33歳主婦。既婚。2年前に第1子を出産。20代の頃よりたびたび皮膚の湿疹が出ていたが、ステロイドの外用薬を使用して治まっていた。産後しばらくして皮膚症状が出てきたが我慢できる程度で、1ヶ月ほど前から症状がひどくなったため皮膚科を受診して処方されたステロイドを使用していたが、効きが悪く、さらに痒みや乾燥で眠れない日々が続いたので当薬局に来店されました。
最近は子供のイヤイヤ期(2歳位)が始まって、育児のストレスを感じるようになり、熟睡できない事もあって慢性的に体が疲れているとのことでした。また、体の疲れや皮膚の痒みから体がしんどいため、食事は近くのスーパーで買ってきたお惣菜や揚げ物などが多くなりがちで、ストレスからか食べることで発散するようになっているとのことでした。
皮膚症状が悪化する原因の多くは「ストレス」や「食事」
産後は環境が大きく変化するため、子供とずっと一緒にいる母親には大きなストレスがかかります。加えて、食事はあっさりとした野菜たっぷりの和食中心が望ましいのですが、かゆみが強く子育てによる疲れも蓄積しているので、料理を作る元気がないのでしょう。一般的にお弁当や惣菜などは味が濃くて油を使っている物が多いので、胃腸に負担がかかって体の中に老廃物が溜まりやすく、それが皮膚症状の悪化に繋がることもあります。
子育てによるストレスと食事の乱れ。これがこの方の皮膚症状の悪化の原因と考えられました。
【2014年11月13日】
【2014年11月13日】
良い食事できれいな肌を作る
食事については、あっさりとした野菜たっぷりの和食中心を心がけて何とか頑張ってもらい、子供のお菓子をついつい自分も食べてしまうということでしたので、お腹が空いたら砂糖不使用の野菜ジュースを飲んでいただくようにしました。また、育児については、両親や親戚、友人など周りのサポートをお願いして、自分一人で抱え込まないようにしてくださいと伝えました。
漢方薬については、炎症の原因である体の中にこもった熱をデトックスしていくお薬、食事の乱れにより体の中にたまってしまった老廃物をデトックスしていくお薬、皮膚の痒みや赤みなど体の表面をクールダウンさせるお薬をオススメしました。また、肌を守るためのスキンケアも1日2回しっかりとやっていただくように伝えました。
【2015年1月13日】(2ヶ月後)
【2015年1月13日】(2ヶ月後)
2ヶ月後、赤みは薄くなり痒みも改善して夜は眠れるようになったようです。痒みが治まってきたことにより気持ちに余裕が出てきたとのことでした。食事は野菜中心で油物はほとんど取らないようにして頑張っています、とおっしゃっていました。
【2015年5月1日】
【2015年5月1日】
5ヶ月半後の経過です。赤みはだいぶ良くなり痒みはほとんどありません。食事は野菜中心のあっさりを続けていたら体も軽くなりました、と喜んでおられました。たまに食べ過ぎてしまうこともあるようですが、以前みたいに症状が悪化することはなくなったようです。育児は相変わらず大変ですが、近くに住んでいるご両親に協力してもらって、なるべくストレスを溜めないように気をつけています、とのことでした。
まとめ
こちらの方は3種類の漢方薬と3種類のスキンケア用品を使っていただき、来店後6ヶ月もかからずに症状が落ち着きました。①食事を頑張っていただくこと②ストレスを溜めないように工夫をしていただくこと③漢方薬を飲み忘れないこと④スキンケアをしっかり使っていただくこと、を本当に真面目に守ってくださいました。言うのは簡単なのですが、実際に続けるのは本当に難しいことです。
皮膚症状の悪化は食事やストレス、多忙や睡眠不足など外的要因により免疫力が低下することに加え、もともとの体質により肌にトラブルが出やすいといった内的要因が重なって引き起こされます。食事と漢方薬、スキンケアの3本柱で外的要因を減らし、内的要因を整えることにより皮膚症状が悪化しない体づくりをすることが大切です。