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おぼんとお刺身とつま ~優れた日本食の知恵~

今日はお盆ですね。ここ六本木はいつもより人通りが少なく感じられます。お盆に六本木には余りいかないですよね。Uターンラッシュもそろそろピークを迎えるころでしょうか。お盆に実家に帰るのはとっても大変ですが、やはり実家は良いものですよね。懐かしい友人や親せき、家族が集まっての食事は楽しいものです。今日はそんなみんなが集まった時の定番、お刺身のお話をしたいと思います。
 


 
今日は「お刺身の日」だそうです。
「1448(文安5)年、刺身が初めて文書に登場した。室町時代後期の書記官・中原康冨の文安5年のこの日の日記に鯛なら鯛とわかるやうにその魚のひれを刺しておくので刺し身、つまり「さしみなます」の名の起りとあり、これが初めて文書に登場する刺身に関する記録とされている。」そうです。下してしまったら何かわからないのでひれを刺しておくから『刺身』ですか。まぁ、私なんかはひれを刺されたところで結局何の魚かわかる気はしませんが、とにかくそういうことらしいです。
 
余談ですが、お刺身は別名、「お造り」とも言いますね。この「お造り」の「お」は女房言葉と言って、元々は、室町時代のころから宮中に使える女性たちが丁寧な言葉にするために使った言葉が原点だそうです。その他にも、お惣菜の数をそろえるというところからきた「おかず」、「おにぎり」や「おいしい」の「お」もそうなんだそうです。
 
お刺身と言えば、細く切った大根、わさび、菊の花、そして紫蘇などのつまと一緒に盛られているのが定番ですよね。


画像:wikipedia


 
その「つま」ですが、ただの飾りと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、もともとちゃんと意味があるんです。
 
大根には、糖やタンパク質、脂質を分解する酵素がたくさん含まれていて、消化を助けてくれる働きがあります。さらに殺菌作用もあり、痛みやすいお刺身には最高のつまと言えます。中医学的に見ても大根は、消食化痰:消化促進して胃を助ける働きや、下気寛中:お腹の気を緩めて下におろす働きがあり、刺身にはぴったりの食材と言えます。
紫蘇は、防腐作用が非常に高く、殺菌作用も併せ持っているので、食中毒対策には欠かせない食材です。中医学的にみても、解毒:魚介類の解毒の力があり、行気和中:お腹の緊張を取り胃腸を動きやすくする働きもあるとされていますので、こちらも刺身にぴったりの食材です。ちなみ紫蘇は性味は温で辛ですので、冷たいお刺身の胃腸へのダメージを緩和してくれます。
ワサビ古くから殺菌効果や抗菌効果に優れた食材とされ、食中毒や O-157、 また腸炎ビブリオ、ブドウ球菌に対しても強力な殺菌力をもっているとされています。中医学的にみても、温中:お腹を温める働き、殺魚毒と刺身のためにあるようなものですね。
そして菊の花。これこそ単なる飾りだと思ってらっしゃる方は多いのではないでしょうか。菊にももちろん殺菌作用があります。中医学でもその清熱効果(炎症などの熱をとる、イライラを鎮静する)や、解毒作用などから、皮膚病から心身の不調まで様々な症状に使われています。
 


 
現代では冷蔵・冷凍の技術があるので、お刺身をいつでも美味しく食べられますが、本来、刺身や肉のようなタンパク質というのはとても痛みやすく、とくにこんなに暑い季節じゃ、現代の技術がなければ食中毒まっしぐらです。昔の人はどうにかしておいしい刺身を食べようと試行錯誤したんでしょうね。ワサビや菊に殺菌作用があるとは考えなかったでしょうが、これと一緒に食べると腹が痛くならない!っていうのは、知恵となり、そして食文化となり、今日まで受け継がれてきたのでしょう。今となっては、プラスチックのものに変わってたりして、「飾り」の面が大きくなってしまいましたが、刺身の紫蘇や大根しかり、すしのガリしかり、食中毒予防と消化促進のため是非一緒に食べてほしい食材たちです。
 
中医学的にみても、お刺身などの「冷たいもの」というのは総じて胃腸を傷つけますので、温めるもの、温かいものと一緒に食べるのが胃腸の負担も軽くなり、おすすめです。お刺身とつま、そして味噌汁やお茶、こう考えてみると日本食は知恵の塊ですね。和食の姿かたちや調理法には、先人の知恵が詰まっており、無駄がありません。せっかく作り上げてくれた「健康の教え」をまるごといただきたいものです。
 
さぁ、今日は何を食べようかな。。
 

2013/08/15

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