武漢の湖北省中医病院で、老中医の先生の外来や病棟を見学し、講義を受けましたので一部をご報告いたします!研修テーマは高齢不妊と流産についてです。
こちらが研修先の湖北省中医病院です。
湖北省中医病院での研修風景。
高齢不妊について
中国の病院では、西洋医学の病院と中医学の病院の2種類があります。中医学の病院では、西洋医学と中医学を結合した治療が行われています。
中国の1人っ子政策が終わり、中国でも2人目のお子様をご希望される方が増えてきたのと同時に、女性の晩婚化も加わり、高齢不妊の方が多くなってきたそうです。体外受精を希望される方も多く、中医の病院は体外受精失敗の方がよく受診されるとのこと。
排卵誘発など、西洋薬を使いすぎると卵巣機能を低下させることになるので、まずは漢方で体を養い、基礎(土台)を作ってから、体外受精をお勧めするそうです。
中国でも40歳以上でお子様を望む方が増えており、FSH高い(10以上)、卵小さい、形悪い、主席卵胞がない、内膜が薄いという特徴があるとのお話でした。
●高齢不妊においての身体の土台作り
①補血、養血
女性は、生理、妊娠、出産など、血と関係が深い。
常に血を使うことが多い女性は、血の不足があると考えることがとても大切。
補血、養血が基本。
②補腎
腎は陰陽の源。
不妊は、腎虚(腎陰虚、腎陽虚)からみる。
腎陰虚・・・生理量少ない、月経周期が早まる人が多い。
腎陰不足は、口乾く、喉乾く、のぼせありで、興奮(火がある)の状態。
火をさますには、水を補うこと。水を補うには、補陰を十分にすること。
腎陽虚・・・生理量少ない、月経周期が遅れる人が多い。
腎陽虚は、補陰補血の上に、補陽の薬を足す。
流産について
中医には、妊娠中の養生法の中に禁止すべきこととして『目不視、口不出、耳不行』という言葉があります。
①目で悪いものを見ない。
②口から悪いことを言わない。
③耳に良くない声を聞かない。
妊娠中は、感情が変動されやすい。良いことを考え、ポジティブになるように。
口から出す言葉も、良い言葉を出す。
中医では、陽は常に余り、陰は常に不足するという考えがある。
女性は、腎精と腎陰が不足しやすい。
妊娠中は、火が生じやすい。特に補腎陰、補精する。
漢方を勝手にやめたらダメ。前回流産より2週間は長く飲む。(前回8週で流産したなら、10週まで服用)
研修を受けて
漢方薬の使い方は、地域によっても様々な方法がありますが、特に湖北省中医病院は補陰(身体の根本となる水、潤い)に重視した病院で大変勉強になりました!
お客様のお身体のバランスを整え、沢山の赤ちゃんに出会えますよう、日々精進していきたいと思います。