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仝先生 インタビュー

Q. 先生のご専門は耳鼻科と内科とお伺いしております。日本人は花粉症をはじめ、 アレルギー疾患でお悩みの方がとても多いと思うのですが、日本に来られて、その辺りの事はどの様にお考えでしょうか。
A. やはり日本人には花粉症などアレルギー疾患の方が多いように思います。私が来日して非常に強く感じたことは主に二つあります。
ひとつは日本人の食生活が西洋化していること、冷たいものをより好んでとることです。日本人は外食などで洋食を食べ、 季節に関係なく冷たいものを当たり前のように口にしていますね。冷たいものはもちろん体温を下げますので免疫力も低下します。
アレルギー疾患の発症は免疫力の低下とおおいに関係していますのでアレルギーを起こしやすい体質を作ってしまいます。中国では、 真夏でも空港などでは温かい緑茶が売られていて冷蔵庫から出したばかりの冷たい飲み物はあまり売られていません。 みんな温かい飲み物を飲んでいます。
ふたつめは、特に若い人が薄着であることですね。通勤時、駅のホームでミニスカートの女子校生が非常に多いことや、 両親は厚着なのに一緒にいる小さな子供だけ半ズボンで薄着といった光景には驚きました。
Q. なるほど~。そうすると中国の方は体を冷やす物や洋食はあまり食べていないのですね?
A. もちろん、中国でも洋食を食べている人もいますよ。けれど、 中国人は野菜たっぷりのお鍋やしゃぶしゃぶ、中華料理など温かい料理を好みますね。焼肉はあまり好んで食べないかもね。やはり伝統的な食事、 日本だったら和食が健康的な体質を守るのだと思います。
Q. 実際に臨床では、どの様なご相談をよく受けられますか? また何かアドバイスがございましたら是非お願いします。
A. 女性のお客様からは生理不順など婦人科系疾患や冷え、鬱症状など、 男性のお客様からは生活習慣病やがんなどのご相談をよく受けます。もちろん、 私の特に専門としている耳鼻科系の疾患に関してもお受けしております。
どの疾患でも、ポイントは①和食を食べる ②コーヒーは飲み過ぎない。緑茶や養生茶がオススメ。だと思います。
Q. 今、“養生”という言葉が出てきましたが…。先生はよく“養生” に関してもアドバイスをされていますよね。日本のような四季のはっきりした国で、季節の変わり目に体調を崩す方も多いようです。 胃腸の弱い方も多いですし、最近、メタボなど生活習慣病も増加しています。何かオススメの養生法はありますか?
A. 中国には“春夏養陽 秋冬養陰”という言葉があります。文字通り、 “春と夏には陽を養い、秋冬には陰を養いなさい”ということです。つまり、春夏は体を冷やしてはいけないのです。
また、日頃の生活面では、寝る30分前は脂っこいものや甘いものは避け、どうしても空腹なら、 消化しやすい食パンなどの炭水化物をとるように。アルコールも適量(個人差はあります)ならば健康の助けになるでしょう。
Q. 先生のご略歴の中に、“耳鼻喉学術経験継承人”とありますが、これは何ですか?

A. 臨床経験を何十年も積んだベテランの中医師である老中医のもとで、 3年間指導を受け弟子入りすることです。高齢化や海外進出などで老中医が減少し、伝統医学を後世に伝えることが出来なくなることを懸念し、 中国政府が始めた制度です。この老中医の生徒に選ばれる選抜条件は厳しいですよ。
Q. その厳しい条件をクリアし名老中医のもとで学ばれて、 その後は臨床で沢山の患者さんの診察をされていたのですね。スゴイ!!ところで、先生は日本に来られてわずか5年程ですが、 日本語もお上手ですよね。日本語学校に通われたのですか?
A. 学校へ行く時間はなかったので、 日常の人との会話の中で日本語を学びました。ただ、来日したての頃は、日本語の音を上手く使い分けられず、タクシーで “あのビルの前でおろして”と言いたいのに“あのビルの前でころして”と言って運転手さんをびっくりさせてしまったり、 肩こりでご来店されたお客様との相談で、“きんにくの凝りが~”と言ったつもりが“にんにくの凝りが~”になってしまったり(笑)
今も、常に持ち歩いている大切な日本語の日常会話の本を見せていただきました!
Q. 母国中国で、先生のオススメの場所はどこですか?
A. 故郷の河南省鄭(てい)州ですね!河南省は、中国では「医聖」 と呼ばれる張仲景の故郷です。また少林寺拳法や陳式太極拳の発祥地でもあります。小さな子供から大人までみんなやっています。 世界的に有名な“洛陽水席(らくようすいせき)”というたっぷりの野菜や肉を使ったスープ料理が美味しいですよ。
Q. いつか訪れてみたいですね。では日本での生活はいかがですか? 日本食はお好きですか?

A. 日本は、どこに行っても中華料理屋もあるし食事には慣れました。 日本食で一番好きなのは“カレーうどん天ぷらのせ”です。お刺身や納豆はまだ慣れていません。家では、 よく自分で皮から具まで全て手作りで餃子を作ります。冷凍保存で2週間は食べられますよ!
Q. 皮から作る餃子、本格的ですね!!では先生のご趣味はお料理ですか!?
A. いえいえ・・。趣味は、リラックスした状態で、 自宅でテレビや映画を観たり、音楽を聞いたりすることです。たまに書道もします。
Q. 最後に、これから漢方で体質改善したいと考えている皆様にひとことお願いします。
A. 漢方治療は焦らず落ち着いて。 少なくとも3か月~半年服用するのは基本です。またご自分の生活習慣をよく見直した上で漢方薬をお飲みください。
仝先生、インタビューにお答えいただきましてありがとうございました。 

2013/01/01

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