認知症とは?
認知症は昔は痴呆という名前で認識されていた経緯がありますが、認知症の定義は、『脳や身体の疾患を原因として、気憶・
判断力などの障害が起こり、普通の社会生活がおくれなくなった状態』となっています。
認知症の多くは血管性認知症とアルツハイマー型認知症で、全体の約80%を占めると言われています。
血管性認知症
脳の血管が詰まったり破れたりすることにより、その部分の脳の働きが悪くなることによるもの。原因は、
脳梗塞の多発が大部分で約70~80%を占めます。
アルツハイマー型認知症
脳内では、次の事が起こっています。
- 大脳皮質の著しい萎縮(特に側頭葉や頭頂葉)
- 老人斑、神経原線維変化、神経細胞の脱落
- 神経伝達物質の異常
認知症の原因
認知症の原因は、様々な疾患からなる可能性があり、治療もそれぞれの疾患により治療方法が異なります。アルツハイマー病、
前頭側頭葉偏性症、脳出血、多発性脳梗塞、ビンスワンガー病、正常圧水頭症、慢性硬膜下血腫、甲状腺機能低下症など…が原因となります。
また、年齢が最大の危険因子であり家族歴や遺伝因子、動脈硬化も関与しているとされています。高血圧、高脂血症、糖尿病、飲酒、喫煙、
運動不足、肥満なども危険因子です。
[もの忘れとの違い]
基本的に区別は難しいのですが、認知症は体験の全てを忘れ自覚に乏しいのに対し、もの忘れの場合体験の一部を忘れたり、
忘れていることを自覚しているという違いがあります。
認知症を漢方で考えると…
中医学においては、脳と老化を管理している【腎】とオ血(血の巡りが悪い状態)が関係していると考えます。
危険因子である老化や高血圧、高脂血症、動脈硬化などから体を守って、それらに負けない体づくりが大切だと考えます。
1)腎虚
脳を養い、精をためておくのが腎の仕事。ここが弱ってしまうと、老化が早まり周りよりも老けこみが早くなります。
免疫関連も管理しているので、腎を充実させる事が大切です。
例)参馬補腎丸、杞菊地黄丸、海馬補腎丸など
2) オ血(おけつ)
脳の血管はとっても細く詰まりやすいもの。血液が粘っていたり血管が脆くなってしまっては脳梗塞・出血のリスクがあります。
全身の血管、血液をサラサラにして前もっての予防が大切です。
例)冠元顆粒、血府逐?丸、田七人参など
認知症 ~食物・生活編~
1) 『腎』に効果的なもの
例)胡桃、黒ゴマ、栗、枸杞の実、山芋、えび、スッポンなど
2) 『オ血』に効果的なもの
例)青魚、玉ネギ、桃、黒きくらげ、シナモン、にんにく、玄米など
また、睡眠は、一日の分岐点です。陰陽のバランスから考えても、24時前には寝なくては交感神経も休まる暇がありません。
副交感神経を優位にしてあげる時間を増やしてみましょう。また、いろんな事に興味を持ち、趣味や好きなことをするようにしてみましょう。
認知症 ~最近の話題~
幻覚や妄想などアルツハイマー病の周辺症状にも処方される漢方薬「抑肝散(よくかんさん)」に、
症状の原因と考えられる脳の神経細胞死を抑える効果があることが、大阪大学の研究でわかってきました。
漢方薬の効能の仕組みに迫る成果として注目されています。
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