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銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)

毎年、秋口から冬にかけて乾燥する時期になりますと、カゼがはやってきます。最近、薬局でもカゼ薬を買いに来られるお客様が増えています。

実は、カゼにもタイプがあって、漢方では、そのタイプを見極め、お薬を使い分けます。漢方のカゼ薬といえば『葛根湯』がよく知られていますが、実は、合わない場合もございます。赤い顔をしていたり、のどの痛みが強いときに、『葛根湯』はおすすめできません。葛根湯は、ゾクゾクと寒気が強い『風寒型』(ふうかんがた)のカゼに対して体を温め、汗をかかせるのに使う漢方薬です。

ひき始めからのどの痛みや熱っぽい感じが寒気より強いときは、『風熱型』(ふうねつがた)のタイプで、『銀翹解毒散』(ぎんぎょうげどくさん)を使います。今回は、これからの時期にぴったりの『風熱型』(ふうねつがた)のカゼ薬、『銀翹解毒散』についてご紹介します。

 

風熱型のカゼとは?


カゼのひき始めから悪化しやすいタイプで発熱に特徴があります。ウイルス性の強いカゼやインフルエンザなどもこのタイプです。

主な症状は、
熱が強い
のどが腫れて痛い
口の乾き、冷たいものを飲みたい
鼻水や痰が黄色い
尿の色が濃い
舌先が赤い など

 

銀翹解毒散(ぎんぎょうげどくさん)とは?


750年~1000年頃前の中国の元から明の時代に地球温暖化が起こり、多くの人々が『冷え』から『熱』のたまりやすい体質となり、熱病や感染症が増えたそうです。それから『温病学説』が発展し、辛涼解表・清熱解毒の代表である『銀翹散』が作られたといわれています。中国では、風熱型のカゼにはもちろん、喉の炎症や皮膚科の治療にもよく使われています。



 

銀翹解毒散の中身は?


汗や尿より熱を外に出させる生薬、のどの炎症や痛みを取る生薬を配合した天津感冒片。詳しく中身をみてみましょう。

金銀花(きんぎんか)、連翹(れんぎょう)・・・辛涼解表・清熱解毒
羚羊角(れいようかく)・・・清熱解毒・清肺止咳
薄荷(はっか)、淡豆豉(たんずし)、荊芥(けいがい)・・・発汗除煩袪風・辛散解表
桔梗(ききょう)、甘草(かんぞう)、牛蒡子(ごぼうし)・・・宣肺・袪痰・清利咽喉
淡竹葉(たんちくよう)・・・清熱・生津除煩・利水通淋

 

あなたのカゼはどのタイプ?


ひき始めのカゼのタイプは大きく分けて2つ。

風熱型(ふうねつがた)のカゼ・・・熱やのどからくるカゼ。
このタイプによく使われるお薬は・・・銀翹解毒散、板藍茶など。

食の養生・・・身体の熱を冷ます涼性の食材がおすすめ。
大根、レンコン、トマト、ミント茶など。

 

風寒型(ふうかんがた)のカゼ・・・ゾクゾク寒気が強いカゼ。
このタイプによく使われるお薬は・・・葛根湯、頂調顆粒など。

食の養生・・・身体を温めて、汗をかかせる食材がおすすめ。
ねぎ、しょうが、シナモンなど。

 

カゼは、変化が早く、タイプを間違うと長引くこともあるので、まよったら漢方薬局へぜひご相談ください。

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