お盆も過ぎましたが、この猛暑はまだまだ続きそうですね。
これから秋になると気候が乾燥してきますが、中医学では秋前半の乾燥を“ 温燥”、後半の乾燥を“ 涼燥”と区別し、その治療方法にも違いがあります。
温燥に対しては、熱を冷まして潤いを与える治法、涼燥に対しては、冷えを取り、潤いを与える方法となります。
この豆乳のブランマンジェ梨のコンポート添えはどちらかといえば冷やす要素が強いので温燥の方に向くデザートです。
ブランマンジェはフランス語で“ 白い食べ物”という意味ですが、この白という色は、中医学の考え方の基本となっている五行学説という中国哲学の中で、肺と関係が深い色とされています。
今回はヘルシーな豆乳をベースに、肺を潤す作用の“ 百潤露”を入れてブランマンジェを作り、それに梨のコンポートを添えて、風邪で喉が痛いときでもすんなりと喉を通りそうなデザートを作ってみました。勿論牛乳を使って作っていただいても結構ですし、生クリームを一部加えるとり美味しくなります。
又本来アーモンドの粉やエッセンスを加えるもののようですが、今回はグランマニエを香りづけで使っています。これもお好みでラム酒や他の香りでどうぞ。梨の詳しい効能については、今月の漢方百科でご紹介していますのでどうぞご参考になさってくださいね。
材料:
①梨のコンポート
梨・・・2 個
白ワイン・・・300ml
水・・・150ml
蜂蜜・・・大さじ2
シナモンスティック・・・1 本
クローブ・・・3 個
②豆乳のブランマンジェ
豆乳・・・3 0 0 c c
蜂蜜・・・大さじ2
板ゼラチン・・・4 . 5 g( 1 . 5 g × 3 枚)
百潤露・・・4 . 5 g ( 1 . 5 g × 3 包)
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作り方:
1.梨のコンポートを作る。梨は縦4つに割り、皮をむ いて芯を取る。そのうちの3 切れにグローブを一個ず つ刺す。
2.ホウロウ又はステンレスの鍋に、梨。白ワイン、水、
ハチミツ、シナモンしスティックを入れて強火にかけ
る。
3.煮立ってきたら弱火にして、丹念にアクを取りながら、
15 ~ 2 0 分煮る。火を止めて、そのまま粗熱を取り、
冷めたら冷蔵庫で冷やしておく。
4.豆乳のブランマンジェを作る。鍋に豆乳、ハチミツ、
水で戻して水気を絞った板ゼラチンを入れて火にかけ
る。ゼラチンが溶けたら火からおろし、百潤露、グラ
ンマニエを加え、型に流し入れる。粗熱がとれたら冷
蔵庫で冷やし固める。
5.皿にブランマンジェを型から外して盛り、梨のコンポー
トをスライスして添え、ミントをあしらう。
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主な材料の効能
梨:甘微酸・涼/肺胃/生津・滋陰・清熱・化痰・止咳・生肌・解酒毒
白ワイン:辛酸甘・温/心肝脾肺/健脾・滋陰・理気・安神
蜂蜜:甘・平/脾胃肺大腸/和中・止痛・潤肺・止咳・潤腸・通便・潤膚・解毒
桂枝(シナモン):辛甘・温/肺心脾肝腎膀胱/発汗解肌・温通経脈・通陽化気・平衡降逆
丁子(クローブ):辛・温/肺胃脾腎/温中降逆・下気止痛・温腎助陽
豆乳:甘・平/肺脾大腸/補虚損・化痰・通淋・鎮咳・通乳・生津
《百潤露》
百合:甘・微寒/心肺/潤肺止咳・清心安神
北沙参:甘・微苦・微寒/肺胃/清肺熱・養肺陰・養胃生津
玉竹:甘・微寒/肺胃/養陰潤肺・生津止渇