クーラー病
人間の体内は外部からの刺激に対し一定に保つ機能(体内恒常性)があります。クーラーなどで体を冷やした場合は、体内から熱を逃がさないように末梢血管の収縮や皮膚の収縮をします。また体は冷えないように産熱量を増やします。全身の皮膚や血管を収縮させる為には、脳から抹消に多くの指令を送らなければいけません。そして多くの指令は人間の体内を知らず知らずのうちに疲弊させます。また産熱とは電子レンジで温めるようなものですので、多くの電力(体力)を消費します。
現代病としてクローズアップされているクーラー病(冷房病)の根源は上記にあるように「クーラーによる疲れ」です。具体的にどこが疲れるかといえば「自律神経」です。
さらに温度差の激しい場所を行き来すれば、外部環境に適応するために体内は激しく動き回り、疲弊することになります。
クーラー病(冷房病)の症状
だるさ、むくみ、足腰の冷え、月経痛、食欲不振、下痢、肩こり、頭痛、神経痛
クーラー病(冷房病)の対策
冷房病の対策としては、
①クーラーの設定温度を高めにするが…
一般的に「クーラーの設定温度は28度」という風潮がありますが、これは間違えです。何故ならクーラーの設定温度=室温ではないからです。室温を28度くらいに設定することが正解です。したがって室内の温度は温度計を使ってしっかり管理しましょう。しかし28度という数字はどこから?
これは「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」にある
建設物環境衛生管理基準に規定する温度(17℃以上28℃以下)の範囲内で適切な温度を設定し、過冷房、過暖房が生じないよう十分配慮すること。厚生労働省HPより
を基にしております。したがって適正温度には28℃~17℃とかなりの幅が設けられてますので、絶対に28℃にしなければならないわけではありません。
適正温度は人により様々です。自分にあった温度を確認するには、皮膚を触ってかなり冷たくと感じるようであれば、温度設定を見直した方がよいでしょう。また透明な鼻水がダラダラ出るようであれば、体はかなり冷えていますので設定温度を見直してください。
②薄着のままで居ない(上着やひざ掛けなどを使う)
身体に直接冷風を当てることにより、皮膚温が下がりやすくなります。外出時は一枚羽織るものを持ち歩きましょう。また首回りを冷やすと風邪を引きやすくなる為、しっかりとガードしましょう。
③冷たい飲み物や食べ物を避ける
出来るだけ常温以上の飲食を心がけ、胃腸を冷やさないようにしましょう。常温以下の飲食をすれば胃腸の消化吸収率は低下し、腸内細菌叢のバランスは乱れ、ひいては冷えにつながります!
以上の事を心がけて生活しましょう。
中神