帯下病(おりもの)とは
“帯下(おりもの)”の状態は、女性の体の健康状態を知る1つのバロメーターです。
帯下とは、膣内から出る粘液で
- 外部から膣内に雑菌が進入するのを防ぎ膣内を清潔に保つ
- 膣内を潤し精子が進入しやすいよう手助けをする
といった働きがあります。
正常では、無色透明・無臭で月経前や排卵日、妊娠期にはやや多くなり閉経後には減少します。
しかし、量や色、臭いの異常やかゆみなどの不快感、腰痛や腹痛などの症状がある場合、“帯下病”とみなされ治療が必要となります。
帯下病~漢方では
1. 胃腸虚弱タイプ(脾虚湿盛型)
胃腸の働きが 十分でないと、飲食したものがしっかり消化吸収されず正常なエネルギー・血・体液に変換されません。
かわりに湿濁となり異常な帯下が出来てしまいます。帯下は白、臭いは少ない、過量な傾向があります。
普段から疲れやすい、食欲がない、体がむくみやすい、下痢や軟便を繰り返すなどの症状がみられる方には、胃腸の状態を整え、
体に溜まった余分な湿濁を除去する“星火健脾散(せいかけんぴさん)”や補気作用のある“補中益気丸(ほちゅうえっきがん)”など。
2. 加齢・消耗タイプ(腎虚水湿型)
加齢や慢性疾患などによる消耗から、腎の働きが低下すると水分代謝も悪くなります。体を温める働きが低下すると(腎陽虚)、
帯下は色が薄く水っぽいかんじに、体の潤いが不足し体内に熱がこもると(腎陰虚)、帯下は色がつき粘っこくなる傾向があります。
体が冷える腎陽虚タイプの方には、“蘭州金匱腎気丸(らんしゅうきんきじんきがん)=八味地黄丸(はちみじおうがん)”、
潤い不足により熱性の帯下が出る方には“瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)”など。
3. 湿熱停滞タイプ(肝経湿熱型)
体の中に湿が長期間停滞すると熱に変わり、帯下は黄~赤っぽく、粘っこく、臭いも強くなります。口渇や口臭、便秘あるいは軟便、
黄色の尿、陰部の違和感などが生じる傾向があります。
このような方には、体内の湿と熱を取り除く“瀉火利湿顆粒(しゃかりしつかりゅう)や“茵陳五苓散(いんちんごれいさん)”など。
注意)漢方薬を実際に服用する際は、
専門家にご相談して適切な漢方薬を選んでください。
帯下病の原因がトリコモナスやカンジダ、細菌などの感染症による場合は、
漢方薬よりも西洋薬による速やかな治療が必要な場合もあります。市販のおりものシートも様々なものが売られていますが、ちょっと変だな?
と思ったら、まずは検査をされることをおすすめいたします。
帯下はあなたの体の状態を映す鏡のようなもの。毎日チェックして、今一度ご自分のお体の状態を見直してみてはいかがでしょうか。
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