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野菜は目に、薬用は元気の源!「人参」のお話!

こんにちは、櫻井です。台風がまたまた近づいてきていますね。今日は一日雨模様のようで、シンシン君も心配そうです。


 
リクエストにお応えして、今日は人参のお話をしたいと思います。リクエストの内容が、野菜の人参か、生薬の人参かが解らなかったので、両方書きます!

野菜の人参


まず野菜の人参ですが、原産はアフガニスタンだそうです。植物学上ではセリ科に属していて、ウコギ科の生薬の人参とは別物です。名前は、先に入ってきていた薬用の人参が「人参」とよばれていたそうです。後から入ってきた野菜の人参は、その形が薬用人参に似ていたため、「人参」という名前が付きました。
日本に入ってきた人参は中国から16世紀ごろに入ってきた東洋人参と、江戸末期にオランダやフランスから入ってきた西洋人参とがあります。東洋人参は栽培が難しく、私たちが目にするほとんどの人参は西洋人参だそうです。東洋人参は甘く、人参特有のにおいも少なく、煮ても型崩れしにくいので和食では良く使われています。京人参と呼ばれている、赤みが深い「金時人参」がそれです。西洋人参はスーパーで目にする誰もが知ってる人参です。
人参は涼しい気候で育ちやすいので、旬は9月から12月と、今が旬で、生産量は北海道が一番多いです。。ビタミンAとカロチンが豊富で、特にカロチンはほかの食材に比べて圧倒的に多く、人参半分で一日の摂取量をまかなえるぐらいです。その他、ビタミンB,C、カルシウム、鉄も含み、栄養豊かな食材です。カロチンは油に溶けやすいので、バターや油で調理すると、カロチンの吸収率が上がります。人参のオレンジ色が一般的です、その他いろんな色素を含んだ人参があります。アフガニスタンのもともとの人参は白や黄色、黒というのもあります。
 


Carrots - Carota - Wortels - Geze - 胡萝卜- zanahoria - carotte - ニンジン / color line



食用人参を中医学的に見てみると、


平性で温寒の偏りがなく、血の不足やエネルギーの巡りの悪さを改善してくれます。肝の働きを改善して、貧血や夜盲症を予防します。目の疲れや視力低下にも。脾(胃腸)の働きを正常にするので、下痢や便秘の改善にもおススメです。


Carrots / joyosity


 
 

生薬の人参


「朝鮮人参」、「高麗人参」と呼ばれるウコギ科の薬用人参。今から1300年前、天平の時代に中国東北部の渤海から日本に伝えられたと言われています。八代将軍徳川吉宗がその栽培を奨励したとされ、各藩の大名にその苗を与え栽培させていたことから「御種人参」という名前も残っています。人参の歴史は古く、四千年も昔から薬として使われてきた記録もあります。中医学で人参というと、この人参を指しますが、同じウコギ科でもその他に薬効の違う西洋人参(アメリカ人参)、田七人参、シベリア人参*などがあります。


DSCN9042 / mongobbq


高麗人参はそのほとんどが韓国や中国の東北地方で栽培されています。野生の人参の薬効は「ショック状態で倒れた人を蘇らせる」というぐらい強烈な力を持っていますが、今ではほぼ入手不可能と言われています。
人参は代表的な補気薬で、人体の生命活動の原動力となる「気」を補う生薬です。体力の低下時や疲労や慢性虚弱に、元気を補い、胃や腸などの消化器の働きを健やかにし、神経・精神を安定させ、身体中の水分である「津液」を生む効果があります。人参は長期にわたって服用しても害がなく、適応する病気や症状の範囲がとても広い生薬です。しかし、もちろん薬は薬ですので、使用の場合は専門家のアドバイスを受けてください。特にすこし温性の性質を持つので、高熱時やほてり、のぼせ、高血圧、熱性便秘などの症状が強い場合は慎重に使うべきです。

高麗人参には、その炮製(ほうせい)と呼ばれる加工方法により2種類の違ったタイプのものがあります。ひとつは蒸した後加工した「紅参(こうじん)」、蒸さずにそのまま加工した「白参(はくじん)」があります。紅参はその蒸す過程で有効成分のサポニンが少し失われますが、逆にその際に別な有効成分が造られます。さらに煎じた時にそれらの有効成分が溶け出しやすいという長所が生まれます。




Ginseng / Florena_Presse/
白参



Bottles of Ginseng Like Little Creatures /薬用人参の薬酒/ storyvillegirl



野菜の人参と薬用人参


野菜の人参は寒熱の偏りがなく、どんな体質でも食べやすい食材です。肝の働きを良くして目を養います。胃腸にも良いとされています。


薬用人参の性味は甘で微苦、そして微温とされ、甘味で腸(脾)に行き、微温で温めます。補気固脱、補脾気、益肺気、生津止渇、安神益智の効果があり、体に元気を補い、胃腸を健やかにして、肺を活発に動かし、潤いを生み、心を安らげます。
どちらの人参も体にとても良いので、気になる症状がある方はレシピに加えてみてくださいね。野菜の人参は油と相性が良いのできんぴらなんかおすすめですが、薬用ニンジンももし手に入れば、きんぴらやてんぷらにしてもおいしいです。焼酎につけて毎日少しずつ飲むのも良いですね。






*西洋人参(アメリカ人参)の薬効は高麗人参に似ていますが涼性です。熱をとり頭をすっきりさせる力があるとされ、エネルギー不足に加え、集中力や記憶力などが求められる場合に。田七人参は、活血・止血の妙薬。血流改善しながら同時に、そう反する止血作用もある不思議な生薬です。肝の機能をあげてくれたり、痛みを抑える力もあります。出血時や血流改善はしたいけど出血はさせたくないとき、痛みがあるときなどに使います。シベリア人参は、温性で、心を安らげるリラックスの力があり、環境ストレスに強くなれるとされています。

2013/10/25

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