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皮膚のおはなし の記事一覧

染織と薬草 / 車田 光穂

こんにちは!車田です。
まだ5月だというのに、東京はもう梅雨入りしたかのような日々が続いておりますね。
爽やかな青空を臨みたいところです。

今日は、染織と薬草についてのお話です。

薬を飲むことを「内服」と言いますが、なぜ「服」という言葉が使われているのか、ちょっと不思議な感じがしませんか?
由来を調べると、中国の古い書物である「山海経」が出てきました。その中で、薬草などを衣服のように身にまとい病気の原因となる邪気を防ぐことを「外服」、体の中に入れて体内で邪気を防ぐことを「内服」と言い表しています。
古代人は病気を悪魔の仕業と考えていたため、悪魔の嫌がるグロテスクなものや嫌な匂いのするものを身につけたり(外服)飲んだり(内服)すれば防げると考えたのでしょう。

その流れから、染織には昔からよく薬草が使われておりました。江戸時代、染家といえば藍染を主とし、紺屋とも呼ばれていました。この藍、日本ではタデ科のタデ藍で作られるのが主流となっておりますが、皆さまおなじみの「板藍茶」の板藍根(アブラナ科 ホソバタイセイ)からも藍を作り出すことができます。ヨーロッパではこちらを用いることが一般的です。

板藍根は風邪予防のお茶として飲まれておりますが、染料として使っても、虫よけや邪気払いになります。皮膚に慢性炎症があるような場合にも、藍染の衣服が良い場合があり、まさに外服としての意味を持ったものとして現在も使われています。

薬草は、飲んでも染めてもその持っている力を発揮してくれます。植物の力はすごいですね。今年もそろそろ藍の収穫が始まります。

2021/05/26

季節から見る皮膚シリーズ③  梅雨の時期は体の水はけをよくして、肌代謝を上げよう

こんにちは。車田です。車田さん ミニ
おそらくあまり大好きな人はいないであろう、梅雨のシーズンがやってまいりましたね。この時期に気をつけていただきたいのは、体内の水はけ。ただ息をしているだけで、水分を取り込んでしまっているので、体内も水浸し状態になりがちです。
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中医学では、体にとって必要のない水を「痰」とか「湿」などといいます。これらが慢性的に体に溜まり始めると、重だるい、食欲が出ない、むくみなどといった症状が出てきます。この湿が原因で皮膚疾患が悪化する方は、体内の水はけをよくすることがポイントです。
 
シリーズ第三回目の今回は、湿と皮膚疾患についてです。
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この時期に起こりやすい皮膚疾患として、湿疹があげられます。中医学において湿疹は、体内に溜まっている湿を皮膚から出そうとして出しきれなかったものとされます。とくに、汗腺の多い手のひらや足の裏などに水疱ができる場合は要注意。早めに対処していかないと、毎年梅雨の時期になると繰り返す…ということになりかねません。すでに慢性的な皮膚疾患をお持ちの方も、このシーズンは特に湿に気をつけてコントロールする必要があります。
また、この時期の日本列島は4つの気団のせめぎ合いにより、湿にプラスして暑さと寒さも入り混じります。気圧の変動プラス寒暖差ということです。この事により、自律神経のトラブルも起こりやすいので注意が必要です。
そして当たり前のことですが、人の体は食べたものからしか作られません。体に湿が溜まる最大の要因は食事です。自分で今からできる養生でもありますし、一番身近な毒となる要因でもあります。食材もさることながら、食べ方も重要です。下記、まとめましたので、ご参考ください。
 
【湿を溜めやすい食材】
乳製品(チーズ、生クリーム、ヨーグルトなど)・小麦加工食品(特に菓子パンやケーキ、パスタなどの麺類やたこ焼きのような粉物系など)・砂糖・脂っこいもの・アルコール・冷たい食べもの(常温のものや、生のものも含みます)
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【湿を取り除くおすすめ食材】
・ハトムギ茶
→湿を取り除くだけでなく、肌代謝も上げてくれるので、皮膚トラブルには重宝します。
温めも冷やしもしないので、どんな湿のパターンにも対応できます。
・赤小豆
特に妊娠中のむくみによいとされています。砂糖と煮込むと利湿の働きが弱くなるので、そのままスープなどに入れて煮込んで召し上がるのがおすすめです。
・蓮の葉
→蓮の花は泥水の中でとても美しい花を咲かせます。清濁から清を分別することから、腎泌尿器系疾患にも応用されてきました。熱を冷ます働きがあるので、梅雨の後半、夏に向けて気温が上がってくる時期や、湿+熱の症状がある方に◎
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【食べ方】
基本的に、体温より高い状態で摂取することをおすすめします。
体内に熱がこもっている場合でも、寒性や涼性の食材を選び、体温より高い状態で摂取することで、食材の持つ作用をしっかり吸収できますよ。すべての食物に火を通さなくても、トータルの温度が温寄りであればOK。たとえば、お刺身を食べるときは必ず、温かいお味噌汁やお茶とセットにするなどです。
 
皮膚に疾患がない方でも、季節の養生になりますので、ぜひご参考ください。
梅雨の季節もどうぞ健やかにお過ごしくださいね。
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2019/06/12

季節からみる皮膚シリーズ② 初夏の紫外線ケアが10年後の肌を変える

こんにちは。車田です。車田さん ミニ
令和になりましたね。気持ちの良い風が吹く季節になりました。最近私は近くの公園まで早朝ランニングをしております。早朝に見る低い位置の太陽光はまだ柔らかいのですが、昼間の太陽光はやはりとても強いです。そろそろ気をつけなくてはならない、紫外線。老化の原因の約8割が光老化と言われています今現在のケアが10年後の未来の肌をつくっています。シリーズ第二回の今回は、紫外線ケアについてです。
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【紫外線の注意期間】

紫外線が、一年の中でもっとも強くなるのが5~8月、時間帯としては10~14時となっています。5月から注意レベルに達し、7月がピーク。つまり、6月など梅雨の時季ですら、5月よりも紫外線の量は多くなっているのです。また、日本列島においては、南に行けば行くほど、紫外線も強くなりますので、場所の把握も重要です。
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出典:気象庁

【紫外線の種類】

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紫外線には、UV-A(紫外線A波)、UV-B(紫外線B波)、UV-C(紫外線C波)の3種類があります。この内、UV-Cに関しては、オゾン層に吸収されるので私達が生活する地上まではやって来ません。気をつけなくてはならないのが、UV-AとUV-Bです。

  • UV-Aとは

・別名『生活紫外線』紫外線の約90%を占める
・ピークは5月
・波長が長く、肌の奥深く(真皮層)に到達する
PAの高い日焼け止めで防ぐ
・じわじわ作用してシワやたるみなど、肌老化の原因となる

  • UV-Bとは

・別名『レジャー紫外線』
・ピークは7月
・波長が短く、肌の表面(表皮)で炎症を起こす
SPFの高い日焼け止めで防ぐ
・すぐに作用してシミや色素沈着の原因となる
 
 

【外側からのケア】

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  • 予防対策

外側からのケアとして、日焼け止めをきちんと使うということがあげられますが、日焼け止めの成分が肌に負担をかけることも往々にしてあります。紫外線吸収剤、ナノ粒子、界面活性剤、防腐剤、添加剤(着色料、保存料、香料など)、これらに気をつけて選びましょう。日焼け止めの作用があると言われている植物油もいくつかありますが、実際の効果の程は確実なものとは言えません。ですが、市販の日焼け止めを塗る前に、植物油を塗ることで、肌の保護や保湿、落としやすくなるという利点がありますので、サブ的役割として使うのはありかと思っています。
 

  • 日焼けしてしまったら

まずは、速やかに冷やすことです。炎症を沈めて、潤すこと。これに尽きます。お使いの化粧水をコットンにたっぷりと吸わせて、肌の熱感が落ち着くまで、パックし続けます。化粧水をそんなに大量に使えない!という方は、リスブランのジネンミストやアヴェンヌなどのように限りなく天然の水に近いものと混ぜて、薄めて使うのもありです。コットンが乾いてきたら、外側からスプレーしながら使えるものだとよいです。赤みが引いてきたら、いつもお使いの化粧水でたっぷりと保湿をしてください。
普段から言えることですが、肌には与えることよりもきちんと落とし切ることが重要と言えます。なぜなら、人間の細胞は自分で自分を潤す力をもっているから。ただ、何かしらの皮膚疾患で皮膚表面の細胞が傷ついている場合、そして内側から栄養を補充できていない場合は、しっかり保湿しなければなりません。そして、肌は必要以上にこすらないことが重要です。マッサージする際はオイルやクリームなど滑りの良いものを必ず間に挟むこと。
こすることで色素沈着させてしまう場合もあります。
 

【内側からのケア】

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中医学的に対処するなら、肌代謝を上げて、養血・活血・補腎することが重要です。おすすめのものとしては、抗酸化作用があるといわれている、沙棘(サージ)の実から抽出されたオイル。こちらは服用しても良いですし、日焼けした箇所に直接パックしてもよいです。他には、ハトムギ茶(生薬だとヨクイニン)で肌代謝を上げると、日焼けで傷ついた細胞をしっかり押し出していってくれます。
他に、肌に良いとされる生薬には、哈士蟆(ハシマ:カエルの輸卵管)や真珠、白きくらげ、などもあげられます。
補腎薬の種類はいくつかあり、体質によっておすすめするものが変わってきますので、気になる方はお近くの漢方薬局などで薬剤師か登録販売者にお尋ねください。
 
【まとめ】
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シミやシワは現在の状態がよくても、年齢と共に、必ず増えていくものです。あまり神経質になってしまうのもどうかと思いますが、肌はそれなりにお手入れをしてあげていると、それがきちんと反映される部分でもあります。さんざん光老化について書いてきましたが、個人的には、アンチエイジングより、エイジングにおいて、いかに自分が心地よい落とし所をつくるかだと考えています。皆様も、自分らしい年齢の重ね方を、どうぞ楽しんで下さいね。
 
合わせて読みたい
季節からみる皮膚シリーズ① 春は皮膚病が悪化しやすい

2019/05/15

季節からみる皮膚シリーズ① 春は皮膚病が悪化しやすい

こんにちは。車田です。車田さん ミニ
私は、店頭では皮膚のトラブルを専門で見ることが多いため、皮膚についてのあれこれを書いていきたいと思います。
私自身、全身アトピーや蕁麻疹での入院経験があり、皮膚が弱いことを自覚しています。ちょっと疲れるとすぐ皮膚に出るので、ある意味わかりやすいとも言えますが、もっと早く身体からのサインに気がついて対処できれば、悪化させずにすみますよね。もともと皮膚が薄くて弱い方は、きちんとお手入れをしてあげれば、逆にとてもきれいな肌づくりが可能です。皮膚トラブルでお悩みを抱えている方々のお役に立てたら幸いです。
第一回目の今回は、季節からみる皮膚シリーズ①として、『春は皮膚病が悪化しやすい』をテーマに書いてみたいと思います。
春になると必ず皮膚疾患が悪化する、春頃をきっかけに症状が出始めた、吹き出物が増える。。などなど、身に覚えのある方はご参考ください。
要因① 春は陽気が活発になる季節
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春は身体が夏仕様になるための準備期間。越冬するために溜め込んだものをデトックスする季節です。皮膚は身体において最大の解毒器官とも言われていますので、特に症状が出やすくなります。
夏と冬とでは、デコルテの皮膚の厚さが数ミリ違う(冬のほうが厚くなる)ということもあるくらい、身体は季節に応じて皮膚のあり方も変化させています。犬や猫と暮らした経験のある方は、毛が生え変わるのをご存知かと思いますが、それと同じようなものですね。暖かくなると、自然界の陽気と呼応するかのように、体内の陽気も動き始めます。これは個人の体質という域を超えて、春を生きる身体全てに働きかけてくる自然の摂理といえます。
要因② 自律神経の乱れ
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要因①と関係することなのですが、体内の陽気といっても特に影響を受けるのが肝の陽気です。なぜなら、春という季節は肝の苦手とする季節であり、弱りやすくなるからです。冬の間にしっかり腎陰を養えていなかった場合、春になって肝陽が暴走するというパターンもよくあります。
春は春一番などの強い風がふきますよね。これは冬と夏の境目に当たる時期なので、寒暖差が生まれやすく、それにより気流が乱れやすいからです。秋の台風も同じです。そして、肝はこの風が苦手春先の頭痛や目眩、不眠、皮膚でも上半身が悪化しやすいなどの症状がでます。(もちろんすべての方に言えることではありません)肝陽は上昇し体内でも風を起こすのです。
そして、肝は自律神経と関わりが深く、自律神経系のトラブルも起こりやすくなります。これにより睡眠障害なども誘発され、免疫異常を引き起こすといった悪循環も生まれやすくなります。
要因③ 花粉
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春の厄介者としてあげられるのが花粉。花粉症ではなかったとしても、寒暖差も手伝って春先に喉の粘膜をやられるところから風邪をひく方はとても多いです。東京都内は特に、花粉が空気中のPM2.5などの塵芥とくっついてしまうところから、花粉にアレルギー反応がなくても、花粉症様の症状が出るとか、もともと花粉症の方は余計にひどくなるパターンもあります。
要因④ 食事
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すでに食事に気をつけていらっしゃる方は読まなくて大丈夫です。食事はすべての基本になるので、皮膚に限らずですが、一応おさらいです。
この時期は、特に体内に毒素を溜め込まないことです。溜め込む要因となる食材は以下のものになります。
【毒素を溜め込む食材】
乳製品、小麦食品、加工食品全般、菓子パン、アルコール、脂っこいもの、辛いものなど
これらに気をつけ、なるべく自炊するようにすると、そもそも体内に入ってくる毒素が減るので、炎症は最小限に抑えられます。
【まとめ】
要因についてはご理解いただけたかと思うのですが、実際の体内状況をご自身できちんと判断するのは難しいと思います。漢方を服用されるなら、お近くの漢方専門薬局へ行ってご相談いただきたいですし、漢方以外の健康法を試すにしても、個人個人の体質が違うということを理解した上で、専門家の意見を聞きながら、体の調整をしてみてくださいね。
これから気持ちの良い季節に入っていきますし、今年のGWは長いので、この機会にご自身の養生法を確立してみても良いかもしれませんね!

2019/04/13

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