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『周先生に聞いてみよう』 ~更年期(不眠・火照り)~

皆様こんにちは。店長の櫻井です。
今回のブログも周先生 の更年期についてのお話です。
 
お時間のあるときに是非お目を通してみてください。
 
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Q. おはようございます。先生。また更年期についてお話を聞かせてもらえますか?
 
周. おはようございます。更年期のお話はいろんなことが関連してくるので、私もまとめてお話しないといけませんね。
 
 
Q. そうですね。前回お話いただいたように『不定愁訴』は沢山ありますからね。前回の復習も踏まえて、今回は『不眠や火照り』に対する中医学的な考えをお聞かせ願います。
 
周. 判りました。まずは前回のおさらいから。
更年期とは、人の一生のある時期の事。幼少期や思春期が誰にでもあるように、誰にでも更年期は訪れます。そして、この時期に起こる特有の火照り、のぼせ、イライラ、不安、不眠などの様々なトラブルのことを総称して『更年期障害』と言います。この『更年期障害』は、軽い人もいますし、異常な体調不良を訴える人もいます。
更年期というのは、壮年期から老年期に入る入り口です。
 
スムーズに順調にこの時期に入ることができれば、気持ちよく老年期を迎えられます。しかし、ここでバランスを崩してしまうと更年期が終わっても、バランスをくずしたままで老年期に入ってしまう。病気ではないですが、様々な体調不良を感じることになります。これが問題になるんですね。
 
 
 
Q. では更年期の不眠についてお話願います。
 
周. はい。不眠は感情の高ぶりやストレスによるものなど、一時的なものもありますね。嬉しいことがあっても興奮して眠れませんね。では、眠れないとはどういうことでしょうか?中医学的に考えると、からだの中のバランスの問題なんです。陰と陽のバランスがうまくとれないと眠れなくなるんです。そんなときは安定剤や睡眠導入剤を飲めば、眠れるかもしれないけど、それは決して自然の状態ではありません。そういう不自然なものはどこかにしわ寄せがきます。
 
 
 
Q. では、更年期での不眠とその他での不眠とはどのように違いますか?
 
周. 更年期の不眠というのは、中医学的に言うと、陰虚(いんきょ: 潤い不足)により『虚熱(きょねつ)』が起きた状態。『虚熱』とは、バランスの崩れによる相対的な熱過剰状態のこと。本来体には温める作用と、これを押さえ安定させる作用があります。温める作用を火として、抑える作用を水とします。更年期の症状は水不足(陰虚)の問題が根本にあります。水が不足すると相対的に火が多くなる。これが『虚熱』の状態です。これとは逆に、基準値よりも火が過剰になる場合もある、これは『実熱(じつねつ)』と呼び、働き盛りでエネルギーが盛んな方、仕事やプライベートなどでストレスを抱えている方におこりやすい熱です。
 
熱には上にあがる性質があります。自然でも一緒ですよね。燃え上がる炎の熱は特に上に上ります。虚熱による熱の問題も、不眠やイライラやほてり、めまいなど、やっぱり上半身に出やすいんです。五臓で言えば心にあたるところ。ここが熱されると不安になります。そわそわします。中医学では、心には神がいるといいますが、この神は精神の神。感情や情緒などのことを指しています。この神は熱に弱いんです。神に熱せられると、イライラしたり、不安になったり、緊張したり、落ち着かない状態になります。これはお水でたとえるとわかりやすいんです。水に熱を加え沸騰させるとグラグラ煮立って不安定になりますね。こんなときどうしたらいいかというと、水を注ぐんです。挿し水をして、熱をとってあげるとスッと落ち着きます。それでも駄目なら火を弱める。人の体も同じです。潤してあげて、熱を取り去ることでバランスを取り戻すことが大事なんですね。
 
 
 
Q. 不眠は大きく分けると、虚熱によるものと、実熱によるものがあるのですね。
 
周. そうなんです。もし不眠に悩んでいて、その原因がストレスならば、ストレスを緩和する、または排除することが第一条件。さらに漢方薬や生活養生等でストレスから生まれる余分な熱を取ることが大切(この方法を清熱・せいねつといいます)。まずは燃え上がっている火を消さないといけない。このような不眠は外からの影響で熱がうまれ、不眠になる。これは実熱による不眠です。体が実熱の状態の方は、暑がりだったり、汗を沢山かいたり、イライラしたり、じっとしていられなかったり、目が充血したり、冷たいものを欲しがったり、尿の色がこくなったりします。
 
それとは逆に、水が足りない陰虚の状態の不眠が更年期に良く見られる不眠です。虚熱による不眠ですね。これは体の中に問題があり、加齢や消耗による潤い不足から相対的に熱が強くなった状態です。虚熱状態の方は、寝汗が出たり、便秘になったり、目が乾燥したりという乾きの症状を感じることが多いですね。
 
熱の原因が外なのか中なのか。不眠はまずこの見極めが大切ですね。
 
 
 
Q. なるほど。その見分けが肝心なんですね。では『火照り』ついてお話願います。
 
周. はい。人は、恒温動物で、暑さ、寒さでは体温は変わりません。熱があれば汗がでて温度を下げるし、寒ければ鳥肌がたって体温を温存する。人が本来持っている恒常性という機能です。でも体内のバランスが崩
れることによってそのコントロールが出来なくなる。これが中医学が得意とする、「検査で数値には出ないが、何らかのトラブルを抱えている状態」です。
 
頑張りすぎると水分や栄養分を消耗します頑張りすぎる人は脳がオーバーヒートを起こし易い。睡眠や休みをとることで回復しますが、それが出来ないと熱が常に体にこもるようになり、ノボセや乾燥やイライラを招くんですね。
 
『水分が少ないから冷やせない。』
そういう場合は、少し水を加えてあげると落ち着きます。体質によっては火を先に消すことが大切かもしれません。もしかすると水を加えながら、火を消すことを同時にしなくてはいけないかもしれません。中医学は個々の体質の違いから、何がどれくらい必要か、又は不必要化を重視しているので、それぞれの体に合った漢方薬や食材を旨く使うことが大切です。
 
 
私達が生きていくためには体の消耗は止められません。なのでそれをどうして行くか。どう消耗に対処していくかが課題となります。ストレスとか、からだのバランスとか、生活習慣など、消耗を早める原因をまずは探り排除することが大切です。楽しいことをする、規則正しい生活を送る、体にあった食品を摂るなどして極力消耗させないように守ることがまず大事なんです。
更年期は、病気ではなくて、一時的に体が不安定な状態です。若い人でも安定剤を飲み続けないといけないぐらい不眠だったり、どきどきしたり、緊張しすぎたり、生理が不順になったりなどは、体の中のバランスが崩れている状態です。漢方はそういうアンバランスを調整することに長けてるんです。内臓や寒さや暑さ、水分、エネルギーそれらのバランスをとる力が漢方にはあるんです。
 
 
 
Q. 最後にもう一点。良く「健康のために水を毎日2L水を飲みましょう」というのを見かけますが、虚熱の場合は潤いが減っているので、沢山水を飲んだほうがよいでしょうか?
 
周. それはあっていますし、間違っています。水分は体にとってとっても大事なもの。でも誰にどれぐらい必要かはわかりません。一律で2Lだと、少ない場合もあるだろうし、足りないことも出てきます。一番大事なのは、からだの声ですね。喉がかわいたら飲むように心がけましょう。まずは自分自身の感覚を大切にしてください。食べたいとか飲みたいとか、からだはサインを出しているはずです。無理して飲んだりするとむくんだり、胃腸を弱め、体力を逆に落とすことになるので気をつけてくださいね。そしてできるだけ野菜や果物など食べ物からも水分を補うようにしましょう。
 
 
 
 
Q. なるほど。個々の体質の差を考える必要があるんですね。では最後に更年期障害でお悩みの方に一言お願いします。
 
周.はい。更年期障害は病気ではないですが、ご本人とってはつらい症状です。つらい気持ちはお話することで、聞いてもらうで大分楽になります。さらに個々の体にあった対処をすることでその症状は緩和されます。からだの中のバランスを大事にしてください。
 
太陽がつづけば、植物はかれるし、
雨がつづいても腐ってしまう。
人の体も自然界と一緒でバランスが大事なんです。
 
 
Q. すばらしい言葉ですね。先生、本日もありがとうございました!
 
周. 私も楽しかったです。ありがとうございました。
 
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周先生はいつも優しく、難しい中医学のお話をどうにかして判り易く伝えられるように、説明してくれます。たとえ方一つとっても勉強になりました。神と水の話は是非私もお客様に説明時につかわしていただきたいと思いました。
 
 
 
 
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2011/10/14

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