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ペット薬膳 の記事一覧

わんこと暮らしの養生#6/矢留江里子

犬の毛艶に必要なもの

毛並みは身体のバロメータ

健康な動物の毛並みは、身体の状態を表すバロメーです。暑さや寒さから身を守る体温調整のためにも、体毛を健やかに保つことは重要です。
仔犬の成長は速く、1日が人間の7日間のスピードといわれます。生後半年程で大人の歯に生え変わり、1年経つ頃には大人の身体になります。成長期には摂取した栄養分の1/3が皮膚と毛に使われるといわれています。
人に比べて圧倒的に皮膚や毛の栄養要求量が多いので、全身の栄養状態を安定させ続ける必要があります。

 

毛艶が悪い、毛並みが悪くなる原因は?

・栄養状態が偏っている ・腸内フローラが乱れている
・シャンプー、ブラッシングの不足
・病気にかかっている ・老化

 

犬の毛艶に大切な主な栄養素は良質なタンパク質と脂質

【タンパク質】
犬の筋肉や皮膚、血液や臓器などを作り、生命維持の基盤となる上で大切な栄養素です。体毛の主成分であるタンパク質は毛並みを美しくする役割もあります。タンパク質の不足が続くと脱毛することもあるので注意が必要です。

植物性タンパク質…大豆、豆腐、納豆など
動物性タンパク質…肉、魚、卵など

【脂質】
オメガ3(エゴマ油や亜麻仁油、イワシ、サンマなどの魚油など)とオメガ6(ゴマ油、アーモンド油、ひまわり油など)の不飽和脂肪酸を含む油脂5:1が良いといわれています。この2種類の必須脂肪酸は犬の体内で合成されないので、フードでバランスよく摂る、手作り食の場合はサプリやそのもので補う必要があります。
ビタミン類が不足しても、犬の毛並みは悪化します。特にビタミンAやビタミンEは犬の皮膚や被毛を健康に保つ成分です。

 

ビタミン補給にレバーおやつ

【材料】
・鶏レバー…1パック
・米粉…同量
・無糖ヨーグルト…生地が耳たぶの柔らかさになるくらい
・オリーブオイル…ひとまわし

【作り方】
①レバーはよく洗い、フードプロセッサーで撹拌し、残
りの材料を混ぜる
②天板に流して平らにする
③180度のオーブンで25分焼く

脂溶性のビタミンAは体にたまりやすくなるので与えすぎないように注意が必要です。
消化吸収の働きである脾胃の状態や腸内環境をよくすることも必要です。

2023/07/13

わんこと暮らしの養生#5/矢留江里子

わんこの体調を中医学にあてはめてみた

私事ですが、先日我が家に仔犬を迎えました。

6歳の先住犬はショックのあまり1週間後から3日間血便が出て、食欲もムラがありました。

はじめは仔犬と視線も合わせず、匂いも嗅がず、近づくことなく完全拒否。

予想以上の拒絶反応です。

今は仔犬を受け入れることができ一安心、散歩も一緒にできるようになりました。犬の感情も奥が深いと感じた瞬間でした。

 

ペット中医学でも基本的な考え方は一緒です。言葉が話せない分、よく観察することが大切だと思います。中医学では目で観察することを【望診】といい、《四診》という望・聞・問・切の4つの診断方法のひとつとして確立されています。

動物は、具合が悪いと無理して動かず、丸まっています。身体を休めること、寝ることが自然治癒力を発揮させ身体を回復させる一番の方法かもしれません。ペット中医学では人と同様、陰陽弁証、五臓弁証など、中医学には身体の状態を診るものさしがたくさん備わっています。

ちなみに今回の先住犬の中医学的弁証は、「肝脾不和」です。肝の疏泄が乱れ肝気の上逆、脾胃の働きが失調している状態と診ました。胃腸ケアを主に、「理気」することでみるみる食欲がもどり、いつものように落ち着くことができました。

 

 

【望診】ペットを目で観察する診察方法

・目は輝き、眼力があって活発に動いている
・吠え声、呼吸…吠える声が元気で呼吸が自然
・筋肉があり 動きが自在
・呼んだときの反応が鋭敏かどうか
・食欲はあるのか
・水をどのくらいの頻度で飲んでいるか
・便の状態
・元気があるか
・寝ている時の様子
・歩き方
・毛並み
・口臭、体臭
・目やに
など

 

中医学理論に基づくペットサプリは、獣医師の診断の上、処方しております。

漢方薬を使ってペットの健康を守ることは、人と同様大変助けになるものと思っています。

詳しくは日本ペット中医学研究所JPCMのHPから検索してみてください。
https://www.iskra.co.jp/pet/tabid/68/default.aspx

2022/12/10

わんこと暮らしの養生#4/矢留江里子

手作り食のバランスを考える

犬は進化の過程で雑食能力を獲得してきましたが、人と犬とでは栄養要求量も代謝も全く異なります。人間ほど炭水化物の消化が得意ではないようです。

犬の祖先の食事の割合はタンパク質約50%、脂質約45%、炭水化物約5%とされていますが、一般的なドライドックフードの平均をみてみると、タンパク質が約25%と少ないものがまだまだ多く、炭水化物が40~50%近く入っているものが出回っているのが現状のようです。

そして、生食であれば水分量は80%もあるのに対し、ドライフードの水分はわずか10%となり、食べた直後は一時的に脱水症状になるといわれます。

 

体にとって水分の循環は、上下水道の役割をし、栄養を細胞に行き渡らせ、老廃物をスムーズに体外へ排泄する重要な役割を果たしています。

犬も人も身体の中の水分はとても大切なものなのです。

 

 

【犬の手作りごはんで大事なポイント】

・人間に比べてもっとタンパク質が必要

筋肉以外の内蔵肉を肉全体の3割くらいを目安に入れる。

・カルシウムとリンのバランス

犬は人間よりカルシウムを多く必要とする。

肉だけ与えているとカルシウム不足になるので必ずカルシウム源を加える。

・オメガ3の油を積極的に加える

普通に食事をしているとオメガ6が過多になる。

イワシ、サンマ、サバ缶詰は手軽なお助け食材!

・肉についている皮と脂は半分のぞく

スーパーの肉は犬にとって脂分が多すぎる。

・野菜ゴロゴロは消化できない

せっかくの栄養素、抗酸化物質が吸収されないのでペーストにするなどの工夫をする。

 

その他、人間と一緒で食材はローテーションで摂るようにする、その子にあわせて、季節に合わせて調整していくなど、気をつけることはたくさんあります。

はじめは時間と心に余裕のあるお休みの日に、うん○や体重を観察しながらチャレンジすると楽しく続けることができるでしょう。

慣れたらササッと作ることができるようになりますよ。

 

2022/05/10

わんこと暮らしの養生 #3/矢留 江里子

わんこの食事を腸から考えてみる

前回、犬はほぼ肉食に近い雑食というお話しました。
ヒトと犬では消化の仕方にも違いがあります。
肉食動物は口の中でゆっくり味わうことなく獲物(えさ)を素早く効率的に丸呑みするために、消化もシンプルで短い構造になっています。

の腸の長さは自分の体長の7~10倍(7~10m)なのに対して、
の腸の長さは5~6倍(約3.5m)
肉食傾向の強い猫は3~4倍、(2m)ライオン(7m)
牛などの草食動物の牛は20倍(50m)といわれます。

草食動物ほど腸は長く、咀嚼をしてゆっくり時間をかけ、消化しずらい植物を腸内で循環させ、細菌発酵し栄養吸収する仕組みになっています。
祖先が自然界で狩りをし、獲物を生のまま食してきた犬の消化器官は、生の肉や骨を消化しやすい、ということになります。

ということは、新鮮な生肉が本来犬の消化器官には負担がかからない、ということがわかりますね。
しかも新鮮な生肉には、ビタミン、ミネラル、タンパク質が豊富に含まれています
生肉なら、熱に弱いビタミン類も栄養を損なわずに摂取ができるのは、わんこにとって好都合です。良質なタンパク質を摂ることで、毛艶も良くなり、元気になりそうですね。

そして野生の肉食動物は、消化酵素がたっぷり含まれた草食動物の内臓を食べることにより植物の栄養もしっかり吸収し、バランスをとっています。

フードやおやつ類は、穀物なども多く含まれ、高温加工処理されています。
消化するためには体内の消化酵素を大量に消費してしまいます。
消費される消化酵素をサポートするのは食物酵素で、生の食品をはじめ、納豆、ヨーグルトなどの発酵食品にも多く含まれます。

毎日のわんこの食事をスーパーのパックされた生肉だけにしてしまうと栄養が偏ってしまいます。
抽出した「一部」ではなく、皮や骨、内蔵などを含む、「全体」ホールフードで、
加工、高温処理でない、新鮮なリアルフードを与えていきたいものです。

理想のわんこの食事に近づけるため、市販のフードも上手に利用しながら
愛するわんこと共に、いつまでも健やかに過ごせますように☆

2021/11/27

わんこと暮らしの養生 #2/矢留 江里子

人もわんこの体も食べたものでできている。

私達の身体は本来、自分で回復 治癒する能力(自然治癒力)をもっています。
そのためには、栄養豊富な食事を摂ることが大切と考えます。
犬には犬のDNAがあり、人と犬は食べ物や習性は異なります。
「種」に合った食事こそ、病気やストレスに対する抵抗力をつけ、本来の身体の機能を発揮できるのです。
彼らにとって、健康的で自然な、望ましい栄養とは何でしょう。

【鍵となるのは歯の形】
犬の祖先
4万年前、オオカミから分化されたといわれる犬の歯の形は今でも変わりありません。
犬達はもともと自然の中で獲物を狩って暮らしてきました。
人と共に暮らすようになり、炭水化物を消化する能力を身につけてきましたが、生物学的には、ほぼ肉食に近い動物です。

人間は
主食である穀類、豆類、いも類をすりつぶすための奥歯が約6割
季節の野菜、海藻を食べるための前歯が約3割
肉、魚などの動物タンパクをかみ切る犬歯が約1割という構成になっています。
これこそ人に合っている栄養バランスなのかもしれません。

【一物全体】
犬達は群れで狩りをし、獲物は、内蔵や骨、皮や毛など丸ごとを食します。
スーパーに並んでいる肉は、血抜きされ、パック詰めされている部位肉です。
本来摂るべき犬が必要なカルシウムやリンなどの微量ミネラルが不足しがちになります。

一物全体とは、野菜なら皮をむかず葉から根まで、お米なら白米ではなく玄米、魚なら頭から尻尾まで、丸ごと全部をいただくという意味です。
ひとつの命を丸ごといただく。生きているものは丸ごと全部でバランスがとれているのです。

↓↓ 犬の手作りごはん/作り手:矢留江里子

【腸】
犬の腸の長さは自分の体長の5~6倍といわれます。
比べ、人は7~10倍です。
さらに日本人の腸は植物中心の食事をするため、欧米人と比べると長く柔らかい腸相をもつといわれています。
ちなみに肉食傾向の強い猫やライオンの腸は体長の3~4倍、草食動物の牛は20倍、草食動物の方が腸が長くできているのですね。
人は火の発見から食べ物を加熱して食べることで環境に適応してきました。
自然界で狩りをした獲物をそのまま生で食してきた犬の消化器官は、生の肉や骨を消化するのに向いています。

人は人の、犬は犬の「種」に合った食事を摂ることが、本来の「命」を輝かせることができるということがわかりました。
健康でイキイキした生活を望むのは、人もペットも変わりはありません。

★併せて読みたい
わんこと暮らしの養生 #1

2021/07/03

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