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胃腸疾患のスペシャリスト韓先生に梅雨の養生をインタビュー(前編)

こんにちは!中神(ぴーてん)です( ´ ▽ ` )ノ

今回はメルマガ購読者限定の胃腸疾患専門、韓(カン)先生に 梅雨の養生について、インタビューをしましたよ!

韓(カン)先生って?と思う方に、まずは簡単なプロフィールから↓




韓(カン)先生プロフィール


遼寧中医学院(現遼寧中医薬大学)卒業
日本順天堂大学 大学院卒業
順天堂大学大学院で薬剤耐性黄色ブドウ球菌の耐性メカニズムの研究に従事、医学博士号を取得
2015年から日本中医薬研究会 専任講師として活躍







 

それでは韓(カン)先生の梅雨の養生に対するインタビューをどうぞ( ´ ▽ ` )ノ


【質問1】日本の梅雨に増える症状を教えてください!


韓)むくみ、倦怠感、頭が重い、頭痛、めまい、食欲がない、胃もたれ、軟便気味、下利しやすい、便がネバネバ、便座の壁にくっ付いてなかなか流せない、関節にこわばり感があり、痛くなることもある、気持ちが落ち込みやすい、ぐっすり眠れない、一杯寝ても疲れが取れない、湿疹が発症、皮膚がかゆい、水虫などなど

中)そうですよね。梅雨に入る数日前から、上記のような症状が一気に増えます。やはり湿の影響ですね。

【質問2】なぜ梅雨になると上記のような症状の方が増えるのですか?


韓)梅雨の語源は大きく言うと3つがあります。一つ目はこの時期はちょうど梅が熟す時期です。2つ目は湿度が高いので黴菌(特にカビ)が多くなり、「黴雨」の意味もあります。3つ目は降る雨量は普通の2倍になるので「倍雨」の意味もあります。

中)黴(かび)ですか!初耳です。確かに古い書物には梅毒(ばいどく)→黴毒(ばいどく)と書いてますね。黴(かび)が梅(うめ)に転じて「梅雨」になる。なるほど。非常に好奇心が刺激されるお話です!

韓)また、梅雨は温度、湿度、気圧などが大きく変化します。すると、普段季節の変わり目で体調を崩しやすい人は変化に応じて対応できなくなり、関連する様々な症状が出てきます。特に今年の降水量の予測は、以前の3倍になるそうです。去年の冬は暖冬だったので、今年の気温は猛烈だそうです。

中)今年は3倍!!!!そうなんですか(´・ω・)そして気温も猛烈とは…大変なことになりそうですね(´;ω;`)

韓)そうですね。体調不良を訴える患者様も増えるでしょうね。温度が高くなると汗をかくことで体温調整しますが、湿度が高くなると汗がすっきりかけないので、むしむし気持ち悪いままです。さらに暑いので常温の水や冷水を飲みたくなりますが、体内に水が溜まってるので、一杯飲んだら処理しきれなく胃腸の負担になります。

中)胃腸の負担になる…なんか嫌な予感しかしないです(´;ω;`)

韓)まさにその通りです。この時期は気圧も低くなります。そうなると、体が膨らむような違和感が出てきて、めまい、頭痛などの症状が発生するわけです。一言で言うと、自律神経の調整機能が乱れています。中医学では胃腸の消化吸収機能は「脾(ひ)」と言い表します。そして、脾は「悪湿喜燥」(湿気が高い状態を嫌い、乾燥の状態を好む)という性質があります。自分の調整機能が低下+高湿度の影響で、まず胃腸の調子が悪くなり食欲がなく、食べられない。そして吐き気がしたり無理やり食べて胃がもたれて消化吸収できない。しばらくしたら、軟便や便が便座にくっついてなかなか流せない、苔はネバネバで舌の側面に歯形が目立つ(歯痕舌)などなど。それに加えて連日曇り、気持ちが落ち込んで、体の辛さは倍以上に感じるようになってしまいます。高温高湿の状態でばい菌は繁殖しやすくなるので、食中毒の危険も高くなるので、もっと胃腸にダメージを与えていますね。真菌なども活発になるので、水足などにもなりやすいし、名前の通りで湿疹も発症しやすくなりますね。

中)先生の説明が完璧すぎて…スゴイ(´;ω;`)上記の話をまとめると

☑気圧低下の為、体が膨らむような違和感が発生する。そしてめまい、頭痛につながる。
☑上記の現象を一言でいうと「自律神経の調節機能の乱れ」である。
☑中医学では胃腸の消化吸収機能を脾(ひ)と言い表す。
☑脾の性質は悪湿喜燥(あくしつきそう)であり、これは湿気が高い状態を嫌い、乾燥状態を好むということ。
☑調節機能(自律神経の)+高湿度の影響で胃腸(脾)の調子が悪くなる
☑胃腸(脾)の調子が悪くなると「食欲低下または食べられない、吐き気」などが発生。そして吐き気や胃がもたれて消化吸収できなくなる。
☑胃腸(脾)の不調が長期化すれば軟便、便が便器に付着する、舌の苔がネバネバする。舌の側面に歯形が目立つ(歯痕舌)
☑連日の曇り空の影響で気持ちが落ち込み、体の辛さは倍以上に感じる
☑高温多湿の状態で黴菌が繁殖しやすく、食中毒のリスクも高くなる。食中毒に罹患すれば胃腸(脾)にダメージを与える。
☑真菌も活発になり、水虫にもなりやすい。そして湿疹も発症しやすくなる。


ですね。箇条書きにするとこのような文章になります。胃腸と湿気の関係がしっかりとまとめられてるお話です。

【質問3】梅雨に調子が悪くなりやすい方の私生活の特徴はありますか?


韓)日本は海に囲まれており、比較的に湿度が高い環境の国です。そのような環境からの梅雨の湿気は非常に怖い。また、食事の習慣は調味料の長ネギ、生姜、にんにくの使う頻度は割と少ないですね。これらの食材は辛温解表薬にも分類されるものですので、使用頻度が少ないということは体を温めて湿も取り除く力も少ないでしょう。さらに、レストランに行くと年中お冷を出され、乾杯する時はいつも「とりあえず生一つ」でキンキン冷やされているビールで乾杯し、生もの(刺身など)を過食する。これらの文化は胃腸の機能を少しずつ傷付けます。電車、デパート、レストランでは、冷房をガンガン効かせて、体を冷やしすぎる事もすごく気になリます。既に体は一生懸命、梅雨の高湿度、高気温、低気圧に適応しようと頑張っているのに、電車内で震えるぐらい寒く、電車を降りた直後、ホームに立った瞬間に汗びっしょりになります。一、二回ぐらいは耐えられますが、三回以上も繰り返すと体に無理が生じてきます。

中)日本は何故か胃腸を悪くする文化が揃ってますよね(´;ω;`)周囲の人を気にしすぎる日本だから形成された文化なのかなと思います。

韓)飲食の衛生に気をつけて、料理を作る

【質問4】梅雨の養生法は?


時に一回食べ切れる分だけを作って残さないようにする。暴飲暴食をしないようにして、アイス、ビールなど冷たいもの、油っこいもの、消化しにくいものを避けましょう。辛い、刺激性がある食べ物もさけましょう。消化しやすいものを積極的に取りましょう。ハトムギ茶、きのこなど水をスムーズに体から外に出せるものも取りましょう。曇り空で気が滅入らないようにカラオケをしたり、運動をしたりして、常に気分転換、ストレス発散に努めましょう。そして体がだるいから全く動かないのではなく、適当に体を動かすのはすごく大事です。特に晴れる日であれば、十分に太陽のエネルギーを活用して、布団などを干すと共に体も十分にリラックスさせましょう。

中)古典的な中医学の養生に現代の生活を当てはめたような養生の仕方ですね!先生の視点はすっごく勉強になります。特に料理を1回で食べきれる分だけ…というのは細菌が繁殖した食物を摂取することで胃腸(脾)が傷つくということですね。まさに先生の経歴ならではの深い視点ですね。感動です!!

 

胃腸疾患のスペシャリスト韓先生に梅雨の養生をインタビュー(後編)につづく…

2020/06/22

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