不整脈とは
心臓が収縮・拡張を繰り返す拍動(ドックンドックン)の速さやリズムが乱れた状態です。
脈拍は1分間に60~100回程度が健康な状態です。不整脈には、これより拍動が早くなる“頻脈性不整脈”、遅くなる“徐脈性不整脈”、頻脈性不整脈のうち脈が一瞬飛ぶ“期外収縮”の3つのタイプがあります。
期外収縮は健康な人でもみられる症状で、通常は心配いりません。徐脈性不整脈は、ほんの少し体を動かしただけでも「だるさ、元気が出ない」「息切れ」「めまい、失神」などの症状が出やすくなります。
頻脈性不整脈は、じっとした状態でも発作的に起こり、「動悸」「胸苦しい」「失神」などの症状が起こります。特に心臓に病気のある方は、脈拍数が多くなるほど脳梗塞などの危険な状態を起こしやすくなるため、普段からの健康チェックが大切となります。
不整脈の主な原因
西洋医学では
①心臓の疾患(狭心症、心筋梗塞、心不全など)
②甲状腺の疾患(バセドウ病など)
③自律神経の乱れ(過度のストレス、睡眠不足、禁煙、過度の飲酒、カフェインを含む物の取り過ぎなど)
※ ほとんどの不整脈の原因は③生活習慣の乱れから生じる自律神経のアンバランスが原因
中医学では
「心は血脈を主る」
つまり心が正常なら脈は力強く打ち、全身に十分な血液を送ることができます。
力強く脈が打つためには、心のエネルギーである心気と心の血液である心血が充実していることが必要です。また、ストレスや感情の変化などにより、体全体の気の流れの停滞が血の流れにも影響することがあります。
不整脈の主な原因と漢方薬の一例
① 心虚(心気虚、心血虚)
心のエネルギー不足。栄養である気血が不足しているため、脈は弱く、全身の運動機能も低下します。だるい、倦怠感、めまいなどの症状が出やすくなり、お顔のつやがなく、舌色は淡紅となります。
漢方薬では、麦味散顆粒(生脈散)や炙甘草湯(復脈湯)など。
② 心血オ阻
血管を流れる血液が粘っていると、いずれ血栓ができ血管を詰まらせる原因となります。血栓は脳梗塞などのリスクにも繋がります。血の流れが滞るオ血の状態では、脈は遅く弱く、お顔にはくすみやくまが出やすい、舌色は暗い紫となります。
漢方薬では、冠元顆粒(冠心Ⅱ号方)など。息切れなどがみられる時には麦味散顆粒と併用して。
③ 肝うつ痰阻
日々生活していれば、何かしらのストレスは誰しもあるもの。しかし、過度のストレスや疲労、感情の変動は気血の流れに影響を与えます。長期化すれば、熱化しどろっとした痰に変わります。胃腸の不調や不眠などの症状が出ることもあり、舌色は紅く、厚い黄苔が見られます。
漢方薬では、加味逍遥散、星火温胆湯など。
また、健康食品の心沙棘には、心臓への血流量を増やし機能を高める作用や脳血流を良くし、脳梗塞を予防する作用があります。上記の漢方薬と併用して服用していただくこともございます。
※ 実際にお薬をご服用される場合は、お近くの漢方薬局にてご相談ください。
不整脈まとめ
不整脈の原因は様々ですが、睡眠不足や食の乱れ、喫煙、過度のストレスなどが引き金となっている場合が多く、日頃の養生がいかに大切か分かります。日頃から血行を良くするように心がけるのも不整脈の予防のひとつです。
体を温め、新陳代謝を高める香味野菜、さんまやさばなどの背の青い魚、ローズティーなどもオススメの食材ですよ。
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