杉村先生に、子宝相談の際によくある質問に答えていただきました!
Q1、40歳で、自然妊娠している方はいらっしゃいますか。
もちろんいらっしゃいます。(決して多いとは申しませんが)傾向としては、妊娠を希望してまだ日が浅く、今まで不妊治療を受けてきていない方に多いようです。(受診すれば体外受精を勧められる事が多いので)
ご結婚間もない方が、まわりにせかされ、まずは漢方薬でも・・・ということになりご相談にいらっしゃいます。この場合、ご主人様と精子が元気であることが大切ですね。(年下のご主人というケースも増えています)
30歳でもなかなか妊娠しない人がいるかと思えば、40歳過ぎて何事もなく普通に妊娠される方もいらっしゃいます。
この違い、つまり妊娠の鍵を握るのは“卵子の質”といわれています。“卵子の質”は、なんとその方がお母様の胎内にいる時にある程度決められているもので、西洋医学的には年齢と共に低下する卵子の質を良くする手立てはありません。 でも東洋医学には“補腎”という考え方があり、卵子の質を取り戻す事ができるのです。ですから早く妊娠したいとお望みの方には漢方周期療法をお勧めしています。
Q2、今年35歳になるので、焦っています。やはり体外受精がいいのでしょうか。
普段多くの赤ちゃん待ちの方と接している私の感覚では35歳は決してあせる年齢ではありません(私のお客様は7割以上が35歳以上ですから)でも世間的にも医学的にものんびりはさせてくれない雰囲気ですよね。
クラミジアなどの感染症や、子宮内膜症など卵管の癒着によるピックアップ障害の可能性がなく、流産のご経験があるという方には「ステップアップはもう少し待って、体作りをしてからにしたらどうでしょうか」とお話しています。
焦ってホルモン注射を繰り返し、それで体調を壊し、そのあと初めて体作りの大切さに気がつき、漢方相談にご来局!というケースも多いのです。「急がば回れ!!」のお年頃かもしれませんね。まずは、食事、睡眠、冷え対策などを見直してみて下さい。
Q3,「“妊娠しやすくなる“と言われる事を色々試したのに妊娠できないのはどうしてでしょうか?」(こんなに頑張っているのに・・・)
「あれもしてます・・・これも食べています・・・有名なクリニックに何箇所も通いました・・・でも赤ちゃんが出来ないんです・・・」
と悲痛な訴えをお持ちのお客様。一生懸命のお気持ちよ~く伝わってきます。ご質問の答えは、「もしかしたら頑張りすぎではないですか?」です。24時間ずっと戦闘態勢では交感神経張りつめすぎで、ホルモン分泌も抑制されてしまいます。 もう少し肩の力を抜いてのびのびできるといいですね。(ご本人はリラックスしていますといわれますが基礎体温を拝見するとストレスたまっているかな?という体温のことが多いです)
Q、もう諦めた方がいいのでしょうか。
これもまた難しいご質問です。年齢や月経の状況だけでなく、最近は卵巣予備能力(AMH)なども検査できるようになり、その結果をみてまた落胆し、それでもすぐにはあきらめきれなくて・・・というお客様が結構いらっしゃいます。
確かに悩みますよね。「ご主人とよく話し合って、年齢でいくつまでとか、体外受精ならあと何回とか、金額でいくらまでといった目安を設けておくのがいいですよ。」とお話ししています。
高度生殖補助医療を実施されている方は、
・今回初めて採卵にこぎつけた!
・やっと空砲でない卵が取れた!
・受精したのに分割が進まなかった
・あと一歩のところで分割が止まってしまった
・胚移植したのに妊娠できなかった
・凍結胚盤胞ができた!
・HCGの数値からすると惜しかった・・・等など、一喜一憂。
そしてその度に次への目標ができ、まるで博打のように、お金をつぎ込めばつぎ込むほど「次こそは!」と期待に胸が膨らんでいってしまいます。もちろん見事なチャレンジを繰り返し、結果的に妊娠、出産を勝ち取る(?)方も何人もいらっしゃいますが、中には本質を見失ってご主人様との仲がギクシャクしてしまう方もいらっしゃいます。大切なことは、「ご夫婦でよく話し合って結論を出す!」ということだと思います。