先日6月4日、5日と二日間にわたり不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター養成講座に参加し学んでまいりました。

不妊治療に携わっている医師、看護師、培養士、臨床心理士、薬剤師、鍼灸師などこれまで最多の720名が全国より参集し会場は満席、熱気で溢れていました。
二日間で9講座ありましたが
とりわけ印象に残ったのは遺伝カウンセリングの先生のお話で
PGD(着床前診断)とPGS(着床前スクーリング)について。
「着床前」ということは、移植前の胚の一部を採取しその染色体を検査し染色体に異常がある胚は移植しない。
PGDはご夫婦どちらかに染色体異常または遺伝子疾患がありそれが原因で流産を繰り返す場合に行うものでこれによって反復流産というつらい経験をさけることができます。
PGSは日本においてはまだ臨床応用が認められていませんが、卵子の老化による染色体異常が移植前に判明するならば流産率を下げることはできるでしょう。
これらの方法が確立し安全性が確認されるのであれば、染色体異常による流産は避けられるようになります。
すばらしい手段とはいえまだまだ多くの課題や問題点があるようです。
ほかに不妊治療を行っている医師から、排卵誘発剤の種類、量を微調整しながら一般不妊治療でも高い妊娠率が得られているという治療報告がありました。
国内外においてART(生殖補助医療技術)を優先する風潮の中で、一般不妊治療のタイミング法や人工授精の有用性を見直して患者さんに負担の少ない治療を施すことが大事であると仰ってました。
私も薬局で子宝相談を受ける際、病院で「あなたにはもう時間がないのだから早めに体外受精に進んだ方がいい」と言われたという話をよく聞きます。
ARTでのホルモン剤投与、採卵、移植は身体的精神的に負担は大きいと思います。
このドクターのように患者さんの状態を見極めて治療を選択してくれるとありがたいですね。
今回の講座でも不妊を取り巻く状況について最新の情報を得ることができました。
これらのことを皆さんに適切にお伝えしていきたいと思います。