前立腺炎とは?
前立腺炎とは、前立腺が炎症を起こした状態で、男性特有の病気となります。前立腺肥大や前立腺癌とは違い、10代後半~あらゆる年齢層に起こるとされています。また前立腺炎は急性と慢性に分けられ、原因、症状はさまざまとなります。
急性前立腺炎は、尿道から侵入した細菌が前立腺に感染して起こる病気となります。前立腺が炎症のために充血して腫れ上がります。排尿時痛を生じ、ひどい場合には、前立腺が腫れて尿道を圧迫し、まったく排尿できなくなってしまうこともあります。発熱や倦怠感を伴うこともあり、前立腺肥大や糖尿病に合併して起こることもあります。
慢性前立腺炎は前立腺の炎症が慢性的に続いている状態で、男性にとって一生に一度は前立腺炎症状を経験するといわれています。
慢性前立腺炎は細菌性と非細菌性に分類されます。
細菌性は細菌感染によって炎症が生じるタイプであり、そのほとんどが急性から移行したものとなります。非細菌性は炎症による症状が現れているにもかかわらず、検査では細菌が検出されないタイプとなります。
特徴的な症状として、残尿感、頻尿、排尿痛などの尿路症状のほかに会陰部痛、大腿痛、大腿のしびれ、かかとの痛みなどさまざまとなります。
それだけでなく、射精痛、性欲減退、ED(勃起障害)などもあり、あまり他人に言えないような悩みから、不眠や鬱(うつ)、集中力の低下なども見られることがあります。
前立腺炎の西洋学的治療法
急性前立腺炎の治療の中心は抗生物質の投与となります。回復までに約10日間必要とします。また、前立腺は抗生物質の移行性が悪いため、症状が安定してもしばらくは内服が必要となります。
慢性前立腺炎では前立腺マッサージを行い、前立腺抽出液に細菌がいるかどうかを確認する必要があります。細菌か確認できれば抗生物質の内服治療を行います。細菌が確認できなかった場合は、生薬や漢方薬による対症療法となります。
前立腺炎~漢方薬では?
炎症症状がある場合は瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)や瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)、
足腰がだるく、冷えがあり、排尿異常には蘭州金匱腎気丸(らんしゅうきんきじんきがん)、
下半身にむくみがあり、足腰がだるい、排尿障害には精華牛車腎気丸(せいかごしゃじんきがん)
頻尿からくる睡眠障害には、酸棗仁湯錠(さんそうにんとうじょう)、天王補心丹(てんのうほしんたん)など使用します。
実際、慢性前立腺炎のメカニズムはそんなに単純ではなく、数種類の漢方薬を使用する場合もありますので漢方相談にお受けになることをお勧めします。
前立腺炎の予防と対策
急性前立腺炎の場合は、原則安静となります。刺激の強い飲食物や二輪車への乗車、過激なスポーツなどは控え、慢性に移行しないようにすることが必要となります。
慢性前立腺炎はドライバーやデスクワークなど座り続ける職業の男性に多く現れます。長時間座り続けていると、骨盤内の血液が滞って、前立腺炎の原因となりますので、軽い運動などを行って、血液循環を改善することを心がけましょう。
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