今回は基本に戻って、黄帝内経で考える夏の過ごし方をご紹介したいと思います。

サーカディンリズム(概日リズム)という言葉を聞いたことがあるでしょうか。私達人間は、ともすると自分たちも自然界に生きる「いち動物」であることを忘れてしまいがちです。光を必要とする生物たちにはこの体内時計のようなものがもともと備わっています。
黄帝内経はこのサーカディアンリズムを基準にしながら季節の移ろいとともに変わっていく、気候や環境に対応していけるよう、養生法が考えられているように思います。
太陽が沈むのと共に寝て、昇るのとともに起きる。すると夏は一年の中でも昼の長さが長いので「遅寝早起き」となりますが、日が沈む時間は遅くても20時を過ぎることはありませんので、充分睡眠時間は確保できます。夏は日が昇るのも早いので、早く寝ることより、どんなに遅く寝ても朝7には起きると起きる時間を決めていただいたほうが、リズムは作りやすいです。

そして、夏は自然界では陽気が一番強くなるタイミングです。体内の陽気も同じなので、きちんと汗をかいて発散していく必要があります。特に体内で陽気が多い場所は、心や肺です。心は夏に弱りやすい臓器です。陽気が発散できないと胸に熱がこもり、秋に肺を剋し、空咳の原因となります。
また、心の陽気が発散できないことで、冷たいものを欲するようになり、取り過ぎて胃腸を剋すると、必要な水分の吸収ができなくなり、夏バテの要因になったり、これもまた、秋の肺が弱りやすい状況を助長させます(肺は乾燥を嫌うため)。
酸味のものや、苦味のあるものを上手に取り入れながら一日のリズムを大切に、暑い夏も元気にお過ごし下さい。
★おすすめの食材★
ゴーヤ(苦瓜)、梅干し、苦茶、酢の物、赤小豆、緑豆
夏バテ対策料理は「参鶏湯(サムゲタン)」気と津液をしっかり補ってくれます。
