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暑い日の食と養生法

こんにちは。六本木店店長櫻井です。 最近、どうもやる気が出ずブログの更新が滞っております。「あ!これが世間に言われる五月病なのか!?」と思い漢方をせっせと飲んでおります。でも五月病って、新入社員や新学生や、転職や移動など新しい環境に適応できないための適応障害っていうのが定義なので、まったく移動も転職も何もしていない私は、ただの怠け病なのか。。。いやいや、きっと何かあるはずです。漢方を飲みます。
気象庁の発表では、今年はエルニーニョ現象が起こり、冷夏の可能性が高くなっているようですが、もうムシムシと暑い日が出てきますね。暑さにめっぽう強い方もおり、寒いより全然暑い方が良いという意見もありますが、私を含め、たいていの方は暑いの苦手ですよね。過ぎる暑さは、中医学では『暑邪(しょじゃ)』といって、高熱や大量発汗、口渇など激しい熱症状による悪影響を及ぼす自然変化として注意を促しています。

Summer Fun
Summer Fun / gfpeck



夏は暑邪に注意!


湿邪のブログでもお話したように、自然界には風邪(ふうじゃ)・暑邪(しょじゃ)・湿邪(しつじゃ)・燥邪(そうじゃ)・寒邪(かんじゃ)・熱邪(ねつじゃ)という六淫邪気(ろくいんじゃき)という6つの病気の原因になりうる環境変化があります。この邪気が口や鼻、そして毛穴などから体内に入り込むことで体内のバランスを崩し、様々な症状を発生させます。
暑邪とは、熱の邪気です。気温の上昇に伴い身体も熱されて体温が上がります。中医学的にいえば、「陽気を高める」と言います。陽気は、気分を高揚させ、熱を生み、身体を一種の興奮状態に持っていくエネルギーなので、活動時には必要ですが、これがずっと昂ったまま、もしくは必要以上に昂ってしまうと、顔の赤みやほてり、喉の渇き、多汗など不快な症状となって現れます。さらにこの熱を逃がそうと汗をかき過ぎると、その汗とともに潤いとエネルギーが奪われ、不眠、寝汗、だるさ、疲れ、吐き気、動悸、いらいら、怒りっぽくなるなどの症状も見られるようになってきます。
 

Remember summer
Remember summer / pouchin


夏の邪気対策


暑邪の襲撃をかわして夏を乗り切るためには、日ごろの養生が大切です。夏は身体の余分な熱を奪う食材たちが旬を迎えるので、トマト、ニガウリ、胡瓜、ナス、トウモロコシ、スイカなどを食べましょう。また暑いからと言って冷たいものを沢山摂ることは避けましょう。冷えた内臓を温めるために熱が発生するので、実は逆効果です。さらに冷たいものは胃腸機能を低下させ、エネルギーを生み出す力を低下させるので、夏バテの原因になります。詳しくは『湿気の多い日の養生法』をご参照ください。
また、暑い夏はどうしても冷たいものを摂りがち。現代ではクーラーがどこ行ってもかかっており、さらに自販機、コンビニなど冷たいものがどこでも手に入る環境にもあるため、暑邪のほか、寒邪にも気をつけなくてはいけません。夏場は普段よりも冷たいものを避けるようにしましょう。

Summer breeeeeeeeeeze.
Summer breeeeeeeeeeze. / skyseeker


殺菌作用のあるものを


夏場はいろんなものが腐りやすい季節です。殺菌作用や胃腸機能を改善する作用のあるミョウガ、ねぎ、わさび、にんにく、生姜、山椒、シソなども積極的に摂りましょう。これらは気を巡らせる作用もあるので、イライラや食欲低下時にもおすすめです。

100_1172
100_1172 / misawakatsutoshi


酸味を摂りましょう。


酸っぱいものを取るのも効果的です。酸味には収斂作用といって、汗のかきすぎをおさえる力があります。必要な潤いを汗で流してしまわないためにも酸味を適量摂りましょう。また酸味には食欲増進の作用もありるので、酢の物、梅干し、ラッキョウなどを適量摂りましょう。
また酸味は甘味と合わさると潤いを生むので(『酸甘化陰(さんかんかいん)』といいます)、是非一緒に食べてみ下さい。酸味と甘味は例えば、梅干しとご飯などです。夏場の朝、お粥に梅干しはミネラルとエネルギーと水分を同時補え、さらに胃腸に優しい最適の朝食といえます。
 

Umeboshi 梅干し
Umeboshi 梅干し / geraldford


冷たいものをひかえましょう。


夏場はどうしても冷たいものを摂りがちです。しかし、胃腸は冷たいものに弱く、さらに水分に弱いので、摂りすぎていると、胃腸機能を低下させ、だるさや気力の低下、食欲の低下、軟便・下痢など夏場バテの原因となります。美味しいですが、冷たいビール、かき氷、アイスクリーム、サラダ、お刺身は控えめに。詳しくは『湿気の高い日の養生法』をご覧ください。
 

かき氷
かき氷 / emrank


 

水分補給はこまめに、早めに


喉が乾いた状態はもうすでに細胞は脱水状態にあります。平常時ならそれからの水分補給でも良いですが、暑く、汗を大量にかく夏場はそれでは遅すぎます。夏場の給水は「こまめ、早め」を忘れずに。その際は、出来るだけ常温で、砂糖入りや炭酸飲料ではなく、お茶やミネラル入りのお水を飲みましょう。
緑茶には、水分補給の他、余分な熱をとり去ってくれる効果もあり、おすすめです。また、夏の果物(野菜?)の代表ともいえるスイカは、余分な熱を奪い潤いを補ってくれるので是非とも摂っておきたいですね。スイカに塩をかけるのは、甘味が増すだけでなく、発汗によって失われたミネラルの補給にもなります。また、塩味の「鹹味(かんみ)」は体内の水分調節をしている「腎」へと導く作用があるので、潤いを補給してくれるスイカに少量の塩は、中医学的にみてもとても理に適っています。


mornig green tea
mornig green tea / Kanko*


西瓜
西瓜 / y_katsuuu


中医学的養生法


夏場の3か月を中医学では、草木が成長して茂り、陽気が最高潮に達する時期で、人のエネルギーも大気に放出することが大切と考えます。この時期は早寝早起きが重要で、日中は運動して1日1回は陽気を発散させるために汗をかくように心がけることが大切と言われています。 しかし、真夏の昼間に運動をすることは避けたほうが良いでしょう。できれば午前中、もしくは太陽が沈んでからにしましょう。
夏は気が盛んに発生し、汗が出て毛穴が開きます。そうするとそこから外邪が体内に侵入してきます。夏は四季の中でも一番養生に気を遣わなくてはいけない季節です。夏は暑さが体の中にこもってしまわないように注意が必要です。暑さがこもるのは、毛穴を閉じさせるようなことをすること。汗をかかないことなどです。そのためには、冷水をつかうのを避けましょう。顔を洗ったり、水風呂に入ったり、冷たいものを飲んだりするのを避け、温かいものを口にして、適度に汗をかきましょう。
 

Sunrise jogger
Sunrise jogger / Cirrus Sky


 

夏の暑さ、あなたは?


夏の暑さに弱い方とそうでない方がいます。これは体内に熱と潤いがどれだけあるかの違いといえます。もし普段から火照りがちで、汗をかきやすく、口や喉の乾きが強かったり、不眠、いらいら、寝汗などを感じている方は、夏の暑さも堪えることでしょう。反対に肌が白く、ぽっちゃりしていたり、冷えが強い方には、夏の暑さは心地よくはなくとも冬の寒さよりはましと感じられるでしょう。


中医学では、冬に悪化する病気や冬の慢性病は、夏にしっかり養生することによって回復しやすいと考えられています。これを「冬病夏治(とうびょうかち)」といいます。冬は冷えにともない乾燥でも体調を崩すので、乾燥に弱い呼吸器系の疾患である慢性気管支炎や喘息は夏に対処することが良いでしょう。冷えがつらいかたも、必然的に陽気が高くなる夏は養生や漢方の効果が出やすいです。     


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Bubbles_00013 / ajari


 
暑邪のピークは夏真っ盛りの7・8・9月ですが、これからくる梅雨も湿度が高くなり汗をかきづらいので、体に熱がこもりやすくなります。適度な運動と、余分な熱や湿を排出してくれる夏野菜を適度に摂って対策しましょう。
夏は秋や冬を健康に乗り切るための養生の場と考え、冷たいものを控えて、野菜をしっかり食べて、早寝早起きを心がけ、身体を作っておきましょう。汗も適度にかくのも大切ですよ。冬に体調が悪くなる方は、夏こそ改善する機会です。「未病先防」をお忘れなく。

2014/05/28

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中成薬(中国漢方製剤)、健康食品、スキンケア製品の製造、販売