
おそらくあまり大好きな人はいないであろう、梅雨のシーズンがやってまいりましたね。この時期に気をつけていただきたいのは、体内の水はけ。ただ息をしているだけで、水分を取り込んでしまっているので、体内も水浸し状態になりがちです。

中医学では、体にとって必要のない水を「痰」とか「湿」などといいます。これらが慢性的に体に溜まり始めると、重だるい、食欲が出ない、むくみなどといった症状が出てきます。この湿が原因で皮膚疾患が悪化する方は、体内の水はけをよくすることがポイントです。
シリーズ第三回目の今回は、湿と皮膚疾患についてです。

この時期に起こりやすい皮膚疾患として、湿疹があげられます。中医学において湿疹は、体内に溜まっている湿を皮膚から出そうとして出しきれなかったものとされます。とくに、汗腺の多い手のひらや足の裏などに水疱ができる場合は要注意。早めに対処していかないと、毎年梅雨の時期になると繰り返す…ということになりかねません。すでに慢性的な皮膚疾患をお持ちの方も、このシーズンは特に湿に気をつけてコントロールする必要があります。
また、この時期の日本列島は4つの気団のせめぎ合いにより、湿にプラスして暑さと寒さも入り混じります。気圧の変動プラス寒暖差ということです。この事により、自律神経のトラブルも起こりやすいので注意が必要です。
そして当たり前のことですが、人の体は食べたものからしか作られません。体に湿が溜まる最大の要因は食事です。自分で今からできる養生でもありますし、一番身近な毒となる要因でもあります。食材もさることながら、食べ方も重要です。下記、まとめましたので、ご参考ください。
【湿を溜めやすい食材】
乳製品(チーズ、生クリーム、ヨーグルトなど)・小麦加工食品(特に菓子パンやケーキ、パスタなどの麺類やたこ焼きのような粉物系など)・砂糖・脂っこいもの・アルコール・冷たい食べもの(常温のものや、生のものも含みます)

【湿を取り除くおすすめ食材】
・ハトムギ茶
→湿を取り除くだけでなく、肌代謝も上げてくれるので、皮膚トラブルには重宝します。
温めも冷やしもしないので、どんな湿のパターンにも対応できます。
・赤小豆
→特に妊娠中のむくみによいとされています。砂糖と煮込むと利湿の働きが弱くなるので、そのままスープなどに入れて煮込んで召し上がるのがおすすめです。
・蓮の葉
→蓮の花は泥水の中でとても美しい花を咲かせます。清濁から清を分別することから、腎泌尿器系疾患にも応用されてきました。熱を冷ます働きがあるので、梅雨の後半、夏に向けて気温が上がってくる時期や、湿+熱の症状がある方に◎

【食べ方】
基本的に、体温より高い状態で摂取することをおすすめします。
体内に熱がこもっている場合でも、寒性や涼性の食材を選び、体温より高い状態で摂取することで、食材の持つ作用をしっかり吸収できますよ。すべての食物に火を通さなくても、トータルの温度が温寄りであればOK。たとえば、お刺身を食べるときは必ず、温かいお味噌汁やお茶とセットにするなどです。
皮膚に疾患がない方でも、季節の養生になりますので、ぜひご参考ください。
梅雨の季節もどうぞ健やかにお過ごしくださいね。
