中国医学的な癌の治療法
今回のテーマは「中国医学的な癌の治療法」です
まず明確にしなければいけないことは、ガン治療の対象が腫瘍自体だけではなく、
あくまでもガンにかかっている患者全体であることです。
中医学的なガン治療においては次の5つの事を重視します。

たとえば、大量の抗癌剤を使ってガンのサイズを一時的に小さく出来たとしても、①~⑤のいずれにしても患者個々の状態に配慮することが大切です。
全身の抵抗力を低下させたり、生活の質を低下させたり、
生存期間を延長できないなら、意味がないと考えます。
ガンそのものや治療による副作用などで受けた心身のダメージを軽減し、
治療の効果を全般に向上させることが中医学におけるガンの治療目的です。
それでは具体的にどのようなお薬を使っていくのか説明します。
中医学的なガンの分類については「中医学におけるガンの考え方」
を参照してください。
色々と細かく書きますが、あくまで参考としてください。
伝えたいことは、これだけの症状、状態、一つ一つに対応する方法があると言うことです。
正気不足(身体にとって必要なものの不足)

(気=生体エネルギーの一種)

体力の低下、顔色が白っぽい、息切れ、食欲不振、汗をかきやすい、消化不良、

高齢者、手術・放射線・薬物治療の後、中期末期のガン、消化器ガン

補気(気を補う)

四君子湯、六君子湯、補中益気湯、玉屛風散など


顔色が悪い、めまい、だるい、動悸、不眠、生理不順、舌の色が白っぽい

放射線・薬物治療後、中期・末期のガン、貧血を合併している、栄養不良

補血(血を補う)

四物湯、帰脾湯、十全大補湯など


やせている、口やのどが渇く、皮膚乾燥、夕方以降に微熱、手足のほてり感

放射線治療後、末期がん、長期発熱が持続する、肺ガン、血病

補陰(体液を補う)

六味地黄丸、養陰清肺湯、麦味地黄丸、杞菊地黄丸、天王補心丹など


手足が冷たい、寒がり、疲れやすい、むくみ、頻尿または排尿困難

末期ガン、放射線・薬物療法後、性器切除後、老年

補陽(陽を補う)

八味地黄丸、牛車腎気丸など
実邪(身体に対して邪魔なもの)


情緒不安定、憂鬱、いらいら、不眠、胸苦しい、ため息、おなかが張る、ゲップ

ストレスが多い、性格が暗い、胃腸のガン、乳がん、肝臓ガン、胆嚢ガン、甲状腺ガン

理気(気の流れを良くする)

逍遙散、加味逍遙散、半夏厚朴湯、柴胡加竜骨牡蛎湯など


顔色がくすんでいる、唇や歯茎が黒っぽい、刺すような痛み、肩が凝る

末期ガン、腫瘍が異常に硬い、痛みがひどい、夜間に症状がひどくなる

活血(血の流れを良くする)

補陽還五湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯など


顔・手足のむくみ、食欲不振、痰が多い、胸苦しい

甲状腺ガン・食道ガン・乳ガン・肺ガン・子宮頚ガンなどでガンが徐々に大きくなるが疼痛は軽いもの

化痰利湿(水分代謝を良くする)

二陳湯、温胆湯、半夏厚朴湯、苓桂朮甘湯、五苓散など


発熱、炎症、口やのどが渇く、便秘、尿の色が濃い

早・中期のガン、放射線治療後、血病、悪性リンパ腫、肝臓ガン、咽頭ガン、子宮頸ガン、食道ガン、感染症を合併した場合

清熱解毒(熱を冷まし、解毒する)

黄連解毒湯、六神丸、槐角丸、竜胆瀉肝湯など

がん,癌,