玉ねぎ:辛、温/肺/清熱化痰
以上、とても簡単で身体が温まるアイリッシュ・シチュー、是非お試し下さい。