月経期以外の出血で不安になった事はありませんか?
月経期以外の出血を「不正出血」といい、ホルモンバランスの乱れ、
子宮頸癌・子宮体癌などの癌、子宮頸管ポリープ、子宮筋腫、子宮内膜症、
クラミジア・トリコモナスなどの性感染症、膣炎、卵管炎などさまざまな原因が考えられます。
では、排卵期出血とはどのような不正出血なのでしょうか?
排卵出血とは??
最近の月経から次の月経が来る中間に起こる出血を『排卵期出血』または『中間期出血』といい、
出血は少量で2~3日以内に止まります。例えば、月経周期が28日の場合、
最近の月経から約2週間後の時期に起こります。
また、基礎体温をつけている場合は体温期(卵胞期)から高温期(黄体期)への移行時期に起こります。
排卵出血の原因は??
排卵期に卵子が卵巣を破って飛び出る際の出血が卵管~子宮を通じておりてきた
可能性や排卵期の女性ホルモンの急激な変化により
子宮内膜が一部剥がれてしまった為の出血と考えられています。
排卵出血を中医学的に考えると…
女性の月経周期を陰陽のバランスでとらえると、
排卵期は月経~低温期に充ちてきた『陰』が一気に動いて『陽』へ転じる時期(陰盛転陽)にあたります。
五臓では特に泌尿器・生殖・内分泌など成長・発育・老化を司る「腎」との関わりが深く、
腎の虚弱は月経全体・排卵期へ影響します。
出血量がほんの少しで期間も1,2日だけ、或いは偶さかに一回だけの出血であれば心配ありません。
しかしながら、何度も排卵期に出血し、出血している期間も長くなると、排卵期が遅くなり排卵に影響し、
甚だしくは何度も再発し妊娠に影響を及ぼす場合は、体質を漢方でととのえるのも方法です。
次に排卵期出血にみられるタイプをご紹介します。
【腎陰虚(排卵出血の基本体質)】
排卵期出血、出血量は少ないかやや多い、色は赤く塊なし、めまい、腰の怠さ、
熟睡感がない、便秘、尿の色が濃い、舌が赤い 等
【陰虚火旺(腎陰虚が更に進み、熱症状が顕著になる)】
排卵期出血、出血量は少ないかやや多い、色は赤く小さい塊があることも、めまい、
腰の怠さ、暑苦しくイライラする、睡眠の質がとても悪い、或いは不眠、夜に寝汗、
便秘、尿の色が濃い、舌が赤く苔が黄色い等
【陰陽両虚(腎陰虚が発展し、エネルギー不足の症状もみられる)】
排卵期後半或いは排卵期半ばに出血、出血量は少ない、色は薄い赤で塊なし、
腰の怠さ、疲れやすく元気がない、頻尿、軟便気味のことも。
舌は淡紅、苔は薄く白い 等
【気鬱化火(気の鬱滞により情緒不安定、熱症状がみられる)】
排卵期半ば或いは排卵期前半に出血、出血量はやや多い、色は赤く小さい塊があることも、
イライラして胸苦しい、めまいや頭痛、熱っぽく口が乾く、睡眠の質が良くない、
便秘、尿の色が濃い、舌が赤く苔が黄色い等
【湿熱(湿による体の重怠さや、分泌物が多く粘つく)】
排卵期の出血、量がやや多い、色は赤く粘度があり、疲れやすく元気がない、
身体が重怠く辛い、胸の圧迫感、イライラしてじっとしていられない、食欲やや不振、
尿量少なく色が濃い、通常期もおりものがとても多く黄白色でネバネバし、臭いがすることも。
側腹部の脹痛、舌は赤く苔は黄白でネバネバし厚い等
【血瘀(血液循環の滞りによる症状がみられる)】
排卵期の出血、量は多かったり少なかったり一定しない、色は紫黒で塊あり、側腹部の脹痛或いは、
針で刺されたような痛み、胸の圧迫感、イライラしてじっとしていられない、口が渇くが実際には
飲みたがらない、舌は深紅色、周りに紫斑等
以上、貴方はどのタイプでしたか?実際に漢方の服用を検討される際は、お近くの漢方薬局で
詳細ご相談くださいね。
排卵出血,排卵期