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冬から始める花粉症予防

寒さの厳しい日々が続きますが、花粉の季節はもすぐそこ。中医学には「春病冬治」といって、”冬の間に身体を整え、春の病気を防ぐ”という考え方があります。つらい症状を和らげるためにも、今からしっかり体質を整えて、花粉に負けない身体をつくりましょう。
 
 
26身体の防衛力アップで花粉をガード
目には見えない気の存在
春は多くの人が花粉症に悩まされます。自然界では「風(ふう)」が活発となる季節で、過剰になると邪気「風邪(ふうじゃ)」となって花粉やウィルスなどを運び、体内に侵入させます。
中医学には二千年も前の医学書ですでに「正気存内、邪不可干」という言葉があります。「正気(せいき)」が身体の中に充実していれば、外部の邪気(病気の原因となるもの)の影響は受けないという意味です。正気はすなわち、生命機能の総称であり、身体の抵抗力を表す「気」と言えるでしょう。
また、身体の表面(鼻やのど、皮膚などの粘膜)をバリアのように覆って保護する「気」を「衛益(えき)」といいます。衛益は体表を巡り身体を温め病気の侵入を防いだり、毛穴の開閉をコントロールして発汗を調節する役割を担っています。毛穴は気門とも呼ばれ、邪気に侵入口ともなります。衛益が充実していれば花粉やウィルスなどの侵入を防御できるというわけです。
気の存在は目に見えませんが、病が侵入しないように身体を守り、病気の初期には体内の邪気と戦って撃退したり、病後の体力を回復させたりと、身体を守って元気に保つ大切な役割を担っています。
花粉症は命に関わる病気ではありませんが、頻繁に出るしゃっくりや鼻水、鼻づまり、それに伴う思考力低下など、日常生活の質を大きく低下させる不快なものです。中医学の春病冬治の考えに則り、症状が出る前から体質を整えて、春を迎えたいものですね。
 
 
花粉に備えるカラダづくり
「冬からの予防」
予防のカギは「気」。まず「肺」と「脾胃」を元気に。
「良い医者は未病を治す」。中医学にはこんな言葉があるほど、病気を未然に防ぐことを重視しています。花粉症も、症状を抑えるだけでなく、まず症状がなるべく出ないよう予防することが大切。冬の間に体内に「気(エネルギー)」を充実させ、花粉に負けない身体づくりをめざしましょう。ポイントは、「肺」と「脾胃(ひい・胃腸系)」を元気に保つこと。気は、おもに肺が取り込む酸素や、脾胃が消化吸収する栄養素から生み出されます。また、肺は「衛益(身体の防衛力となる気)」を全身に巡らせる働き、脾胃は体内の水分をスムーズに巡らせる働きをそれぞれ担っています。そのため、肺や脾胃が弱くなると、体の防衛力が低下したり、水分が停滞して鼻炎を招いたりと、花粉症の重い症状を引き起こす原因にもなってしまうのです。日ごろから風邪をひきやすい人、呼吸器系が弱い人、胃もたれや食欲不振といった胃腸の不調を感じている人などは、特に意識して肺と脾胃を整えるよう心がけてください。
 
 
 
kahun3肺の元気が足りない人は
こんな症状に注意!
息切れ、風邪をひきやすい、汗がでやすい、顔色が白い、呼吸器系が弱い、舌の肥大
 
食の養生
○肺に潤いを与え、働きを良くする食材
白きくらげ、ユリ根、はちみつ、豚足、鶏手羽、など。
☆よく使われるのは
衛益顆粒(えいえきかりゅう)、八仙丸(はっせんがん)、双料参茸丸(そうりょうさんじょうがん)など
 
 
kiken_img2脾胃の元気が足りない人は
こんな症状に注意!
倦怠感、胃もたれ、お腹が張る、食欲不振、軟便、顔色が黄色い、手足が冷える、舌のコケが多い。
 
食の養生
○脾胃を養い、元気をつける食材
米、大豆製品(豆腐、湯葉、豆乳など)、イシモチ、インゲン豆、棗、リンゴなど
☆よく使われるのは
健脾散(けんぴさん)、健胃顆粒(けんいかりゅう)、補中丸(ほちゅうがん)など
 
花粉症に効くツボ
手:合谷、魚際
顔:上迎香、迎香
首:風池
 
 
 
kahun2症状が出てしまったら「花粉症の対処法」
同じ花粉症でも、体質や気候などの違いよってその症状は異なります。自分に合った対処法を知り、原因から症状を改善することが大切です。
 
花粉症の共通症状
目のかゆみ・赤み・腫れ、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、鼻のかゆみなど。この他、タイプによって特徴的な症状があります。
 
 
身体が冷えるタイプパンダ冷え症
寒さがまだ残る春先に多いタイプ。身体が冷えやすく、水のような薄い鼻水やくしゃみが多く出ることが特徴です。身体をしっかり温めて、体内から冷えを追い払いましょう。
症状の特徴
寒気、薄く透明な鼻水、くしゃみ、頭痛、舌の苔が白いなど
食の養生
○身体を温め、冷えを追い払う食材
生姜、ネギ、三つ葉、香菜、しなもん、こぶし茶など。
☆よく使われるのは
頂調顆粒(ちょうちょうかりゅう)、小青竜湯(しょうせいりゅうとう)、麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
 
のどの痛みがあるタイプ36肺気虚
暖かくなる春先に多いタイプ。身体の熱感や喉の痛み、粘りのある鼻水などが特徴です。まず身体にこもった熱を冷まし、喉や目の炎症を抑えて症状を和らげましょう。
症状の特徴
発熱、熱感、目の充血、かゆみ、喉の痛み、口の渇き、粘りのある鼻水、舌が紅い、舌の苔が薄黄
食の養生
○身体の熱を冷まし、すっきりさせる食材
菊花茶、すいかずら茶(金銀花茶)、ミントティー、牛蒡、タケノコ、など
☆良く使われるのは
天津感冒片(てんしんかんぼうへん)、鼻淵丸(びえんがん)、麻杏止咳顆粒(まきょうしがいかりゅう)、辛夷清肺湯(しんいせいはいとう)、板藍根(ばんらんこん)など
 
鼻水や痰が多い湿タイプ38花粉症
春の後半の花粉症に多いタイプ。体内に余分な水分が溜まっているため、鼻水の量が多い、痰が出るといった症状が現れます。滞った水分を取り除き、身体をすっきりさせましょう。
症状の特徴
頭重、鼻水の量が多い、痰がでる、むくみ、舌のコケがネバネバする
食の養生
○余分な水分をきれいに出す食材
しそ、ハトムギ、ドクダミ茶、冬瓜、杏仁(杏仁豆腐)など
☆良く使われるのは
勝湿顆粒(しょうしつかりゅう)、瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)、五苓散(ごれいさん)、二陳湯(にちんとう)など
 
 
 
24暮らしのワンポイント
●早起きして腹式呼吸を。朝の陽気を身体いっぱいに吸い込みましょう。●辛い、油っこい、甘いもの、乳製品は控えめに。新鮮な野菜はたっぷりと。●夜のコーヒーやお茶はなるべく控え、質の良い睡眠を。●外出時はマスクやメガネを忘れずに。帰宅後のお風呂はシャンプーから。●洗濯物は室内干しが基本。外出後の衣類は外で花粉を払い落として。●便秘の改善も、つらい症状を和らげるポイントに。
 
 
 
 
 

チャイナビュー No.170『漢方の知恵袋 花粉症の養生』 中医学講師 菅沼 栄監修より

2013/01/18

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中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売