狭心症とは??
心臓への血液を供給する冠状動脈の痙攣あるいは阻塞で、心筋の血液不足と酸素不足により起こる心臓病の事。心筋が壊死してしまった場合には心筋梗塞となる。
狭心症の原因
様々な原因が考えられるが、主に以下のものが多い。
[寒冷刺激]
冷えの刺激により、血管が収縮し血液の循環速度が遅くなる。これにより、血圧が高くなり心臓への負担が大きくなる。胸苦しさや心痛、
チアノーゼ症状が出やすい。
[飲食の不節制]
食べすぎ後に心痛や胸悶、息切れが出たり、食後決まって不整脈を起こすような方は注意。脂っぽいものやお酒が好きな方に多く見受けられます。喫煙も狭心症の発病率を高めるとの報告もあるので要注意。
[ストレス]
思いが強くなりすぎたり、怒りっぽいような方は要注意。知らないうちに、血行が悪くなっているかも知れません。
[年齢]
男性では、年とともに罹患率が増加します。運動を心がけ、血行を良くしておくことが肝要。
【症状】
メインは胸悶と心痛の二つで、疼痛時には血圧上昇と心拍数の増大や圧迫感や汗を伴う。心痛は通常3~5分でだんだん軽快していくが、一般的には疼痛誘発後に身体の活動を停止すれば、心痛は緩解する。
また、冠状動脈が20分くらい閉塞すると、少数の心筋が壊死して心筋梗塞の病理変化が始まり、1~12時間にわたって大部分の心筋が凝固性壊死となる。その場合には、心不全と不整脈、ショックなどを伴うため生死にかかわる危険性がある。
狭心症を漢方で考えると…
中医学的に考えてみると、どのタイプにも共通してオ血(血行不良)が関係していると考えられる。心血管の循環を改善する事が大切である。中国では血行を改善するために用いられている「冠心二号方(日本では冠元顆粒)」がベース薬として使用されるようだ。
[気滞血オ]
気の巡りが悪いタイプ。刺すような痛み、痛むところや時間が一定なのが特徴で舌は紫や暗い色をしている。冠元顆粒や開気丸が適している。
[痰阻血オ]
体内に余分な水分が停滞して、煮詰まっているタイプ。息切れ、咳、痰を兼ねて舌はベタベタしているのが特徴。冠元顆粒や星火温胆湯などが適している。
[寒凝血オ]
身体が冷えきっているタイプ。寒さが加わると症状が悪化するのが特徴。冠元顆粒や麻黄附子細辛湯などが適している。
[気陰両虚血オ]
エネルギーも水分量も不足しているタイプ。疲れてくると症状が悪化したり夕方以降に悪化するのが特徴。息切れやめまい、疲れ易い、顔色が良くない傾向で舌はやや紅く歯型がついている事が多い。冠元顆粒や麦味参顆粒が適している。
[陽虚血オ]
身体を温めるボイラー機能が低下しているタイプ。動悸息切れが持続したり手足の冷え、腰のだるさを伴うのが特徴。顔色は青白または暗い色をしていて、舌は青紫色、むくみを伴う事が多い。冠元顆粒や真武湯などが適している。
[陰虚血オ]
身体の水分量の不足しているタイプ。動悸、ほてりやイライラ、めまい、耳鳴り、口渇、腰がだるいなどが特徴。苔が少なく舌は紅くひび割れていることが多い。冠元顆粒や杞菊地黄丸、天王補心丹などが適している。
狭心症の養生法
今回は、狭心症のどのタイプにも共通していたオ血を改善する事に役立つ食べ物を紹介します。その前に、オ血を改善するための心得として次の事に気をつけましょう。
[心得]
- 温かいもの、辛いものの食材を使用する
- 青背の魚やカニを使う
- 肉の脂身やバター、生クリームなどの脂肪の多い食材を避ける
- 薄めの味付け
- サフラン、ウコン、らっきょう、黒酢を使用する
[役立つ食べ物]
玉ねぎ、にんにく、シナモン、生姜、黒きくらげ、秋刀魚、鰯、鯵、カニ、桃、にら、らっきょう、玄米、蕎麦 など
[避けたい食べ物]
甘いもの、味の濃いもの、動物性脂肪類 など
狭心症,心筋梗塞,