こんにちは 加藤百合子です。
今年の夏はとても暑かったですね。体がだるいなど、夏のつかれが出ていませんか?
9月に入ると、いろいろな野菜や果物が収穫されて、お店の食材も一変しますので、心もわくわくしてきます。
秋の七草、はぎ、なでしこ、すすき、くず、ふじばかま、おみなえし、あさがお(ききょう)は、秋のおくゆかしい野の花として、その美しさで、私たちの目を楽しませてくれます。
このうち、くず(葛)はマメ科の蔓状の植物で、あちこちにのびた蔓に葉がたくさん付き、8月から9月に鮮やかな赤紫色の花を咲かせます。
葉が大きいことも特徴で、秋の日差しが強い時には、葉の白い裏が見え、秋風に吹かれる様を、“葛の裏見”と、古今集にも起用されています。
葛の根の部分は、皮を取り、つぶして濾過することをくりかえし精製して、葛粉にします。葛きり、葛餅、葛湯と、なじみの深い食べ物に変化し、初秋、仲秋、晩秋と長く、愛着を持たれます。
また、葛の根は、生薬名を葛根と言います。性質は涼の分類になり、脾と胃の経に入り、胃の経を主として力を発揮するようです。
胃の機能を奮い起こして、体に水分を潤し、熱のこもった口の渇きを軽減したり、胃腸の弱い方の腸の動きをサポートしたり、発熱や頭痛や筋肉のこわばりなどの体の表面の出来事を発散させて飛ばしてしまう、そんなイメージの作用が言われています。
葛根を成分とした葛根湯のパッケージに“風邪の引きはじめ”なんて、書いてありますね。
江戸時代には、秋に入り夏の疲れで食欲が落ちていると、白がゆをたき、かつおぶしと醤油とくずで作ったくずあんを、白がゆにかけて食べたそうです。
現代の私もお気に入りです。民間の知恵なのでしょうね。
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中医学から養生ー秋ー/加藤百合子
2024/09/06