今回の中医学コスメレポートは、紫根リップです。
紫根とは
紫根は、ムラサキ科ムラサキという多年草の植物の根です。
ムラサキは万葉集にも詠まれ、紫根の成分は古くから染料や薬の原料として使われてきました。
十数年前には、テレビ番組でシミが消えるとして取り上げられ、一時期ブームとなりましたので、ご存知の方もいらっしゃるのでは?

漢方好きの方であれば、紫根が名前の元となった「紫雲膏(しうんこう)」を常備しているという方も多いかもしれません。
「紫雲膏」は、江戸時代の名医である華岡青洲が、中国・明代の「潤肌膏」を改良して考案した漢方の代表的な外用薬です。紫根と当帰に、ごま油、蜜蝋(ミツロウ)、豚油を含み、ひび、あかぎれ、しもやけ、魚の目、あせも、ただれ、外傷、火傷、痔核のよる疼痛、肛門裂傷、湿疹・皮膚炎など、幅広く使用でき、家庭の常備薬として備えておきたい薬の一つです。
中薬学の教科書にも、紫根は『熬膏(煮た油)を外敷(塗る)すると湿瘡(湿疹)潰瘍に有効である』と記載されています。
性味:甘・鹹,寒
帰経:心・肝
効能:涼血活血・解毒透疹、利小便滑腸
紫根より抽出される主要成分「シコニン」には、抗炎症作用・抗アレルギー作用、創傷治癒促進作用、抗菌作用などがあるとされています。
リップや化粧品には、シコンエキス(またはムラサキ根エキス)として成分表記され、イスクラの瑞花露シリーズ(ソープ、ローション、クリーム)にも配合されています。

私が使用してみた感想…
紫根リップの素晴らしいところは、ほんのり自然に色づくのに、しっかり唇ケアをしてくれるところです。
薬用のものも含め様々なリップを使用してきましたが、唇が乾燥したり荒れている時には、紫根リップに戻ってきます。
また、口紅、リップティントやグロスが使えない程唇の状態が良くない時でも、血色良く見せたいですよね。そんな時にも、紫根リップが活躍します。特に紫根の配合量が多いものは、よりきれいな紅色に発色してくれます。
紫根リップは、ドラッグストアやコスメショップの店頭ではあまり販売されておらず、基本ネット販売のものがほとんどのようです。
手作りコスメが好きな方は、YouTubeやネットで作り方を参考にしながら、作ってみるのも良いですね。