ぐずついたお天気続きでも、雨に濡れた紫陽花から一日の元気をもらえる気がします。
少し寝苦しい日もありますが、毎晩ぐっすり眠れていますか?
眠りたいのに眠れない不眠症
今月のテーマは“ 不眠症”。不眠のことを失眠(しつみん)ともいいます。睡眠は、私たちの活動を統括する脳を休ませる唯一の時間。
私たちは、活動して体力を消耗すると自然に眠くなり、睡眠をとることで体力を養い再び活動する、といったサイクルを毎日繰り返しています。
中医学では夜と昼のように、対照的な事象を“ 陰”と“ 陽”に分けて考えます。
夜は陰が、昼は陽が働きを充実させる時間です。陽が旺盛になると目覚め、陰が旺盛になると眠る、これが健康な人の一日のリズム。
この陰陽のバランスが崩れ、陽盛陰衰の状態が続くと失眠となります。
陰陽のバランスは、食事の不摂生や精神的ダメージ、過労、病後の体力低下など様々な原因で崩れます。
右図は、失眠状態の陰陽バランスを示したイメージ図です。主に4タイプに分けられます。
① 陽熱旺盛(肝うつ化火)・・・そわそわして眠れない方
(他症状)怒りっぽい、イライラする、目が充血、脇腹が張って苦しい、口が渇く
このタイプの方には瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)でお体の熱と湿を取り除きます。
② 痰熱内擾・・・多夢・寝る姿勢を何度かえても眠れない
(他症状)頭が重い感じ、痰が多い、食欲不振、げっぷがよく出る、胃酸逆流
このタイプの方には星火温胆湯(せいかうんたんとう)で胃腸を整えながら、お体の熱と湿を取り除きます。
③ 陽盛陰虚(陰虚火旺)・・・寝つきが悪く眠りが浅い
(他症状) 耳鳴り、めまい、口が渇く、口内炎、物忘れ、便秘、寝汗をかく、手足のほてり、足腰がだるい
このタイプ方には天王補心丹(てんのうほしんたん)でお体に潤い(陰)を与え、余分な熱を冷まします。
④ 気血不足(心脾両虚)・・・多夢・夜中に目が醒めやすい
(他症状) 疲れやすい、息切れ、動悸、めまい、貧血、食欲不振、軟便
このタイプの方には帰脾湯(きひとう)で気血生成を高め心血を養います。
また、普段から驚きやすい人やプレッシャーを感じやすい人は、心身の疲れを補い、心を落ち着かせ、自然な睡眠リズムをつくる酸棗仁湯錠(さんそうにんとうじょう)がおすすめです。
寝る前のコーヒーや濃い緑茶の摂取、喫煙なども失眠の要因となりますので、出来るだけ控えましょう。
不眠でお困りの方、まずはお気軽にご相談ください。