今日、7月10日は納豆の日ということでお肌の潤いにもよく、良い血流にもよく、免疫力も強化してくれる『納豆』のお話をしたいと思います。お肌に納豆が良いっていわれてなんだかぴんとこないとは思いますが、これがいいんです。
納豆の原料は大豆ですが、この別名、畑のお肉と言われるほど、良質なたんぱく質と脂肪分を含んでいる大豆ですが、生のままでは毒があって食べられないので、炒ったり煮たりして火を通して無毒化して食べます。でも炒った大豆はそのままでは硬くて消化されにくいという欠点もあります。そこで、そういった欠点を解決してくれるのが『納豆』です。納豆は納豆菌により消化されやすくなり、タンパク質や炭水化物、脂肪分などの栄養素はそのまま残された、すばらしい栄養食品なんです。
fermented soybeans / 納豆 / [puamelia]
納豆の歴史
納豆は縄文の頃にはもう日本に入ってきていた大豆と、たまたま住居の建材としてそこにあった藁で、これまたたまたま、偶発的に作られたのが始めと考えられており、いまだその起源は詳しくわかっていません。ちなみに納豆は日本独自の食材で、ほかの国にはない、純日本食材なんですよ。
『納豆』という名前が初めて書物に残されたのは、平安時代、11世紀半ばごろに藤原明衡によって書かれた『新猿楽記』です。その中で、納所という「お寺の倉庫で作られた食品」として紹介されています。
戦国時代には、武士たちの貴重な蛋白源やスタミナ源としての保存食・軍事食として、そして江戸時代には、庶民の栄養食として食べられていたようです。当時は納豆ごはんよりも、納豆を味噌汁にいれた納豆汁の方が一般的だったそうです。
納豆の栄養
「納豆どきの医者知らず」という諺があるのを皆様ご存知でしょうか。
栄養豊富な納豆をしっかりたべると、体力も気力も充実し、病気に負けない身体ができて、医者にかかる人も少なくなってしまうという意味です。納豆には、良質で豊富なたんぱく質に加え、ビタミン類やミネラルなどもたっぷり含まれています。中でも特筆すべきは「ナットウキナーゼ」、「レシチン」、「ビタミンK」そして「ポリアミン」。これらを順に見ていきましょう。
『ナットウキナーゼ』とは、強力な血栓融解酵素のこと。ナットウキナーゼが人体の血栓を溶かすという研究報告はまだないのですが、動物実験では、その効果が確認されていますので、これからの研究に期待です。しかし、研究結果がないからといって、そっぽを向いてしまうのはもったいないですよね。血栓が解かされるということは、血液がさらさらと流れやすくなるということ。血流は心臓の拍動だけでなく、筋肉によっても流れているので、筋肉の活動が少なくなる夜のほうが悪くなります。納豆を血流改善に生かしたいのなら、納豆は夜たべるのが効果的と言えるでしょう。でも食物繊維が多いので、胃腸の弱い方、便秘気味の方、お腹が張りやすい方は、消化能力が高い朝に食べるほうが良いですよ。
血流が悪くなると、お肌に老廃物が溜まりやすくなったり、潤いが届きにくくなったり、シミやくすみが出来たりします。冬場に肌が乾燥するのは、単に空気が乾燥しているからだけではありません。寒さにより無意識のうちに体に力が入ってしまうことで、血流も悪くなっているというのもその原因の一つです。お肌を潤すためにもしっかり血流改善対策をしていきましょう。
次にビタミンKですが、納豆に含まれるビタミンKは食品の中でもトップクラスです。ビタミンKは骨を作るうえでとっても重要なビタミンで、カルシウムを骨に結合させるのに必要なビタミンなので、納豆は、骨粗しょう症の予防にも効果的です。他の食品、例えば、紫蘇、パセリ、モロヘイヤなんかにもビタミンKは多いのですがそれらを毎日沢山食べるのはちょっと難しいですよね。
そして「レシチン」です。レシチンには腸のなかをきれいにしてくれる排毒洗浄作用があるとされています。これまた納豆にたっぷり含まれている食物繊維と協力し合い、胃腸を掃除してくれ、ニキビや肌荒れ予防・改善にも効果的です。さらに納豆菌の一部は生きて腸までとどき、ビフィズス菌のえさになることで、腸内環境を改善してくれます。腸内環境を改善することは、美肌だけでなく、大腸がんの予防や花粉症などのアレルギー症状の軽減など、たくさんのいいことがあります。
「ポリアミン」という成分も含まれています。これは細胞分裂やタンパク質の合成に関与する物質で、赤ちゃんに多く、加齢とともに減ってしまう物質んなので、別名「若返り成分」。ポリアミンが無いと細胞は分裂・増殖できません。しっかりとって、張りと艶のある肌を保ちましょう。
中医学的に納豆をみると
平性で寒熱の偏りが無く、毎日食べられます。大豆よりも消化吸収しやすく、皮膚、爪、髪を丈夫にしてくれます。
納豆
性味:平性~温性
帰経:脾肺
効能:活血解毒、解鬱
血のめぐりを良くして毒を消し、身体の余分なものを排泄して、鬱々とした気分をスッキリさせます。
「納豆食うひと、色白美人」という諺があるように、納豆はお肌に“効きます”。その理由は、栄養と保湿成分をたっぷり含んでいて、細胞を元気にして、腸をきれいにするためです。高価な化粧品より納豆の方が断然リーズナブルで、効果が高く、さらに美肌以上のメリットがありますし、おすすめです。お薬やサプリではない自然食品なので、毎日食べることが大切です。勿論、食べ過ぎはいけませんが、毎日一パックで十分なので是非お試しください。
納豆が向いていない人もいらっしゃいます。胃腸が弱い人は夜よりお昼に食べましょう。後、ワルファリン(商品名:ワーファリン)を飲んでいる人は納豆は食べてはいけません。
そして、納豆の有効成分は熱に弱いので、出来るだけそのまま食べるようにしてください。加熱する場合は、70℃を超えないようにしましょう。納豆は、一般的な製法で作られるより、自然製法で作られた藁の納豆の方が、納豆菌のパワーも、栄養も強く、もっとおいしいそうです。自然製法で作られた藁納豆はちょっと高価なので、毎日食べるにはぜいたく品かもしれませんが、月に1,2度ぐらい、身体へのご褒美としていかがでしょうか?