イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 中野店BLOG

ブログ日記BLOG

血の不足について~西洋医学と中医学の考え方の違い~

こんにちは。天気が安定しない日々が続いていますがいかがお過ごしでしょうか。

今回は「血」の不足について西洋医学と中医学の考え方の違いについて書いていきたいと思います。病院では貧血と言われたことはないのに、漢方薬局で相談したら血が不足していると言われることがあります。

実は、西洋医学と中医学では「血の不足」についての考え方が少し異なります。

まず西洋医学では血液検査をして「血液の成分」に低い数値が出たら貧血といいます。最も多い鉄欠乏性貧血では、酸素を運ぶHb(ヘモグロビン)が基準値以下になるので、疲労感や倦怠感、顔面蒼白などの症状が現れます。

一方、中医学における「血(けつ)」は酸素や栄養を体の隅々に届ける働きの他、体を温める、内臓や組織を栄養する働きも持っている物質であると考えられています。これらの血の働きが低下した状態を「血虚(けっきょ)」と言います。

血液検査の数値で判断するのではなく、血の働きの低下による症状が見られれば血虚と判断します。ですから西洋医学では貧血でなくても、中医学的には血虚である場合があるわけです

血虚の状態だと以下のような症状が出やすくなります。

・お肌が乾燥しやすい

・髪の毛が細くなる

・毛が抜けやすい

・目が疲れやすい

・ドライアイ

・便秘(便が乾燥して固くなって出にくい)

・冷え性、

・生理不順 等

また、中医学の「血」には正常な精神活動を維持する働きもありますから、血虚になると情緒不安定になったり、睡眠の質が悪くなったり、忘れっぽくなったりすることがあります。

貧血ではないけど、いつも不調がある方は、もしかしたら血虚かもしれません。血虚の場合には血を補うお薬を使ったりして症状の改善を目指します。

おすすめの漢方薬もありますのでお気軽にご相談ください。

2021/07/03

中医学の相談の特徴について

こんにちは。気温が上昇し、夏を感じられるようになってきましたがいかがお過ごしでしょうか。

今回は中医学の治療の考え方での特徴や注意点について書いていきたいと思います。

体の不調でお悩みがあり、ご家族やご友人から「私はこの漢方薬を飲んで〇〇が改善したから試してみたら?」と友人から勧められたり、「この漢方薬は〇〇に効く」という広告を見たりして、その漢方薬を試してみたけれど、あまり効かなかったとおっしゃるお客様がいらっしゃいます。

これはなぜでしょうか。

中医学には同病異治(どうびょういち)という言葉があります。

同じ病名でも、原因やその人の体質によって治療法が異なるという意味です。

例えば頭痛の場合、西洋医学では多くの場合鎮痛剤が使用されます。しかし中医学では、その人の頭痛の原因(冷え・のぼせ・血行不良・ストレス・血の不足など)と、発症時期や住んでいる地域、病気の段階、体質などを考慮して漢方薬を選びます。

ですから、あの人には効いた漢方薬が私には効果がなかった、というようなこともあるのです。

こうした病因、病位、病状などを総合的に考察し、その時に、その人が持つ本質をあわらしたものを「証(しょう)」といいます。

少しわかりにくいですね。

「自分は不眠の相談をしているのに、もらった薬が、家族がめまいで飲んでるのと同じものでいいの?」というような疑問の声をお聞きすることもあります。

これはご本人様と、めまいでご相談されたご家族様の「証」が、例えば「気血両虚(きけつりょうきょ)証」(簡単に言ってしまうと「元気・血液不足の証」)のように、一致しているからです。

つまり、同じ病気でも証が異なれば治法も異なり(同病異治(どうびょういち))、病気が異なっても証が同じなら治法も同じ(異病同治)なのです。

私たちがお受けする相談も、このような中医学の本質的な思想に基づいて行っております。

漢方薬は西洋薬と比べて副作用が少ないと言われていますが、原因や体質を考慮せずに合わない漢方薬を服用すると、症状が改善しなかったり逆に悪くなってしまうこともあります。

体の不調でお悩みがある場合は薬局スタッフにご相談してみてくださいね。

2021/06/08

梅雨時期の不調について

こんにちは。

GWが終わり既に梅雨入りした地域もありますね。じめじめとした嫌な季節ですが、いかがお過ごしでしょうか。

前回のブログ「漢方薬局での問診について」の話の続きですが、前回記載した内容以外に、疾患や症状によっては「どの季節が一番悪化するか?」というように、季節との関連性をお聞きする場合があります。

例えば、むくみ・体の重だるさ・頭痛・めまい等の症状では、梅雨時に調子が悪いとおっしゃる方が多くいらっしゃいます。

なぜ梅雨の季節に症状が出たり悪化したりするのでしょうか?

主な原因は普段から体の中に余分な水がたまっている体質であるということです。

中医学では「内湿(ないしつ)がたまっていると外湿(がいしつ)の影響を受けやすい」という考え方があります。

脾(消化系)は水分代謝をコントロールしている器官ですから、脾が弱くなると、水分の処理能力も低下し、体に余分な水分(内湿)が溜まった状態になります。その状態で湿度の高い梅雨(外湿)を迎えると、体の水はけの悪さに関係した不調が出やすくなります。

養生法として、湿度の高い時期は脾を傷めないような食生活が大切です。冷たい飲み物や食べ物・生モノは、脾の働きを低下させてしまいますので、温かく消化の良いものを摂ることがおすすめです。

梅雨の時期の体調不良でお悩みの方におすすめの漢方薬もありますので、お気軽にご相談ください。

2021/05/19

漢方薬局での問診について

こんにちは。だいぶ暖かくなりましたね。

4月から生活環境が変わった方も多いのではないでしょうか。

今回は漢方薬局での問診について書きたいと思います。

漢方薬局では体質を把握するために様々な質問をさせていただきます。漢方薬局での問診において特徴的な点の一つが、症状がどういう時に悪化しやすいのか、またどういう時に楽になるのかについて確認することです。

例えば、肩こりにおいても以下のように様々なタイプがあります。

・体を冷やすと悪化、温めると楽

・同じ姿勢を続けていると悪化、体を動かすと楽

・疲れると悪化、休むと楽

・上腕の使いすぎで悪化、休むと楽

・心労や眼の使いすぎで悪化

・情緒変動で悪化したり楽になったりする

・曇りや雨の日は悪化、晴れの日は楽

 

体質により症状がどういう時に悪化したり楽になったりするのかが異なるため、おすすめする漢方薬も異なります。

ご家族の体調についてご相談してくださる方も多いのですが、症状については把握されていても、悪化したり楽になったりするタイミングなど詳細についてはご不明な場合があり、お客様の体に合った最善の漢方薬を紹介できないこともあります。

実際の相談では、その他の問診や舌診等も行っているため、相談ご希望の際はなるべくご本人にご来店していただくことをおすすめしています。

事情があり、どうしてもご本人がご来店できない場合は薬局スタッフにご相談ください。

2021/04/06

春と「肝」について

こんにちは。吉村です。

少しずつ気温が上昇し、春を感じられるようになってきましたね。

寒い冬が終わり暖かくなって嬉しい反面、イライラしやすい、寝つきが悪いといった不快感を感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

今回は春の不調と「」の関係について、なるべく分かりやすい表現で書きたいと思います。

中医学では、「春は肝の季節」と呼ばれているように、自然界での春と五臓の中での「肝」は密接に関与しているとされています。

中医学での「肝」には「疏泄(そせつ)」という作用があります。疏泄とは臓腑組織や精神活動をのびのびとスムーズにする、促進するという働きのことです。疏泄が正常であると、内蔵や皮膚表面の毛細血管の隅々にまで「気(身体を温めるエネルギー)」や「血(血液中を流れる酸素や栄養)」が行き届き、体調も良く晴れやかな気持ちで過ごすことができます。

疏泄を主る「肝」は伸び伸びとした状態を好み、ストレスが大の苦手。ストレスがかかると疏泄作用が低下した「肝気鬱結(かんきうっけつ)という状態になり、体の中の気・血の流れが滞るので、むくみや肩こりなどの身体症状のほか、なんとなくやる気が出ない・気分が落ち込む・不安・何かが詰まったような不快感などの精神症状が出たりします。この肝気鬱結の状態が続くと、怒りっぽくなる・頭痛・のぼせ・イライラして眠れないといった中医学的には「熱」に属する症状も出始めます。(この状態を「肝鬱化火(かんうつかか)といいます)。前回のブログで花粉症の発症や、症状の悪化は衛気の不足だと書きましたが、このような「熱」が影響することもあります。

春は入学、入社、人事異動など生活環境が変化することが多いために、ストレスを感じて心身の調子が悪くなりやすくなります。

好きな音楽を聞く、散歩をする等自分がリラックスできる何かを取り入れてみましょうストレスが溜まっていると感じたら深呼吸するのも良いですよ。季節の変化による影響を受けることなく穏やかに過ごしたいですね。

「肝」の疏泄作用を正常にするためにおすすめの漢方薬もありますのでお気軽にご相談ください。

2021/03/13

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売