子宮筋腫の第4回は筋腫と腹痛です。
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第2回でお話しましたように筋腫は瘀血内蓄胞宮と表現し、その腫瘤は包塊、又は腫塊と言います。
包塊は大きさ、発生した部位、発生した数によって、体表への影響が異なります。
包塊が小さい場合、体の表面からあまりわかりません。包塊が大きい場合又は多数である場合に腹部の表面に凹凸を
触れるようになります。包塊の特徴は、非常に硬く、大きくなったり小さくなったり活動性があり、表面からの圧迫による
痛みはありません。
西洋医学では、子宮筋層内、子宮の粘膜下、または子宮の外側の漿膜と発生する部位で大きく分類されています。
これらの部位により、子宮筋が筋腫を排除しようとして、または、子宮筋の収縮を邪魔しようとして子宮の収縮が増え、
月経痛が起こると考えられています。

中医学では、これらの月経痛を含めて腹痛と表現します。腹痛は体のいろいろな病因で発生しますが、その中で:
・食事や飲み物ですぐに胃がもたれやすい
・いつもお腹が空かない
・産後に体調が悪く、悪露が残っている
・膀胱炎や膣炎など感染症になりやすい
・生魚や生肉や冷たいものを常に好んで食べる
場合に生じやすいと言われています。

腹痛の感じ方には、腹部が張った感じ、ひどい痛みがあり、伴い押されていやな感じや熱感がある場合もあります。
第2回でお話しました筋腫の病機の共通は瘀血でした。瘀血は、血の流れが悪くなることや流れが悪いために生じる塊の状態で、
それにより“痛”が生じると考えます。瘀血の原因が上記の方の共通は、湿や痰にあると言われています。
痰や湿は、第3回でお話しました余分な水分でしたね。
今月は腹痛がひどいと思われた筋腫を患っていらっしゃる方、上記の病因のどれかにあてはまりますか?