3月末~4/3頃までのことを、日本の七十二候では「雷乃声を発す」といいます。
春に鳴る雷を「春雷」とよびますが、特に初めて鳴る春雷を「初雷」、あるいは冬ごもりの虫を起こす「虫出しの雷」とも言います。

春から夏にかけては、稲が実る時期です。昔から、この間に雷がよく鳴る年は豊作だとされており(放
電した水は肥料となる窒素を多く含むため、よく育つのだということです)、そこから稲妻とよばれるようになったそうです。
中国の易経では、雷は「震」という掛に属するものです。他に動物では「龍」、臓器では「肝」も「震」に属します。

春は肝が弱る季節ですが、中医学の世界でも、春先、肝の陽気のコントロールができなってしまっている状態は雷に例えられます。肝は自律神経と関係が深いため、ストレスから所構わず雷を落としてしまいそうなときは、特に今は春だからだと、春のせいにしてください。

発散の季節でもあるので、そのエネルギーを、何か他のことで放電できたらよいですね。
また、更年期の症状は「肝腎陰虚」という証が立つことが多いのですが、これは水を司る腎の陰が不足して肝の陽気が暴走してしまう状態です。

龍は池の中でおとなしくしていればよいのですが池の水が干上がってしまうと姿を表し、暴れ始めるのだ、と例えられることもあります。龍の暴走と雷が両方起こったら、大変な事態ですが、雨が降ってくれれば、また池に水が満ち、龍はおとなしくなることでしょう。循環です。心にも体にも適度な潤いが大切ですね。

春は、のんびりゆったり、放電が必要なら、小出しにして上手にバランスをとってみてください。