一点気になったところは、上記ウェブ記事、原文の英語の文では、『マッシュルーム』は『茸』という意味で使われているようで、英文の方には、「ある種のキノコ、シイタケ茸もその一つです」と書かれていますので、このブログでは、みなさんご存知の白いマッシュルームではなく、AHCCの原料にもなった、「シイタケ」についてお話したいと思います。
Shiitake Mushrooms / Building Blocks Show
シイタケには冬茹と香信の二つの種類があるそうで、冬茹は寒さが残る春先からゆっくりと成長させられたもので、かさも肉厚でずんぐりとしています。春の終わりから秋にかけて出回るのが香信です。高温多湿の時期に成長するため、生長が早く、かさも薄く大きくなります。一般的に香信よりも冬茹のほうが味が良く、香りも良いとされ、有効成分も多く含まれているようです。
シイタケの栄養と効果
シイタケにはビタミンB群(B1、B2、B3、B5、B6、葉酸)、ビタミンD、炭水化物、ミネラル、食物繊維などたくさんの栄養分やその他、有効成分が含まれています。研究報告がある効能を上げていくと、免疫強化作用、ウィルス抑制作用、アレルギー抑制・調整作用、降圧作用、動脈硬化改善作用、糖尿病改善作用、抗リウマチ作用などが見つかっています。またカロリーは少なく、食物繊維が多いので、便秘の改善やデトックスにもおすすめできますし、ダイエットにも最適です。その中でも冒頭で触れた、抗がん作用に注目が集まっています。
シイタケには、強力な抗ウィルス性物質をつくる働きがあることが見つかっています。その一つが、先に出てきたAHCCの正体で、βグルカンと呼ばれる植物性の多糖類です。これが免疫系に作用し、増強させるという効果が確認されています。要するに、ガンやウィルスを攻撃する兵隊を増強してくれるというイメージです。シイタケから抽出された多糖類のレンチナンという成分からは抗がん剤も造られています。レンチナンにはその他、悪玉コレステロールの排出の促進などの効果もあり、高脂血症対策にもよい効果がありそうです。さらにシイタケには、豊富な食物繊維も含まれているので、大腸ガンの原因となる便秘を改善し、さらにβグルカンなどの成分が免疫を増強し、ガンの発生や増殖を抑制するという、まさにガンに対してはもってこいの食品であることがわかってきています。
シイタケは、生のものより、日光に当てて干した方がその栄養分が濃くなる(ビタミンDが10倍になるという報告あり)という特徴があります。市販のものは、熱風乾燥されていますが、買ってきたら、一度日光に当てると良いでしょう。干したものの方が、カルシウムの吸収や利用を促進する効果が高いとも考えられています。
シイタケには、フィトステリンというコレステロールの沈着を防ぐ成分や、肌や粘膜の再生に不可欠なビタミンB群、血圧を下げる効果や肝臓のコレステロール代謝を促進させるエリタデニンなども含まれ、癌ばかりでなく、生活習慣病の予防などにも効果的です。食物繊維が多く、カロリーも低いので、ダイエットや便秘、肥満防止や美肌対策にもおすすめできます。干しシイタケにすれば多量のビタミンDが骨を強化し、毒素を取り除く手助けもしてくれるので、老化防止にも良いでしょう。
中医学でみるシイタケ
シイタケは平性、または涼性と言われ、気を降ろす効果があるとされ、のぼせやすい方、イライラしやすい方、考えすぎて寝つきが悪いかたなどにおすすめです。その他、夏場の暑気対策にも効果的で余分な熱をとってくれま、胃腸を養い元気をつける効果もあると中医学ではされています。ただ、食物繊維が多いということは、消化はしにくくなるので、胃腸が弱い方や高齢の方、胃腸機能が未発達の小児は多く食べないようにしましょう。
Shiitake mushrooms and red peppers / matsuyuki
シイタケの旬は、春と秋。春は特に栄養価の高いシイタケが手に入る季節です。春は冬に溜まった余分なものを排泄させるのが良い時期なので、シイタケのデトックス効果はまさにうってつけです。良いシイタケは、肉厚でかさの表面につやがあり、裏がしろく、膜がはっています。干したものも肉厚で、表面のいろは薄茶色のものが良品とされています。ガン予防も、生活習慣病予防も、便秘改善も期待できて、お肌にも良くて低カロリーなんて、素晴らしい食品ですよね。是非皆様も、素晴らしい自然の恵みを楽しんでください。