
クリスマスはイエス・キリストの誕生日ですね。(本当の誕生日がいつかというのは諸説ありますが)
キリストの誕生を祝って、天文学者(占星術師ともいわれたりします)であったとされる、東方の三賢人が贈ったものが、『金・乳香・没薬』といわれています。
金 ・・・ 王権の象徴
乳香 ・・・ 神性の象徴
没薬 ・・・ 将来の受難である死の象徴
なぜ、乳香と没薬が当時金と同等かそれ以上の価値があったのでしょうか。。
その背景にはゾロアスター教(拝火教)の存在があったと考えられます。光明神を最高神とし、その象徴である火を崇拝します。その火にくべたときに芳しい香りを発するものは、神への聖なる捧げものとして大変貴重だったのです。
火は中医学では心が属するものであり、心は大脳も指します。そして、そこから「神」が宿る場所として非常に重要だと考えられています。ゾロアスター教は様々な宗教に影響を与えていると言われていますが、中国の陰陽五行思想にも少なからず影響を与えていそうですね。
さて、乳香と没薬ですが精油ではそれぞれ、乳香=フランキンセンス、没薬=ミルラ になります。どちらも樹脂ですが、いまだに瞑想や特別な宗教儀式のときに焚かれるだけあって奥深く、心静まる香りです。聖なる夜に、聖なる香りに包まれて過ごしてみるのも良いかもしれません。
乳香(にゅうこう)
性味:辛・苦、温性 / 帰経:心・肝・脾
活血止痛、消腫生肌、伸筋活絡
没薬(もつやく)
性味:苦・辛、平性 / 帰経:肝
散瘀止痛、消腫生肌