女性にとってお肌の乾燥は悩みの種ですね。お化粧ののりが悪くなったり、手足が粉をふいたように白くなったり… 。私もそんな乾燥肌の持ち主なので、お風呂あがりは大変です。化粧水や乳液、保湿クリームと全身にくまなく塗っていかなくてはいけません。それに、「肌の調子が良くなったなぁ」と手入れを怠ると、翌朝は砂漠のような肌に逆戻り!乾燥する冬の間は気が抜けません。また、かゆみを伴う乾燥肌の方はかゆみ対策も重要ですね。血行が良くなるお風呂あがりや寝る前など、かゆみがなかなか収まらないものです。ついつい引っかいてしまって出血してしまったり、出血しなくても肌が黒ずんだり、毛穴がポツポツと膨らんでしまいます。
これは私の体験ですが、この冬は肌の乾燥だけでなく、もの凄いかゆみが現れました。掻いてはいけないとは思いつつ、気付くと腕や足を掻いていました。このままでは春を迎える頃には肌はボロボロ…。そこで、「体の外側からのケアだけでは足りないのだ!」ということに気付きました。では、乾燥肌の人は体の中で一体何が起こっているのか考えてみることにしましょう。
「肌が乾燥する」
ということを中医学的にみてみると、いくつか原因があります。 その中でも比較的多くの人に当てはまるのが津液と血液の不足です。まず「津液の不足」についてです。「津液」 とは血液以外の体に必要な水分のことをいい、身体を潤す役目を持っています。ですから、津液が不足すると口渇やノドの乾きが現れ、 さらに進むと唇のひび割れや皮膚の乾燥が出てくるのです。次に「血液の不足」(血虚といいます)ですが、 これは単に鉄分の少なくなった貧血というわけではなく、血液のもつ働きが弱くなったことも含んでいます。そして、 血液の働きとは栄養物や水分を身体の隅々まで運ぶことです。皮膚の細胞は日々新しく生まれ変わっているので、細胞の材料となる栄養物が少なくなると出来上がる細胞も力不足のものになってしまいます。
また、水分の運搬がうまくいかなければ、ゆくゆくは津液の不足を招いてしまいます。血液不足が進行し、津液不足を引き起こした状態を「陰虚」といい、ここまでくると顔や手足のほてりなどがでてきます。この他にも身体のエネルギーの役割をする気の不足(気虚)や血流が悪くなること(お血)などが原因になる場合があります。
これらを解決するには、不足しているものは補い、動きが悪いものは動くようにしてあげればいいのです。津液を補う漢方薬では六味丸や杞菊地黄丸など、血液を補う漢方薬では婦宝当帰膠や心脾顆粒などがあります。
ところで、お風呂で体を洗う時は石鹸でゴシゴシ洗っていませんか?石鹸でゴシゴシこすると、皮膚の表面を覆う皮脂の膜を必要以上に落としてしまいます。皮脂は水分の蒸発を防ぐ役割がありますから、皮脂を落としすぎるのも肌を乾燥させる原因の一つなのです。石鹸の付けすぎには注意しましょうね。
さて、漢方薬は敷居の高いイメージがありますが、「乾燥肌」のような身近な症状にも有効なんですよ。保湿クリームだけでは効果が薄い方は試す価値ありです。内側から漢方薬、外側から保湿クリームで乾燥を挟み撃ちにして乾燥肌を撃退しましょう。