イスクラ薬局(東京)

ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

ブログ日記BLOG

『周先生に聞いてみよう! 第二弾  ~更年期~

周先生syu90 へのインタビュー第二弾は更年期についてです。前回は『子宝』についてお伺いしました。リンクはこちらから→ 『周先生に聞いてみよう~子宝編~』
更年期は男女ともに通過するもの。どんな人にも更年期はやってきます。今日はそんな誰しもが通過する更年期について先生にお話をお伺いしました。
 
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 
Q: 先生、宜しくお願いします。
周: よろしくお願いします。
 
Q: 今日のテーマ更年期ですが。先生は更年期障害の対策について長い臨床経験をお持ちですよね。
周: そうです。私の得意な分野の一つですね。話が広がりすぎてしまいそうです(笑
 
Q: いえいえ。是非いろんな話をお聞かせ下さい。少しぐらい脱線したほうがおもしろいので (笑
周: なら安心です。
 
Q: ではよろしくお願いします。
周: お願いします。
 
 
 
 
Q: まずは中医学からみた更年期とはどういうものですか?全体的な先生のお考えをお聞かせ下さい。
 
周: 更年期とは簡単にいうと『腎精』(腎に蓄えられた体の基本物質)が低下することによって起こる体の変化のことです。
『腎』というのは、西洋医学でいう腎臓の働きだけではなく、成長や発育そして老化、骨、生殖系などとも関係が深い臓器です。ここに『腎精』が電池の電気のように蓄えられています。この『腎精』によって人の体は成長して発育していき、『腎精』が少なくなってくると骨が弱り、髪が薄くなり、目や耳が遠くなり、泌尿器や生殖器も弱くなります。すなわち老化していくということですね。この『腎』が弱くなりはじめる過程に『更年期』という時期があります。
 
中医学では、女性は思春期から35歳までの間が最も腎が充実している時期と考えています。35歳から腎精は徐々に低下し、肌の艶や髪の衰えを感じはじめ、42歳では白髪が目立ち始めます。そしておおよそ49歳で閉経するとしています。ここから老化のスピードが速くなります。しかし、35歳ぐらいからしっかり更年期への準備をしておけば、更年期の変化はそれほど酷いものにはならないでしょう。さらにそうすることで老化のスピードも遅くなるんですね。
 
更年期の症状は沢山あるので、一つ一つの症状を考えるよりは体の中のバランスを考えなくてはいけません。全体のバランスを整えることで沢山ある症状が一気に無くなることもあります。一つの症状だけで判断してはいけないんです。体のバランスが崩れている原因、そして、どう崩れているのかを検討し対処する必要があります。
 
そういう時に一つの処方の中に沢山の生薬が入っている漢方は効果的なんです。いろいろな生薬がいろいろな効果をもっているので、様々な症状の改善につながるんです。
 
 
 
Q: 「いろんな症状」は、『不定愁訴』といいますね。
 
周: そう。『不定愁訴』。
『不定愁訴』っておもしろい言葉ですね。いろいろ検査しても何の病気もみつからない。病名がつかない。でもいろんな症状を訴えている。定まらない訴えという意味ですね。こういう病名がつかないものに対して西洋医学ではなかなか対応が難しいです。
 
 
 
 
Q: そうですね。西洋医学での更年期障害の治療はエストロゲン補充療法が一般的ですが、それについて先生の考えをおきかせください。
 
周: ホルモン剤って、使ったらいつまで続けるかを判断するのが難しいですね。
50歳を超えて生理が止まるのは当たり前。なので、不定愁訴の緩和のためにホルモン剤をつかって生理がある期間を伸ばしても、やっぱりそれは自然な方法で伸びた訳ではないので、体の中では別の問題が出てきたりもします。肝機能や腎機能の問題、さらに乳がんの問題が一番怖いですね。エストロゲンは開発されて30年とちょっとと、まだまだ若い薬です。その点中国漢方は3000年以上の歴史の中で、様々な症状の改善にしっかり使われてきた。それこそが安全性の証明だと思います。
 
 
 
 
Q: なるほど。症状は良くなったように感じるかもしれないけど、ほかの問題を引き起こす可能性があると。
 
周: そうです。さらに個々の訴えに対して、ホルモン剤プラスαのお薬が出ますね。不安には抗不安薬、不眠に睡眠薬といったように。それらは症状の緩和にはなりますが、根本的な治療ではありません。後、更年期障害で病院に行くと、漢方が出されることも多いですね。【加味逍遙散・かみしょうようさん】がよく使われているようですが、それも一部の人にしか本来は使えない処方です。【加味逍遙散】は不定愁訴の万能薬ではないので、個別に対応していく必要があるんです。漢方では皆それぞれの症状に合わせた対応・処方があります。症状にあわせた薬があるので、旨く選んであげることが大切ですね。
 
 
 
 
Q: 個別の対応というのはどういったことでしょうか?
 
周: 例えば不眠。この不眠は安定剤や睡眠導入剤で眠れるには眠れるけど、止められなくなる。では将来はどうするのか?そんなに長く飲んで副作用はどうなるのか?疑問ですよね。それでは本当の改善といえるのでしょうか。まずは腎の衰えによって傾いたバランスを自然の形に整えるのが大事なんです。
 
 
 
Q: なるほど。不眠のお話が出ましたが、漢方薬局では更年期での冷えのぼせでのご相談も多いのですが、その場合はどういったことを考えなくてはいけませんか?
 
周: 暑くなるとすぐのぼせる。ちょっと寒いとすぐ寒くなる。これが冷えのぼせ。夏でも外は暑くて室内はクーラーが効いていて冷えている。外から中に入ったりすると温度調整が出来ず、上半身は暑くて汗をかいて、下半身は冷える。体温のコントロールが効かなくなってますね。実は、腎の機能と自律神経は近いものがあって、腎の衰え(腎虚)がコントロール機能を低下させているんです。
人の体は暑いと毛穴を開いて熱を発散して汗をかき体温を調整します。寒いとちぢこまって体力と熱を温存します。それは自律神経という神経が勝手に判断して行っていますが、腎虚になるとこのコントロールが弱くなる。なのでこういった症状の改善には、補腎薬という種類の漢方をつかって腎を強くして、自分で調節できるようにするんです。
補腎薬は目的によって杞菊地黄丸、知柏壮健丸、八仙丸、金匱腎気丸、牛車腎気丸、参馬補腎丸、海馬補腎丸など沢山あります。なので、詳しく症状を見てちゃんと選ばないといけない。しかし、沢山あるのでそれぞれの体質や症状に合わせられるんです。
 
 
周: 少し難しくなりますが、もう少し詳しく話してもいいですか? (笑
Q: 是非。
 
 
周: 腎陽(腎が持つ体を温める力であり、生命活動の源)は脾陽(胃腸の動き)の根源。腎陽が下がれば脾陽も下がる。
後、腎虚になると心を抑制(腎と心は特定の臓腑が特定の臓腑を抑制する働きである相克関係にあるため)できないので、心の熱が上昇して(熱は上昇する)顔や上半身が暑くなる。
さらに心には神(精神活動)がいます。神は熱に弱くて、潤いや血が充実していると落ち着くんです。腎虚(腎のよわり)で腎陰(腎が蓄えている潤い)が不足してくると、心への潤い供給が低下します。そうすると神は不安になる。ちょっとの衝撃やストレスですぐどきどきしたりする。不安やどきどき、これも更年期の不定愁訴につながりますね。
 
 
 
Q: なるほど。漢方ではそういった理論のもとに更年期に対応していくわけですね。
周: そうです。『更年期』とは誰にでもある人生のある一つの時期。思春期などと同じです。日常生活に支障をきたすような病的な問題がなければ、更年期に差し掛かる少し前から体のバランスを調整して、穏やかな変化になるようにしておければ、『更年期』が『更年期障害」とはなりにくいんです。ソフトランディングする事が大切ですね。
更年期とは今まで体の中を駆け巡っていたホルモンの量が低下することによって感じられる体の変化です。腎を強くすることでホルモンの変化が穏やかになるので、変化がそれほど激しくなくうまく乗り越えることができます。更年期に対しては早めに補腎が大事なんです。
 
 
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
 
 
 
話はつきませんが、今回はこの辺で。
さすが得意な分野というだけあり、本当にお話はいろんなことにつながっていきました。こちらの少ない知識でも分かり易いようにお話いただけました。
今回は専門的な用語や知識などが少し多かったので、難しかったかも知れません。
もしご質問などございましたら、下記連絡先まで、お気軽にご連絡下さい。
周先生のご予約などもメールやFax、お電話でどうぞ。
 
次回は、不眠や不安、高脂血症や肥満、さらに今回は女性のお話がメインでしたが、男性更年期についてもお伺いする予定です。
お楽しみに!!!
 
 
 
 
***周先生は毎週木曜日が相談日です。***
ご予約は↓こちらまで。
 
イスクラ薬局 六本木店
港区六本木7-3-12
六本木インターナショナルビル1F
 
TEL:03-3478-4382
FAX:03-3478-4731
Email roppongi@iskra.co.jp

2011/09/02

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売