師走になり、私は1年があっという間に過ぎた感じがしています。
みなさまは、どんな1年でしたでしょうか。
今回は中医学から離れ、お魚のお話です。
12月の魚といえば、鰤(ブリ)ではないでしょうか。ブリはアジ科、稚魚から4~5年で80cm以上の大きい魚に成長する冬に美味な魚です。面白いのは成長サイズと地域で、名前が変わること。

・関東では
ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
・関西では
ツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
という具合に。出生魚と言いますね。
武将が元服で名前を変えた事に似て、出世昇進のお祝いに、新年に、東はサケを贈答し、西はブリを正月料理に用いてきました。我が家のおせち料理もブリをお刺身や焼き魚で食べる習慣があります。寒ブリは特に良好な蛋白でおいしいです。祖母は年末にぶり1本を逆さにつり、お正月の間に必要なだけ切って料理していたようです。戦前は相模湾近くで捕れ、現代は日本海側ですが、日本にしかいない魚だそうです。

最後に魚のユニークな小話をご紹介。
本当はしていないご主人の網打ちを奥様に伝えるため、使用人の権之助さんは魚屋で購入し網打ち魚を説明します。“始めに東京湾から行進してきたのがニシンとスケソウダラ、次は、はぐれないようにわら通しで泳いできた団体の目刺し、次はタコがガタガタ震えていたから風呂に入れたら真っ赤になり、最後に来た蒲鉾は泳げなくて板につかまっていました!” 何とも(笑)。

コロナに負けず、良いお年をお迎え下さいませ。