昨日はいきなり雷とともに現れた、滝のような集中豪雨に見舞われ、びしょびしょになったシンシンですが、今日も元気にお店の前で皆さんに笑顔を振りまいております。
暑い中でも笑顔で店頭に立つシンシンの後姿
今日は、暑い夏には見た目も、のど越しもとても涼しげな心太のお話です。
『心太』。心が太い、小心者の対義語ではなく、これは「ところてん」の漢字です。ところてんは元々、「こころふ」と呼ばれており、それに当てられた漢字が「心太」だったそうです。ところてんは、天草やオゴノリといわれる海藻を煮て、ドロドロになったものを布で漉して冷まして固めたもので、それを「天突き」という細長い筒の先が網目状になったものに入れ、突き出したもののことを言います。これに対して寒天は、ところてんを寒空に干して、凍結と解凍を繰り返しながら乾燥させたもの。『寒晒しのところてん』で“寒天”だそうです。ところてんや寒天もこれまた夏の風物詩ですね。
ところてん / june29
ところてんが一般的に食べられるようになったのは江戸時代ごろ。砂糖やお酢、黒蜜などをかけて夏場の涼をもとめるおやつとして食べられていました。当時はところてんが2文、寒天が4文で、1文が大体4・50円前後と言われてるので、ところてん一杯100円ぐらい、寒天一杯200円ぐらいでしょうか。江戸っ子は道端でつるっと一杯やっていたんでしょうねぇ。
江戸のところてん売り
カロリーがほぼゼロ!たっぷりの食物繊維とミネラル
ところてんはあの涼しげな見かけによらず素晴らしい栄養補助食品です。まずその98%が水分で、本体もガラクトースやアガロースと言った多糖類で出来ており、カロリーは限りなくゼロに近い、超低カロリー食材なんです。もちろん何もかけていない状態でです。元々が海藻なので、ミネラルも豊富です。さらに食物繊維の量も食品の中でトップクラス。ミネラルが補給できるばかりか、肥る心配もない。その上お通じにもよいとなれば、食べないほうがもったいない、最高のデトックス食材と言えます。 さらにさらに、毎日食べることで血糖値を抑えたり、コレステロールを減らしたりしてくれるようです。ところてん、計り知れません。
中医学的に見る心太
中医学的に見ると、海藻類を基にするところてんや寒天には、化痰といって痰をとる力や堅いものを柔らかくする力があるので、痰や腫瘍などにもおすすめの食材です。さらに熱をとったり、のぼせを鎮めたりする働きがあるので、夏の暑気払いなどにはピッタリです。注意する点は、寒性なので、食欲がない、軟便・下痢などの場合は、冷たいまま食べないこと。そうでなくても冷蔵庫から出して、少ししてぬるくなってから食べたほうが良いですね。
なんて書いていたらところてん、食べたくなってきました^^ 関東より北は酢醤油、関西は黒蜜で食べるようです。個人的には、酢醤油の酸っぱいのも、黒蜜の甘いのもどちらも好きです。早速、帰りに買って帰ることにします。