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ブログ日記 | イスクラ薬局 六本木店BLOG

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中医学から養生~立春~/加藤百合子

こんにちは 加藤百合子です。

花粉症はつらくはありませんか?1ヶ月前倒しで季節の病が動いているようで、1月より花粉症が始まりました。早く、桜の春が待ち遠しい限りです。

冬になると、私の楽しみにしている食材に“わかさぎ”があります。小さい頃は、釣れる産地に行かないと食べれないものでした。おいしく感じるこの時期が好きです。

わかさぎ(若鷺)は、全長15-17cmくらいですので、小さいとか若いというイメージがあり、鷺が捕食する魚であったことから名前の由来があるようです。また、公魚という書き方でわかさぎとも読みます。

これは、公儀御用魚であったことから当てられた名前で、茨城の藩主が徳川家へ年貢にしていたことから由来しています。

寒い氷の湖に穴をあけて釣るのが特徴で、淡水魚と思われるのですが、もとはキュウリのようなにおいがする、鮎やししゃもと同じキュウリウオ科の魚類です。産卵で河川を上りますが、成長とともに海に戻るものと、環境の影響で湖や河川に留まるものがあり、湖に一生生存できることから、食用魚として湖に放流して育てるようになりました。

漁獲量は多い順に、秋田、青森、北海道、滋賀、茨城(2021年)で、茨城は霞ヶ浦です。3年前くらいでしょうか、東京のスーパーマーケットで夏にワカサギのお惣菜を見て、冬の食べ物では?と不思議に思いました。それから、毎年7月以降にスーパーマッケットで見かけます。

漁猟時期は、いろいろな理由で違っていました。秋田(八郎潟)は9月に解禁し翌3月まで、北海道(網走湖をはじめ道内の湖と川)は9-10月と1-3月、青森(小川原湖)は4-6月と9月-翌3月、滋賀(琵琶湖)は11月-翌1月、茨城(霞ヶ浦)は7月-12月と、場所で少しずつ漁猟時期が異なります。

どこも寒い時期より少し前に漁猟が始まっています。これは、栄養価が時期によって異なっていたことがわかったからです。霞ヶ浦を例にしますと、7月はワカナツと呼ばれ、まだまだ若いのですが魚油(EPA・DHA)がとても多く、脂ののったおいしさだそうです。翌年の2月頃には、成長にともないカルシウム、タンパク質や炭水化物が多くなるようです。体の成長とともにうまみと食べごたえがあるので、それを私たちは旬と感じていたのかもしれません。また、栄養価では、時期を問わずに、カリウム・ビタミン(中でもビタミンAとビタミンB12)・鉄が多いようです。

献上されてまで江戸時代より好まれてきたわかさぎは、料理として、天ぷらや甘露煮があります。私もほとんど天ぷらでいただきますが、焼いたワカサギを醤油につけて食べるのも美味しいそうで、今年は挑戦してみようと思います。

 

 

2025/02/03

薬膳ガーデニングのススメ~レモン~/金村瑛美

こんにちは、金村です。

先日、自宅のレモンを収穫しました。3年前にいただいたレモンの木には、レモンと言って良いのか悩む程丸くて大きな実がなります。

柑橘類には、「隔年結果」という一年おきに豊作と不作を繰り返す現象があるそうです。

初めて収穫した昨年は、色味が微妙なものが2個のみでしたが、今年はしっかりとした大きな実が4個でき、一番大きいものでは直径15㎝もありました。(品種はいまだに不明です。)

自宅で収穫したレモンです⇓(通常サイズのレモン3個分に相当します)

 

通年手に入るレモンですが、国産レモンの旬は秋~冬頃です。レモンは、家庭でも育てやすく、私の実家では一つの木(プランターで育てています)から、今年は通常サイズのレモンが30個も収穫できました。

スーパーで無農薬のレモンを買うと結構な値段がするので、自宅で採れたレモンを料理に使う時は、とても得したようで嬉しくなります。

たくさん採れた場合に困るのは保存方法ですが、レモンは一か月程冷凍保存が可能です。丸ごと冷凍もできますし、輪切りやくし切りにして冷凍しても重宝します。

 

レモンの木の害虫

育てやすい植物といっても、やはり害虫はいます。

レモンの木をいただいてからしばらくすると、自宅のテラスでアゲハ蝶を見かけるようになりました。

最初の頃は、美しいアゲハ蝶の訪問を喜んでいましたが、しばらくしてレモンの葉に異変が起こり始めました。

虫食いの葉が多発し、一部茎のみになっている箇所が!

害虫の正体は、レモンに植え付けられた卵から孵化したアゲハの幼虫でした。

葉っぱが食い尽くされないよう、1匹だけを残し、あとは申し訳ないと思いながらも...

それ以降も薬剤などは使わず、水やりの際、毎回新たな幼虫が増えていないか確認し対処しました。

 

薬膳的効能

レモンは、潤いを生み出し、食欲を高め、消化を助けてくれます。

皮の部分は気の巡りを良くし、胃の機能を高めてくれます。

※胃酸過多の方は摂りすぎないようご注意ください。

 

レモンとショウガのはちみつ漬け

今回はレモンの爽やかさを生かしつつ、冬に飲みたいレモンとショウガのはちみつ漬けをご紹介します。

ショウガは温性が強く、胃腸を温めてくれる冬に最適の食材です。

漢方薬にも生姜や乾姜(蒸して乾燥したもの)としてよく使用されています。

ショウガが苦手な方は、ショウガを入れずレモンのはちみつ漬けにしても構いませんが、レモンの性質は涼性のため、冷え性の方やこれからの時期はホットドリンクにするのがおすすめです。

中医学では、酸味のものと甘味のものを合わせて陰(潤い)を生み出すことを「酸甘化陰」といい、レモンの酸味とハチミツの甘味は相性◎です。

<材料>
レモン  通常サイズ3個 輪切り
ショウガ 1個 スライス
はちみつ 200-300g

<作り方>
・レモン→ショウガ→はちみつの順に繰り返し層を重ねます。
・はちみつの量は目安で記載しましたが、レモンとショウガがはちみつに浸っていれ ば問題ありません。
・ショウガの量や皮を剥くか等もお好みで加減ください。
・冷蔵庫で2晩置いたら完成です。

 

 

 

 

前回記事:薬膳ガーデニングのススメ~ミニトマト~

2025/01/09

体に嬉しい発酵ばなし~甘酒~/勝俣薫

こんにちは、勝俣薫です。
例年より気温が高い日が続き、深まる秋を感じたのは束の間、冷たい北風や乾燥が気になる冬がやってきました。
今回は、朝晩冷え込む時に飲むと温まりホッとする嬉しい飲みもの、甘酒についてお話しします。

甘酒には、米麹を原料にした「麹甘酒」と、酒粕を原料にした「酒粕甘酒」の二種類があり、どちらも古代から作られる発酵食品ですが、 工程や歴史に違いがあります。

 

工程

・米麹…蒸したお米に麹菌を繁殖させ完成させます。
・酒粕…日本酒の原料である米と米麹が発酵してドロドロに溶けた状態(もろみ)になり、それを搾った液体が日本酒、残った固形物の方が酒粕です。

 

歴史

奈良時代に情報収集して作られた『日本書紀』の記述に、米や麹で作った「醴酒(こさけ)」を応神天皇に捧げたという内容が記されているようです。この製造方法から考えると、現在の米麹甘酒に繋がります。
一方、奈良時代『万葉集』に納められている「貧窮問答歌」の中に「糟湯酒(かすゆざけ)」についての記載があります。その和歌の一部を訳すと「雨や雪が降る寒い夜、暖をとるために塩を舐めながら湯に溶いた酒粕を啜った」とあり、酒粕甘酒との繋がりを感じます。ちなみに糟湯酒は下級庶民のお酒とされていたようです。

 

薬膳的効能

薬膳的な効能では微妙な違いはありますが、似通っています。

☆米麹麴
【性味】辛甘/温 【帰経】脾・胃
【効能】
体をあたため気の巡りを良くする/肌や粘膜を乾燥から守る/消化を促進し便通を整える/疲労回復

☆酒粕
【性味】辛甘/温 【帰経】脾・胃
【効能】
体をあたため気血の巡りをよくする/肌や粘膜を乾燥から守る/腸を整え老廃物の排出を助ける/ 疲労回復

栄養素においては、共通してアミノ酸・ビタミンB群・食物繊維・オリゴ糖などが含まれています。それらの含有量の違いによって整肌に良い成分が多いのが米麹、ダイエットに向いている成分が多いのが酒粕です。どちらにしようか迷った時の参考になれば幸いです(砂糖が添加されている製品もありますので、お好みでご確認ください)。

※酒粕にはアルコールが含まれています。お子様やアルコールを控えている方はお気をつけください。

歴史を辿ると面白い違いがある甘酒は身体を温め、胃腸にやさしく栄養も豊富です。
寒さがますます厳しくなるこれからの時期、甘酒をお供に養生いただき、活き活き元気に年末年始をお過ごしください。

2024/12/09

はじめまして、三上洋子です。

8月より水曜日にイスクラ薬局六本店に勤務する事になりました、三上洋子と申します。
調剤薬局にも勤めておりますが、患者さんの様子をみて疑問に思うことがありました。
ずっと便秘の薬を服用されているお子さんがいて、薬をのまないと調子が悪いとのことです。薬を服用することが当たり前になっているようですが、改善薬を飲まなくても大丈夫なように、日々の食事や習慣でできることがあるのでは?と思っておりました。
そんな考えが私の中医学を学ぶきっかけにもなりました。
ここ数年のコロナの影響で免疫力が見直されていますが、日々の生活での養生、セルフケアを続けることが大切だと改めて感じています。
薬膳で季節、体質、体調に合った食べ方の知識を学びましたが、完璧にしなくても少しづつ取り入れる、ちょい足しレシピでも立派な薬膳料理です。旬の野菜料理でも目的にそっていれば食養生になります。
季節に合わせた簡単薬膳レシピなども、これから少しづつご紹介していきたいと思っています。
私はもともと食べる事が大好きで、パンやお菓子を作る事も好きです。材料の中にちょい足し薬膳を忍ばせて罪悪感を減らす工夫をしています。
最近はレーズンや果物、ヨーグルト、米麹などで自家製酵母を育ててパンを焼くことにハマり、消費が追いつかないのに焼てしまうこともしばしば、、、パンの焼ける香りに癒されています。

  

まだまだ勉強不足ですが、少しづつ皆さまのお役にたてるように頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願いします。
お気軽にお声かけしていただけると嬉しいです。

2024/10/23

中医学から養生ー秋ー/加藤百合子

こんにちは 加藤百合子です。

今年の夏はとても暑かったですね。体がだるいなど、夏のつかれが出ていませんか?

9月に入ると、いろいろな野菜や果物が収穫されて、お店の食材も一変しますので、心もわくわくしてきます。

秋の七草、はぎ、なでしこ、すすき、くず、ふじばかま、おみなえし、あさがお(ききょう)は、秋のおくゆかしい野の花として、その美しさで、私たちの目を楽しませてくれます。

このうち、くず(葛)はマメ科の蔓状の植物で、あちこちにのびた蔓に葉がたくさん付き、8月から9月に鮮やかな赤紫色の花を咲かせます。

葉が大きいことも特徴で、秋の日差しが強い時には、葉の白い裏が見え、秋風に吹かれる様を、“葛の裏見”と、古今集にも起用されています。

葛の根の部分は、皮を取り、つぶして濾過することをくりかえし精製して、葛粉にします。葛きり、葛餅、葛湯と、なじみの深い食べ物に変化し、初秋、仲秋、晩秋と長く、愛着を持たれます。

また、葛の根は、生薬名を葛根と言います。性質は涼の分類になり、脾と胃の経に入り、胃の経を主として力を発揮するようです。

胃の機能を奮い起こして、体に水分を潤し、熱のこもった口の渇きを軽減したり、胃腸の弱い方の腸の動きをサポートしたり、発熱や頭痛や筋肉のこわばりなどの体の表面の出来事を発散させて飛ばしてしまう、そんなイメージの作用が言われています。

葛根を成分とした葛根湯のパッケージに“風邪の引きはじめ”なんて、書いてありますね。

江戸時代には、秋に入り夏の疲れで食欲が落ちていると、白がゆをたき、かつおぶしと醤油とくずで作ったくずあんを、白がゆにかけて食べたそうです。

現代の私もお気に入りです。民間の知恵なのでしょうね。

2024/09/06

イスクラ薬局の運営会社情報

運営会社 イスクラ産業株式会社(英文会社名:lSKRA INDUSTRY CO., LTD.)
本社所在地 〒103-0027 東京都中央区日本橋一丁目14番2号
設立年月日 1960年3月1日
事業概要 ロシア・CIS諸国・中国との医薬品、医療機器、化学品の輸出入
中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売