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中医学を学ぼう!

「胆」について

「胆」と「胆嚢」


中医学では、六腑の一つである「胆」はその首位に在るとされます。また五臓の「肝」と表裏の関係にあり、「肝」の疏泄機能(巡りを整える機能)により調節されています。中医学でいう「胆」と現代医学の「胆嚢」の働きは、非常に似ています。まずは「胆嚢」のことについて勉強してみましょう。


「胆嚢」の機能は簡単にいうと、胆汁の貯蔵と排泄です。そして胆汁は食物の消化吸収を助ける働きがあります。
もう少し詳しく述べますと、
1) 脂質(コレステロールも含む)の溶解性を高め、吸収しやすくする。
2) 壊れた赤血球中の成分、ヘモグロビンなど体の老廃物を体外へ排出する
という機能を持ちます。胆嚢は肝臓で生成された胆汁を貯蔵し、食物が身体の中に入ってきた時に消化吸収を行う小腸に胆汁を必要量分泌して、その作業を助けるのです。なお胆汁は、味は苦く、黄緑色の液体です。胆嚢は大切な役割を持つ臓器ですが、切除しても命に直接関わることはありません。その場合には胆汁は胆嚢を介さずに、生成場所である肝臓から小腸に直接流れ込みます。

先ほど、胆汁は肝臓で形成されることを述べましたが、中医学で「肝」と「胆」が表裏の関係にあることと無関係ではないでしょう。現代医学はもとより、中医学でも「肝」と「胆」は密接な関係にあるのです。

 

胆の病理


「肝」の疏泄機能が損なわれると、胆汁の生成と排泄の異常を引き起こし、「脾胃」の運化機能(栄養を体内に運搬し、吸収する機能)に影響します。それに伴い、以下のような症状が見られます。
1) 消化不良(脇の下の張り痛み、食欲減退、お腹の張り、軟便など)
2) 口の苦味
3) 嘔吐
4) 黄疸(目や顔が黄色くなる)

「胆」に関係する代表的な病証としては「肝胆湿熱」があります。

 

肝胆湿熱(かんたんしつねつ)


「肝」及び「胆」が「湿邪」と「熱邪」に犯された状態。主な症状は、上記のような「胆」の異常に伴う病状で、時には便秘、寒熱往来(寒気と発熱が代わる代わる起きる状態)、生殖器の痒みや腫れ、尿量が減少して色が黄色くなる事などが起こります。治療には「湿」と「熱」を取るお薬として「インチン五苓散(いんちんごれいさん)」などが使われます。

なお、西洋医学的に診断された肝炎に「小柴胡湯(しょうさいことう)」というお薬が良く使われますが、胆嚢炎にも同じく「小柴胡湯」が使用されます。このことも「肝」と「胆」が表裏の関係であることを良く表しているでしょう。

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