梅雨~夏にかけては匂いがこもるため、普段よりもいろいろなものの匂いを感じやすくなりますね。
この時期によく使われる漢方薬の一つに、勝湿顆粒というものがあります。もともとの方剤名は藿香正気散(かっこうしょうきさん)に使われている藿香(かっこう)は、精油ではパチュリというもので、香水のベースノートによく使われます。他の香りの保留剤にもなるので、最後まで香ってることが多いです。
古代中国でも、人々は香を焚き、香水のように自身に香りづけしておりました。今回は、生薬としても使われるものの中で、どんなもので香り付けしていたかをご紹介したいと思います。
【沈香】
ジンチョウゲ科の常緑高木。温性で芳香辛散薬。
行気止痛、温中止嘔、温腎納気、降逆平喘。

=========================================================
【丁香】
丁子、クローブです。ヨーロッパでも魔除けに使われます。温性。
温中降逆、下気止痛、温腎助陽。

=========================================================
【麝香】
ムスクです。温性。開竅薬の一つ。
開竅醒神、通経達絡、活血消腫・止痛。

=========================================================
【藿香】
精油ではパチュリ。
胃腸の余分な湿を取り除く生薬として、梅雨時期によく使われます。芳香化湿薬。

=========================================================
【乳香】
精油ではフランキンセンスです。温性。
活血止血、消腫生肌、伸筋活絡。

=========================================================
【安息香】
精油ではベンゾインというもので、甘くバニラのような香りが特徴的です。温性。
闢穢開竅、行気活血。

=========================================================
【蘇合香】
精油ではスチラックスです。温性。
開竅醒神、豁痰闢穢、温通止痛。
