今回は瘀血に至る原因についてご紹介します。原因別に以下の6タイプに分けられます。
瘀血の対策は活血化瘀薬が有効と前回お話しましたが、タイプ別に併用する代表的なものもご紹介します。
①元気不足の<気虚タイプ>
主な症状:息切れ、動悸、疲れやすく元気がない
原因:虚弱体質、過労、心臓のポンプ作用の低下
活血化瘀薬と併用するもの:薬用人参、西洋人参、玉屏風散(ぎょくへいふうさん)、生脈散(しょうみゃくさん)、補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など
②血液不足の<血虚タイプ>
主な症状:血色が悪い、皮膚に艶がない、めまい
原因:栄養不良、偏食、出血、造血機能障害
活血化瘀薬と併用するもの:当帰(とうき)、阿膠(あきょう)、芍薬(しゃくやく)、熟地黄(じゅくじおう)、四物湯(しもつとう)など
③冷え、寒がりの<陽虚タイプ>
主な症状:元気がない、手足が冷える
原因:体の熱エネルギー不足、冷たい物の飲食、薄着
活血化瘀薬と併用するもの:鹿茸(ろくじょう)、附子(ぶし)、肉桂(にっけい)、温経湯(うんけいとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)など
④体液不足でほてり気味の<陰虚タイプ>
主な症状:口や喉が渇く、手足のほてり、のぼせ、皮膚の乾燥感
原因:発汗過多、嘔吐、下痢、高熱による脱水、慢性疾患による体液消耗
活血化瘀薬と併用するもの:麦門冬(ばくもんどう)、玄参(げんじん)、生地黄(しょうじおう)、麦味地黄丸(ばくみじおうがん)、増液湯(ぞうえきとう)、知柏地黄丸(ちばくじおうがん)など
⑤気が停滞した<気滞タイプ>
主な症状:イライラ、不安感、ため息をつく、胸苦しい
原因:ストレス、緊張状態の継続
活血化瘀薬と併用するもの:木香(もっこう)、香附子(こうぶし)、柴胡(さいこ)、逍遥散(しょうようさん)、四逆散(しぎゃくさん)
⑥老廃物が溜まった<痰濁タイプ>
主な症状:肥満、コレステロールや中性脂肪が高い
原因:飲みすぎ、食べすぎ、代謝の低下
活血化瘀薬と併用するもの:山査子(さんざし)、半夏(はんげ)、温胆湯(うんたんとう)など
さて、貴方はどのタイプに近いですか?今回は代表的なタイプとお薬をご紹介しましたが、実際に漢方の服用を検討される際は、お近くの漢方薬局に詳細ご相談くださいね。
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